狐人的あいさつ
コンにちは。狐人 七十四夏木です。
読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?
そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。
今回は『知恵者のグレーテル/グリム童話』です。
文字数2000字ほどのグリム童話。
狐人的読書時間は約5分。
ユニークなグリム童話。料理人のグレーテルが味見のつもりで暴飲暴食する話。主人にばれないよう平然と対処するグレーテルがシュールで笑える、かも?
未読の方はこの機会にぜひご一読ください。
狐人的あらすじ
昔あるところに、グレーテルという名前の料理人がいた。グレーテルはかかとの赤い靴を履き、(私はなんてきれいなの)と嬉しくなってワインを飲み、食欲が出てくると味見と称して、自分が料理したものの一番いいところを食べてお腹いっぱいになる女だった。
ある日、主人の言いつけで、グレーテルは二羽の鶏を料理することになった。夕方になって鶏の丸焼きがほぼ出来上がるころ、お客はまだ来ていなかった。グレーテルは料理の頃合いを主人に告げた。主人はお客を迎えに出かけていった。
味見をしなくちゃ、まあとてもよくできてるわ、すぐに食べなくちゃもったいない、焦げてる手羽は私が食べたほうがいいわね、じゃあもう一つの手羽も食べないと、バランス悪くて旦那様が気づくかも、なかなか帰ってこないわね、神様のすばらしい贈り物を無駄にできないわ、一羽いるところにもう一羽もいなくっちゃ、二羽で一組なんだもの……グレーテルは主人が出かけているうちに、ワインを飲みながら二羽の鶏をぜんぶ食べてしまったのだった。
主人は家に帰ってくると、料理した鶏を切るための包丁を研ぎ始めた。そこでグレーテルはまもなく来たお客にこんなことを言った。
「はやく逃げて! 旦那様はあなたの両耳をそぎとって食べるつもりよ! ほら、包丁を研ぐ音が聞こえてくるでしょう?」
お客が慌てて逃げ出すと、今度は主人に向かってこんなことを言った。
「まあ大変、お客様が料理の鶏を二羽とも持って逃げてしまいましたよ!」
主人は一羽だけでも残してもらおうと、「一つだけ、一つだけ!」と言いながらお客を追いかけたが、お客は「耳を一つだけ」と言っているとしか思えなかったので、尻に火がついたように逃げていった。
狐人的読書感想
コメディーみたいな、ユニークさのあるグリム童話でした。
グレーテルといえば『ヘンゼルとグレーテル』のグレーテルをまっさきにイメージしてしまうのですが、ちょっとあのグレーテルとは印象が違いましたね。
『知恵者のグレーテル』というより「食いしん坊のグレーテル」といった感じです。悪知恵が働くという意味では、たしかに知恵者といってもいいのかもしれませんが。
料理中に味見のつもりがついつい……、というのはよくあることのような気がしましたが、実際には相当お腹が空いていないかぎりはまあないでしょう。
とはいえ、あとでばれたら大変な気がした、今回の狐人的読書感想でした。
読書感想まとめ
コメディータッチのグリム童話?
狐人的読書メモ
・『知恵者のグレーテル/グリム童話』の概要
KHM77。原題:『Die kluge Gretel』。第2版で「さしもの師とろくろ師の話」に代わって追加。
以上、『知恵者のグレーテル/グリム童話』の狐人的な読書メモと感想でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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