狐人的あいさつ
コンにちは。狐人 七十四夏木です。
読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?
そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。
今回は『第四の夫から/芥川龍之介』です。
文字数3000字ほどの短編小説。
狐人的読書時間は約11分。
チベットで僕は三人の夫と一人の妻を共有している。と聞けば君は驚くかもしれない。国による制度、人による価値観の違い。多様な愛のかたちはどこまでも認められてしかるべきか。
未読の方はこの機会にぜひご一読ください。
狐人的あらすじ
主人公が友人に宛てた手紙。主人公はチベットに住み、三人の夫と一人の妻を共有している。あるとき、この妻が商人の手代と浮気をした。四人の夫は話し合い、二人の鼻をそぎ落とすことにしたが、妻については憐れに思い、結局手代の鼻だけをそぎ落した。妻はその後、貞淑に四人の夫を愛しているという。僕らはこれから監獄の前へ、従兄妹同志結婚した不倫の男女のさらしものを見物に出かけるつもりである――と手紙はしめられている。
狐人的読書感想
チベットの一妻多夫制について書かれている小説です。昔のお殿様とか他の国とかで一夫多妻制はよく聞くような気がしますが、一妻多夫制というのはあまり聞いてことがない気がしました。
チベットやインド南の一部地方などで、現在でも存続している結婚制度なんだそうです。
LGBTとかポリアモリーとか、多様な愛のかたちが話題にのぼる昨今、一夫多妻制も一妻多夫制も認められてしかるべき結婚形態なのかな、ってたまに思うことがありますね。
(もちろん、理解がむずかしかったり嫉妬心とか、心情的には「むりでしょ」って思う気持ちもなきにしもあらずですが……)
地域による一妻多夫制の成立条件としては、
・男性が女性に比して過度に多い
・経済的に貧しく、一人の女性とその子供を一人の男性が扶養するのがむずかしい
などあるそうです。
日本でも少子化が社会問題になっていますよね。少子化について経済的な面は少なからず関係しているように感じられます。
一夫多妻制でも一妻多夫制でも、経済力のある男女には認められてもいいのかなって気がしないでもありあせんね。昔のお殿様みたいに。
まあ、それで少子化が完全に解消されるとは言いがたいでしょうし、貧富差別を助長することにもつながりそうな感じもしますが。
ともあれ婚姻形態も愛のかたちも、多様性は認められてもいいように思えるのですが、おおっぴらに認めて既存の制度を変えてしまうと、社会秩序が維持できなくなるということになるんですかね?
なんだかむずかしい話みたいですよね。
最後に「いとこ婚が不倫」と書かれていて驚きました。日本では認められていて、認められている国はけっこう多いらしいですが、アメリカでは25の州で禁止されているんだとか。
まあ、これは生まれてくる子供が欠損児になったり病気に弱くなってしまったり、遺伝的で生物学的な問題が絡んでくる話なんですかね。
ともあれ、国によって人によって異なった価値観があると感じた、今回の狐人的読書感想でした。
読書感想まとめ
一妻多夫制という多様な愛のかたち。
狐人的読書メモ
・やはり「愛の多様性」と「少子化解決」はべつの話か……。
・『第四の夫から/芥川龍之介』の概要
1924年(大正13年)『サンデー毎日』にて初出。チベットの一妻多夫制について。国による社会制度の違い。人による価値観の違い。
以上、『第四の夫から/芥川龍之介』の狐人的な読書メモと感想でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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