狐人的あいさつ
コンにちは。狐人 七十四夏木です。
読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?
そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。
今回は『双子の星/宮沢賢治』です。
文字12000字ほどの童話。
狐人的読書時間は約31分。
双子の星は純粋でやさしい。双子座は明るく、行動力があり、社交的。じつは心を開いていない。占いの性格診断って誰でも当てはまりそう。だけどつい気になっちゃう。あなたの星座の性格は?
未読の方はこの機会にぜひご一読ください。
狐人的あらすじ
双子の星 一
天の川の西の岸に小さな双子の星が住んでいた。チュンセ童子とポウセ童子。双子の星の役目は、空の星めぐりの歌に合わせて、一晩銀笛を吹くことだった。
ある朝、二人は西の野原の泉へ遊びに行くことにした。泉に着くと、オオガラスの星とサソリの星がやってきて、ケンカを始めた。オオガラスは槍のようなくちばしでサソリの頭を貫き、サソリは毒の鉤でオオガラスの胸を刺した。相打ちで両者とも気絶した。
双子の星はまずオオガラスの傷から毒を吸い出すと、自分の家へ帰らせた。つぎにサソリの傷口をきれいに洗った。目を覚ましたサソリはとても一人では帰れない様子で、「送ってください」と双子の星に頼んだ。
双子の星はサソリを家まで送って行ったが、そのときにはすでに夜になっていた。役目に遅れてしまったので、王様からの罰を覚悟していた双子の星だったが、そこに稲妻が現れて「王様がとても喜んでいる」旨を伝えた。
稲妻はサソリに王様からの薬を渡し、サソリは双子の星に感謝して心を改めることを約束した。双子の星は稲妻のおかげで自分たちの宮にひとっ飛びで帰ることができた。二人は宮に昇ると、きちんと座って銀笛をとった。
双子の星 二
その晩は雨が降っていた。雨降りの晩はお役目をしなくてもよいのだが、双子の星はいつものように銀笛を吹いていた。そこへ彗星がやってきた。彗星は「王様から二人を旅に連れてくように言われた」と言った。
双子の星はそれではと彗星のしっぽにつかまるが、それは彗星の嘘だった。双子の星は彗星に振り落とされてしまい、海の底へ落ちてしまった。
海の底には、かつて星だったが悪いことをして落とされたひとでがいた。自分たちも、もはやひとでになるしかない。双子の星は海の底から王様や空のみんなに別れを告げた。
そこへ海蛇が通りかかった。海蛇は、二人が悪いことをして天から落とされたわけではないことを見抜き、海蛇の王様のところへ双子の星を案内した。
海蛇の王様は、双子の星を竜巻に乗せて、空へ帰してくれた。途中、二人をだました彗星がバラバラになって海に落ちていくのが見えた。竜巻曰く、彗星は海のなまこになるという。
双子の星はそれぞれの宮へ昇ると、自分たちの不注意で役目をおろそかにしたことを詫び、海蛇の王様が空の王様を尊敬していることを伝え、ひとでとなまこにもお慈悲があるように願った。
二人は銀笛をとった。そろそろ夜明けだった。
狐人的読書感想
双子の星のやさしさが心に残りました。
「一」では自分たちのことを顧みずにオオガラスとサソリを助けたり、「二」では彗星にだまされたにもかかわらず最後はそんな彗星にもお慈悲があるよう願ったり――こんなふうに美しい心でありたいとは思いますが、これが人間にはむずかしく感じてしまいます。
自分の時間やお金や労力を使ってまで人を助けてあげたいとはなかなか考えられません。
だまされれば普通に相手を憎んでしまいます。
双子の星ほど無私にはなれませんが、せめて人のために少しくらいの損は顧みないような、ちょっといやなことをされても許容できる寛容さとか、身につけたいと願いますが、それさえむずかしい気がしてしまいます。
人間が星になるのはむずかしいというお話ですかね?
(たぶん違いますね)
ところで、双子の星といえば、双子座を連想するのですが、星占いによる双子座の性格は「明るく、行動力があり、社交的」となるそうです。
ただし、暗い面も持っていて、打ち解けているようであってもじつは心を開いていないこともあるのだとか。
なんか、そう言われると「誰にでも当てはまるんじゃね?」って、思ってしまうのは、ひねくれものな僕だけ?
ちなみに、他の星座の性格的特徴は以下の通りです。
・牡羊座……嘘がつけない正直者、情熱的、勇敢、直感力が高い、勝負強い、困難に対する行動力がある。一方、人の話を聞かない、自分が一番で他人のことはどうでもいい、安請け合いして他人に丸投げ、強引などの一面も。
・牡牛座……忍耐力、強い意思力、穏やか、誠実、職人気質、芸術的感性あり、家庭的、現実的、金銭感覚に優れる。一方、頑固、独占欲・所有欲が強い、臆病、無神経などの一面も。
・双子座……器用、頭の回転が早い、社交的。一方、心の中では上から目線、プライドが高い、ドライ、優柔不断などの一面も。
・かに座……母性本能あり、正義感が強い、情け深い、礼儀正しい。一方、ネガティブ、おせっかい焼き、自分のことは棚上げにする、敵味方の区別がはっきりしている、などの一面も。
・しし座……責任感が強い、明るい、中心的存在、努力家。一方、いつも中心でないと我慢できない、ネガティブ、などの一面も。
・乙女座……律儀、責任感あり、知的、穏やか、やさしい、思いやりあり。一方、ヒステリック、完璧主義、夢見がち、幼稚、自分勝手、などの一面も。
・天秤座……センスがいい、平和主義、社交的、機転が利く。一方、毒舌、逃げ腰、計算高いなどの一面も。
・蠍座………独特の雰囲気、色気、クールに見える情熱家、一途、愛情深い。一方、思い込みが激しい、陰湿、などの一面も。
・射手座……明るい、楽天的、フットワークが軽い、学習能力が高い、感性が鋭い。一方、指図が嫌い、ネガティブ、逆境に弱い、などの一面も。
・山羊座……真面目、正義感あり、正直、堅実、他人に厳しく自分にも厳しい。一方、想定外に弱い、強い支配欲、悲観的、などの一面も。
・水瓶座……自由な発想力、自分の世界観、探求心、公平性。一方、常識が通じない、感情表現が苦手、空気が読めない、意固地、野心家、などの一面も。
・魚座………感性豊か、献身的、やさしい、可愛い性格。一方、決断や責任は苦手、甘えん坊、受け身、依存体質、などの一面も。
一応全部調べてみましたが、やっぱり誰にでも当てはまりそうなんじゃ……という気がした、今回の狐人的読書感想でした。
読書感想まとめ
双子の星の性格と12星座でわかる性格。
狐人的読書メモ
・彗星は「空の鯨」の異名を名乗り、鯨は「海の箒星」の異名を名乗っていたところが、どこか印象に残った。
・『双子の星/宮沢賢治』の概要
初出不明。生前未発表作。双子の星は『銀河鉄道の夜』にも登場する。また『手紙 四』にはチュンセとポーセという兄妹が登場する。やさしい星のお話。
以上、『双子の星/宮沢賢治』の狐人的な読書メモと感想でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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