狐人的あいさつ
コンにちは。狐人 七十四夏木です。
読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?
そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。
今回は『ガラス瓶の中の化け物/グリム童話』です。
文字数4000字ほどのグリム童話。
狐人的読書時間は約8分。
ガラス瓶の中にカエルみたいな生き物を見つけても、うかつに出してはいけない。なぜならそれは魔物かもしれないのだから。賢い少年とまぬけな魔物の話。
未読の方はこの機会にぜひご一読ください。
狐人的あらすじ
貧しい木こりの子が学校に行っていたが、二年のときに学費がつきて家業を手伝うことになった。家には斧がひとつしかなかったので、木こりの子は隣の家から斧をかりて父親の仕事を手伝うことにした。
木こりの子は昼休憩のときに鳥の巣を探そうとしていて、くぐもった声を聞いた。カシの木の根元にガラス瓶が落ちていて、中にはカエルのような生き物が閉じ込められていた。
木こりの子はガラス瓶を開けた。すると中の生き物が瓶から飛び出てきて、たちまち大きな魔物になった。魔物はお礼に木こりの子の首をへし折ると言った。
木こりの子は本当に魔物なのかを知るためにもう一度瓶の中に入ってくれるようにお願いした。魔物は言うとおりにし、再び瓶の中に閉じ込められてしまった。
魔物は憐れな声で、もう一度助けてくれと願い、今度は本当にお礼をすると言った。木こりの子はもう一度魔物を瓶の外に出してやった。
魔物はお礼に絆創膏のような布きれを木こりの子に渡した。この布切れの一方の端で傷をさすればたちまち治り、もう一方の端で鉄をさすれば銀に変えられるという。
木こりの子は斧で皮膚を少し切って布切れを試してみたが、傷はたちどころに治ってしまった。それから木こりの子は斧の鉄の刃を銀に変えた。それを木に打ちつけると柔らかい銀はぐにゃりと曲がった。
父親は弁償するお金がないと言って、かんかんに怒った。木こりの子はそんな父親をなだめて町の金細工師のところを訪ねた。銀の斧は高値で売れ、斧を二倍の額で弁償してもまだたくさんのお金が残った。
木こりの子は残りのお金で学校に戻り、やがてどんな傷でも治せる世界で最も有名な医者になった。
狐人的読書感想
少年の賢さ、というよりも、魔物のまぬけさが目立っていて、なんだか憎めない奴でしたね。
どこかで聞いたことのあるような話に思いましたが、どこで聞いた話だったかまったく思い出せません。
魔物がくれた絆創膏は興味深いアイテムだと感じました。
一方の端でこすれば傷が治り、もう一方の端でこすれば鉄が銀に変わるって、あまり見ないおもしろいアイデアですね。
家の都合で学校を諦めねばならなかったとしても、まじめに働いて学ぶ意欲を失わないでいれば、いつか必ず学び直す機会はあるというお話なのでしょうか、なんとなく生涯学習や通信教育のことをふと思いました。
木こりの子が学校に戻れてよかったと思った、今回の狐人的読書感想でした。
読書感想まとめ
瓶の中の生き物には要注意。
狐人的読書メモ
・『ガラス瓶の中の化け物/グリム童話』の概要
KHM99。原題:『Der Geist im Glas』。
以上、『ガラス瓶の中の化け物/グリム童話』の狐人的な読書メモと感想でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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