水仙月の四日/宮沢賢治=人と自然が共存するために必要なものとは?

狐人的あいさつ

コンにちは。狐人コジン 七十四夏木ナナトシナツキです。

読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?

そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。

水仙月の四日-宮沢賢治-イメージ

今回は『水仙月の四日/宮沢賢治』です。

文字数6000字ほどの童話。
狐人的読書時間は約14分。

近代文学の中に初めて猫耳が登場した作品。目に見えやすい自然の厳しさと、目に見えにくい自然のやさしさ。人と自然が共存する鍵、雪童子と人の子にとってのやどりぎの枝は何か?

未読の方はこの機会にぜひご一読ください。

狐人的あらすじ

水仙月すいせんづきの四日、雪婆ゆきばんごの手下である雪童子ゆきわらすが、二匹の雪狼ゆきおいのを連れて雪の台地を歩いていると、赤い毛布けっとの子供に出会う。もちろん、人間の子供に雪童子や雪狼は見えない。

雪童子は子供にやどりぎの枝を投げてからかう。子供は驚いて不思議そうにしながらも、そのやどりぎの枝を持ってまた一生懸命に歩き出す。

子供が家路を急ぐ中、天候が急変する。雪婆んごが別の三人の雪童子を連れて帰ってきたのだ。雪婆んごの命令を受け、雪童子たちは鞭を鳴らして雪狼を操り、猛吹雪を巻き起こす。さっきの子供が前に進めず、泣いている。

雪婆んごは子供の命を取ってしまえと雪童子に命じる。しかし、雪童子は雪婆んごの目を盗んで、子供の命を助けてやる。

夜明け近くになって、雪婆んごは雪童子たちの仕事に満足すると、東の方へ去っていく。三人の雪童子たちもそれぞれの雪狼を連れて西の方へ帰っていく。

朝が来ると、雪童子は安全な雪の中に埋めてやった子供を掘り起こしてやる。村の方から毛皮を着た人がやってくるのが見える。子供のお父さんに違いない。子供はちらっと動いたようだ。毛皮の人は一生懸命に走ってくる。

雪童子はうしろの丘に駆け上がって、その様子を見ていた。

狐人的読書感想

「山は魔物」といった言葉を聞くことがありますが、台風や地震や津波……自然を魔物のように表現することはけっこうあって、今回の『水仙月の四日』は吹雪という自然現象を、まさに魔物として描いている童話です。

吹雪を起こす魔物として、雪婆ゆきばんご・雪童子ゆきわらす雪狼ゆきおいの――独特のキャラクターが登場するのが、非常に印象的な作品です。

とくに雪婆んごは「猫耳」を持っていると書かれていて、まあ現代ではラノベ、マンガ、アニメなんかを中心に、猫耳はそんなに珍しいものではなくなっていますが、近代文学に出てくるのは宮沢賢治さんの『水仙月の四日』が最初だとかいわれていたりします。

物語としては、自然の厳しさとやさしさ、みたいなものが描かれているのかなあ、と感じました。

雪童子は赤い毛布けっとの子供に出会い、やどりぎの枝を投げてからかったりします。子供には雪童子の姿は見えないので、不思議そうにそのやどりぎの枝を持って再び歩き出します。雪童子はそんな子供に親しみようなものを抱き、吹雪から助けてあげたのだと思いました。

ポイントは雪童子の姿が人間の子供には見えない、というところだと感じました。吹雪のすさまじさ、自然の猛威というものは目に見えやすい気がしますが、そこから生還したとき、なかなか自然に救われたのだとは考えにくいのではないでしょうか。

まあもちろん、自然が意思をもって人間を助けてくれるはずがないので、それは当たり前のことではあるのですが、しかしながら普段、人間が自然に生かされている、という現実を意識していることは少ないように思います。

人間は自然環境を破壊する生き物であり、一方でなんとか自然環境を保全しようとも努めていたりもしますが、それは自然自体のためというよりは、やはり人間のためだという感じがするんですよね。

自然とうまく共存できれば、それでもいいようには思うのですが、しかし宮沢賢治さんの童話のように、姿は見えなくても雪童子が助けてくれたんだと考えるほうが、なんだかすてきなような気がしています。

自然と人間とがうまく共存していくための鍵、雪童子と赤い毛布の子供の絆となったやどりぎの枝は、そういう考え方をもたらしてくれる、『水仙月の四日』のような物語なのかな、みたいな、そんなことをふと思った今回の読書感想でした。

読書感想まとめ

人と自然が共存するために必要なものとは?

狐人的読書メモ

・赤い毛布の子供が考えていた「カリメラ」とは、プリンの上にかけるカラメルのことであるらしい。

・赤い毛布の子供の性別は男の子か女の子か、という議論があるらしい。狐人的には宮沢賢治作品には女の子が主人公の作品は少ないような気がしている。

・賢治が創作した水仙月についても何月のことなのか、諸説ある。1月説〜4月説、あるいは12月説など。厳冬の到来なのか、雪解けが近いのか……たしかに判断が難しく思う。

・『水仙月の四日/宮沢賢治』の概要

1924年(大正13年)12月、『イーハトヴ童話 注文の多い料理店』(盛岡市杜陵出版部・東京光原社)にて初出。目に見えやすい自然の厳しさと、目に見えにくい自然のやさしさ。

以上、『水仙月の四日/宮沢賢治』の狐人的な読書メモと感想でした。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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