狐人的あいさつ
コンにちは。狐人 七十四夏木です。
読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?
そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。
今回は『悪魔の煤けた相棒/グリム童話』です。
文字数3000字ほどのグリム童話。
狐人的読書時間は約6分。
悪魔のいうことを聞いてはいけない、という常識を覆すかのような、逆説的結末のグリム童話です。意外な感じがして、けっこう楽しく読むことができました。
未読の方はこの機会にぜひご一読ください。
狐人的あらすじ
兵隊をくびになったハンスは、歩いている道の途中で小人に出会うが、その小人は悪魔だった。
「金がない? お前が食うに困らないようにしてやる。そのためには七年の間、体を洗わず、髪をとかさず、ひげを剃らず、髪や爪を切ってはならず、涙もぬぐわずに働かなければならない」
ハンスは地獄に連れていかれ、釜の下の火をかきたて、家を掃除してごみを戸の裏側へ捨てる仕事を与えられた。そして釜の中を決して見てはならないと命令された。
しかしハンスはどうしても我慢できなくなり、釜の中をつぎつぎと覗いてしまう。そこには自分をひどい目にあわせたかつての上官たちが煮られていた。ハンスは腹いせに火の勢いを強くした。
ハンスは七年間小人に言われたとおり働いた。ハンスにはあっという間に感じられた。悪魔はハンスが釜の中を覗いたことを知っていたが、それで火の勢いを強くしなかったら命はなかったのだと教えた。
ハンスは故郷に帰ることになり、悪魔は報酬としてハンスが掃き寄せたごみを背のう一杯与えた。そして、どこから来たのか聞かれたら「地獄から来た」と答え、誰なのかを問われれば「悪魔の煤けた相棒さ」と答えるように教えた。
ハンスが地上に戻ると、背のうのごみは大量の金貨に変わっていた。途中立ち寄った宿屋で、ハンスのすさまじい姿に驚いた主人は、はじめハンスの宿泊を断ろうとしたが、金貨を渡されて気を変えた。そして夜中にこっそりとハンスの金貨の背のうを盗んだ。
宿を出たハンスは背のうがなくなっていることに気づき再び地獄へ戻り、悪魔にいきさつを話した。悪魔はハンスの身だしなみを整え、宿の主人が背のうを盗んだことを教え、返さないと悪魔が地獄にさらいにくると脅すようにアドバイスする。
ハンスは悪魔に言われたとおりにして宿の主人から背のうを奪い返し、主人は悪魔を怖れてさらに金を渡してきたので、ハンスは大金持ちになった。
その後、ハンスは悪魔に習った音楽を演奏しながら、国々を回った。あるとき王様の前で演奏する機会があった。王様はハンスの音楽をとても気に入り、一番上の娘をハンスと結婚させると言ったが、一番上の娘はそれを嫌がり、代わりに一番下の娘と結婚することになった。王様が亡くなったあとは国をまるまる手に入れた。
狐人的読書感想
悪魔についていって幸せになるという結末は、ちょっと意外に思いましたね。
かつての上官たちへの復讐が正当なことのように語られていた点も印象に残ります。
いまでは復讐は悪いことですが、昔は日本でも復讐は正当な行為として法律で認められていましたし、世界的にもそうだったのかもしれませんね。
悪魔にかかわった人が幸せになるという、ちょっと意外な感じがした、今回の狐人的読書感想でした。
読書感想まとめ
悪魔の煤けた相棒が幸せになる意外な結末。
狐人的読書メモ
・『悪魔の煤けた相棒/グリム童話』の概要
KHM100。原題:『Des Teufels rußiger Bruder』。
以上、『悪魔の煤けた相棒/グリム童話』の狐人的な読書メモと感想でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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