クチマネ/夢野久作=「口は災いの元」と「ミラーリング」について。

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狐人的あいさつ

コンにちは。狐人コジン 七十四夏木ナナトシナツキです。

読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?

そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。

クチマネ-夢野久作-イメージ

今回は『クチマネ/夢野久作』です。

文字数3500字ほどの短編小説。
狐人的読書時間は約9分。

口真似が相手を不快にさせてしまうことをあまり意識したことがなかった。とはいえ、口真似には、相手に好意を示したり、相手から好意を示してもらったりする効果(ミラーリング)がある。

未読の方はこの機会にぜひご一読ください。

狐人的あらすじ

美代子は綺麗な可愛らしい子だったが、ひとの口真似をするのでみんなから嫌われていた。

ある日、反物売りの支那人の口真似をして彼を怒らせてしまい、小さな巾着袋に捕らえられてしまう。支那人は魔法使いだったのだ。

家で勉強していた兄の春夫は、支那人の妙なかけ声とともに外で遊んでいた美代子の羽子板の音が聞こえなくなったので、不審に思う。

外へ出ると、あやしい支那人がいて――あいつが妹を誘拐したに違いない。

春夫は支那人の跡をつけてそのアジトに潜入し、隙を見て不思議な巾着袋を奪い逃走する。

しかし、すぐに気づいた支那人がその後を追ってくる。

二人は道の途中でお巡査まわりさんに遭遇し、警察署で取り調べを受けることになる。

春夫は支那人に妹が誘拐されたことを訴え、支那人は春夫に大事な巾着袋を盗まれたのだと主張する。

巾着袋に人が吸い込まれるはずがなく、警部は春夫を疑い、支那人を信じそうになる。

が、そのとき、春夫は支那人のアジトで聞いた、合言葉を口真似する。

「メーチュンライライ」

すると、巾着袋に入っていた色とりどりの南京玉が、さらわれた女の子たちに戻り、その中には美代子の姿もあった。

魔法使いの志那人はすぐに捕まり、春夫と美代子は大喜びで家へ帰った。

以来、美代子は決してひとの口真似をしなくなったという。

狐人的読書感想

タイトルの『クチマネ』のとおり、口真似がテーマとなっている小説ですが、冒頭の一文から狐人的に衝撃を受けました。

『美代子さんは綺麗な可愛らしい児でしたが、ひとの口真似をするので皆から嫌われていました。』

口真似って、ひとに嫌われてしまうの!?

調べてみると、口真似をする心理には、相手の口ぐせが気に入らなかったり、相手をからかってやりたいと思っていたり、バカにしたい気持ちがある場合があったりして、ひとを不快にさせてしまうことがあるらしいです。

まったく気にしたことがなかったので、気をつけたいと思いました(汗)

とはいえ、口真似には、相手に親しみを表したい場合や、相手の口ぐせを「いいね!」と感じて単純に真似ている場合もあって、僕はこちらのほうばかり意識していたので、上のようなことはかなり意外に思いました。

相手の行動や言動を真似ることで、相手に好意的なことを示し、またそのことによって相手からも好意を持ってもらう効果を、心理学ではミラーリングといいます。

これは恋愛テクニックとして紹介されていることもあって、人と対面するとき、さりげなく応用すると効果があったり、あるいはLINEやSNSのコメントなんかに応用しても効果的だとされることがあります。

しかしながら、やはりやりすぎてしまうと相手を不快にさせてしまうこともあるようなので、使い方がなかなか難しいみたいですね。

「口は災いの元」といい、この作品はそのことを教訓として含んでいる寓話のように感じますが、さりとて、話し上手なひとはモテたり人気者だったりするので、話術というのは人生においてかなり重要だよなあ……、と思った、今回の読書感想でした。

読書感想まとめ

「口は災いの元」と「ミラーリング」について。

狐人的読書メモ

・「志那人」という呼称は、日本人が中国人を侮蔑するために使用していた歴史があり、一般的に多くの中国人にもそのように理解されているらしく、使い方に注意が必要だと学んだ。

・が、もともと「志那」という呼称に差別的な意味は含まれていなかったという。とはいえ、安易に用いないほうがいい用語ではあるだろう。僕も注意したいと思った。

・『クチマネ/夢野久作』の概要

1923年(大正12年)『九州日報』にて初出(4回の分割掲載)。「九州日報シリーズ」。「口は災いの元」「ミラーリング」「志那人」など、いろいろなことを学ばせてもらった短編小説。

以上、『クチマネ/夢野久作』の狐人的な読書メモと感想でした。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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