狐人的あいさつ
コンにちは。狐人 七十四夏木です。
読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?
そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。
今回は『十二人の狩人/グリム童話』です。
文字数2600字ほどのグリム童話。
狐人的読書時間は約6分。
むかしから恋愛ではやっぱり女性が強いみたいですね。親に言われるままな王子はちょっと情けないかもしれません。なんでも秘密を知ってる不思議なライオンが興味深いです。
未読の方はこの機会にぜひご一読ください。
狐人的あらすじ
父王の病が篤いとの知らせを受けて、王子は愛する娘に指輪を渡し、「必ず戻る」と約束して城へ帰っていった。「父の望む相手と結婚してほしい」と遺言を残して父王が亡くなり、王子はその相手と婚約せざるを得なくなった。
王子が愛する娘は、とある王国の王女だった。王子の婚約の話を伝え聞いて深く傷つき悲しんだ。「私にそっくりな顔と背丈の十一人の娘を探してください」と娘は父親に頼んだ。
娘は集められた十一人に狩人の服を着させ、自分もその服を着て王子の城へ旅立った。王子は自分の愛する娘だとは気づかずに、十二人の狩人を雇った。
王子は狩人たちを男だと信じて疑わなかったが、飼っていたライオンが「あの狩人たちはじつは女だ」と告げた。ライオンはなんでも知っているのだ。
王子はライオンの言うことが信じられなかった。そこでライオンは広間にエンドウ豆をまくように言った。「男ならしっかりと豆を踏みつけるでしょうが、女なら豆は転がってしまうでしょう」
ところが王子の家来の一人がこのことを狩人たちに伝えてしまった。狩人たちはしっかりと豆を踏み、男であることを王子に示した。
「狩人たちはきっとこのことを知っていたのでしょう。今度は広間に糸車をおいてください。男なら見向きもしないはずですが、女なら喜んで近づいていくことでしょう」とライオンは言った。
やはり王子の家来の一人がこのことを狩人たちに伝えた。狩人たちは糸車には見向きもしなかった。もはや王子はライオンの言うことを信じなくなった。
ある日、王子が狩人たちと森で狩りをしていると、王子の婚約者が結婚式を挙げるためにやってくるという知らせが入り、狩人に変装していた娘は悲しみのあまり倒れてしまう。
王子は驚いて駆けより、狩人の手袋をとると、その指にはあの日の指輪が光っていたので、その狩人が自分の愛する娘であることがわかった。
狩人は婚約を解消し、愛する娘と結婚した。ライオンは王子の信頼を取り戻し、再び大事にされるようになった。
狐人的読書感想
王子には愛する娘がいて、しかし望まぬ相手と結婚せねばならず、娘は深く傷つき悲しみながらも決して諦めず、狩人に変装してまで王子のそばに行き、二人の真実の愛が証明されるかたちで大団円を迎える――オーソドックスな恋愛ものって感じでしたね。
亡くなる間際の父王の遺言を断れない王子の気持ちはわからなくもありませんが、しかし愛する人がいるにもかかわらずなされるままべつの相手と結婚しそうになっている姿はなんだか情けないような気がします。
それに比べて娘のほうは傷つき悲しみながらも諦めず、王子を追いかけていったのは見上げたものだと思います。むかしからこと恋愛においてはやっぱり女性のほうが強かったのかな? という気がしました。
二人の愛を邪魔するものとしての家来と、助けるものとしてのライオンの存在もおもしろかったですね。愛には障害や助けがあったほうが、やはり物語としてより映えるような気がしてしまいます。
オーソドックスな恋愛ものがやっぱりおもしろいと思った、今回の狐人的読書感想でした。
読書感想まとめ
オーソドックスな恋愛ものっておもしろい。
狐人的読書メモ
・秘密にしていることをみんな知っている不思議な動物、ライオンが創作のモチーフ的に興味深いと思った。
・『十二人の狩人/グリム童話』の概要
KHM67。原題は『Die zwölf Jäger』。初版時のタイトルは『王さまとライオン』で、第2版で改題された。若い王子と王女の試される愛。
以上、『十二人の狩人/グリム童話』の狐人的な読書メモと感想でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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