狐人的あいさつ
コンにちは。狐人 七十四夏木です。
読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?
そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。
今回は『幸せハンス/グリム童話』です。
文字数4500字ほどのグリム童話。
狐人的読書時間は約11分。
逆わらしべ長者、といった感じのお話。物々交換の末にすべてを失ってしまうが、それでもハンスは幸せだった。幸せとはなんぞや? いろいろ考えさせられるグリム童話です。
未読の方はこの機会にぜひご一読ください。
狐人的あらすじ
ハンスは主人に7年間仕えた。主人はハンスがよく仕えてくれたので、ハンスの頭と同じくらい大きな金の塊を、給金として彼に与えた。ハンスはそれを布で包み、肩に担ぐと母親の待つ故郷へ向けて出発した。
途中、ハンスは馬に乗った人を見かけた。金の塊を担ぐのは重く、馬に乗るのはとても楽しそうなので、羨ましくなった。すると馬に乗った人がハンスに話しかけてきて、ハンスの金と自分の馬を交換しようともちかけてきた。ハンスは大喜びで馬と金を交換した。
ハンスは教わった通り「ハイッ、ハイッ」と怒鳴りながら馬を急がせたが、スピードが速くなりすぎて、馬から振り落とされてしまった。馬は牛を追っている村人が止めてくれた。ハンスはその牛を見て、「牛乳やバターやチーズがとれる牛のほうが馬なんかよりもずっといい」と言った。すると村人がハンスの馬と自分の牛を交換してもいいと言ったので、ハンスは喜んで馬と牛を交換した。
ハンスは牛を手に入れた嬉しさのあまり、手持ちの食べ物を全部食べ、有り金をはたいてビールを買って飲んでしまった。さらに先へ進むと荒野だった。暑くてのどが乾き、牛から乳を搾ろうとしたが、乳は一滴も出なかった。そこへ手押し車に子豚を乗せた肉屋がやってきた。肉屋は「その牛は年をとっていて、農耕用か肉用にしか使えないよ」と言った。ハンスは「牛の肉より豚の肉のほうがソーセージにもなるしいいね」と言った。それなら、と肉屋は牛と子豚の交換をもちかけ、ハンスは喜んでこれに応じた。
ハンスは(何もかもが自分の思いどおりになって、運がいいな)と思いながら上機嫌で歩いていると、がちょうを抱えた若者と行き会った。挨拶を交わし、ハンスが自分の上手い取引について話すと、若者はハンスの子豚についてつぎのような話をした。
「その豚は村長さんのところから盗まれたものかもしれない。村人たちがそれを見たら、きっとあなたは捕まってしまうよ」
ハンスは若者に助けを求め、子豚とがちょうを交換してほしいと頼んだ。若者はその頼みを快く引き受けた。
ハンスはとても得をした気分になりながら最後の村までやってきた。そこにはさみの研ぎ屋がいた。ハンスが研ぎ屋に話しかけると、研ぎ屋は「砥石をもって研ぎ屋になれば、お金に困ることはないよ」と言った。ハンスはがちょうと引きかえに研石を手に入れ、研ぎ屋の勧めで刃物を打つのに役立つ重い石ももっていくことにした。ハンスはとても満足して嬉しくなった。
しばらく歩くとハンスはお腹が空いて疲れてきた。この重い石を放り出せたらどんなにいいだろう、と思うようになった。ハンスは井戸を見つけて水を飲もうとした。そのとき、井戸のふちに置いていた二つの石を井戸の中に落としてしまう。ハンスは石が井戸の底に沈んでいくのを見て、嬉しくなった。重い石をうまく放り出すことができた。ハンスは飛び上がって喜び、神様にひざまずいてお礼を言った。そして「おれほど幸せな人間はほかにいないぞ!」と叫びながら、身も心も軽くなって、うきうきと母親のもとへ帰って行った。
狐人的読書感想
逆わらしべ長者、といった感じのお話でしたね。物々交換のすえにすべてを失ったハンスはあきらかに不幸そうに見えるのですが、本人はとても幸せそうなのが、考えさせられるお話です。
お金とか食べ物とか、物質的に満たされていればたしかに幸せなんですけれども、本人が幸せを感じていなければ幸せではないこともあるというか……なんだか深い話なのかもしれません。
僕にはハンスは愚か者に見えて、こうはなりなくないなと思う反面、こういうふうになれたらいいなと、ちょっとうらやましく思える部分もあります。何も知らなければそれは幸せ、ということも言えるのかもしれませんね。
ハンスのポジティブシンキングに憧れた、今回の狐人的読書感想でした。
読書感想まとめ
幸せとはなんぞや?
狐人的読書メモ
・『幸せハンス/グリム童話』の概要
KHM83。原題:『Hans im Glück』。
以上、『幸せハンス/グリム童話』の狐人的な読書メモと感想でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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