狐人的あいさつ
コンにちは。狐人 七十四夏木です。
読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?
そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。
今回は『賢い百姓娘/グリム童話』です。
文字数3000字ほどのグリム童話。
狐人的読書時間は約7分。
グリム童話の賢い娘は皮肉なものが多い気がしますが、本作は本当に賢い娘がヒロインです。王様の最後のなぞかけ(?)の娘の答えに、ちょっとした感動があったりします。
未読の方はこの機会にぜひご一読ください。
狐人的あらすじ
昔、貧しい百姓がいて、持っているものは小さな家と一人の娘だけだった。百姓は土地も持っていなかったので、娘は王様に土地を一区切りもらうよう百姓に提案した。王様からもらった土地を耕していると、純金でできたすり鉢が出てきた。百姓は土地のお礼にすり鉢を王様に献上しようとしたが、娘はそれに反対した。すり鉢を献上すれば、きっとすりこぎも献上せよと王様は言うだろう。結局百姓はすり鉢を王様のところへ持っていったが、娘の危惧したとおりとなり、すりこぎを持ってくるまで牢屋に入れられることになってしまった。
百姓は娘の言うことを聞けばよかったと嘆いた。食事係の家来がその嘆きを聞いて王様に報告した。王様は百姓を呼び出してその真意を聞いた。百姓に賢い娘がいることがわかると、王様は百姓の娘を呼び寄せた。そしてなぞかけをして、もしもこの難題を解くことができたなら自分の妻として迎えると言った。課題はつぎのようなものだった。
『着物を着ず裸でもなく、馬にも乗らず乗りものにも乗らず、道も通らず道を外れず、もう一度城までこい』
娘は服を脱ぐと魚とりの網を身体に巻きつけた。そしてロバと自分を綱でつないだ。ロバには馬車のわだちの上を通るように引かせ、足の親指だけしか地面につかないようにした。娘がそうして城に着くと、王様は娘がなぞかけを完璧に解いたことを認め、結婚式が挙げられた。もちろん百姓も牢屋から釈放された。
それから数年が経ち、あるできごとが起きた。ある百姓が連れていた馬が子馬を産んだのだが、その子馬はべつの百姓が連れていた二頭の牛のあいだで見つかったのだ。二人の百姓は子馬がどちらのものかで争いとなり、王様に判定を求めた。王様は、子馬は見つかった場所にいるべきだ、と判定を下し、子馬は牛を連れた百姓のものになった。しかし馬を連れた百姓はこれに納得できず、同じ百姓出身のお妃様に助けを求めた。お妃様は百姓に、王様の通る道で網を持って魚をとるふりをするように言い、お尋ねがあったときの言葉も教えた。百姓は言われた通りにし、王様からお尋ねがあると「二頭の牛が子馬を産めるなら、乾いた土からも魚はとれるでしょう」と言った。王様は百姓に入れ知恵した者がいることに気がつき、それがお妃様であることを白状させた。王様は怒り、お妃様に「離婚する、百姓の家に帰れ、ただしお前が一番大切に思うものを一つだけ城から持ち出すことを許す」と言った。お妃様は睡眠薬で王様を眠らせ、王様を連れて家に帰った。王様が目覚めるとお妃様は言った。
「私は一番大切に思うものを家に持って帰りました」
王様の目に涙が浮かび、二人は城に帰って再び結婚式を挙げるのだった。
狐人的読書感想
いいお話でしたね。王様が傍若無人すぎるところがなんだかな、って感じですが、権力者のリアルな姿が描かれているのだと思えば、さもありなんって気がします。
賢い娘が出てくるグリム童話って皮肉っぽいものもあったので今回もそのパターンかと思いきや、本作のヒロインは本当に賢い娘でしたね(王様に睡眠薬を飲ませてさらったシーンはちょっと強引でこわいようにも思われましたが)。
賢い娘こそ宝なんだな、と思った、今回の狐人的読書感想でした。
読書感想まとめ
賢い娘こそ宝なんですね。
狐人的読書メモ
・『賢い百姓娘/グリム童話』の概要
KHM94。原題:『Die kluge Bauerntochter』。
以上、『賢い百姓娘/グリム童話』の狐人的な読書メモと感想でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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