狐人的あいさつ
コンにちは。狐人 七十四夏木です。
読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?
そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。
今回は『明日/新美南吉』です。
文字数132字ほどの詩。
狐人的読書時間は約1分。
明日はみんなを待っている。
子供へのメッセージ、
のみならず、
大人へのメッセージをも感じられます。
早く大人になりたかった?
泣きたいことばかりだなんて知らなかった?
けれど明日はみんなを……
未読の方はこの機会にぜひご一読ください。
狐人的あらすじ
(全文です)
『明日/新美南吉』
花園みたいにまつてゐる。
祭みたいにまつてゐる。
明日がみんなをまつてゐる。草の芽
あめ牛、てんと虫。
明日はみんなをまつてゐる。明日はさなぎが蝶になる。
明日はつぼみが花になる。
明日は卵がひなになる。明日はみんなをまつてゐる。
泉のやうにわいてゐる。
らんぷのやうに点つてる。
狐人的読書感想
花園やお祭り――美しいものや楽しいこと。草の芽、あめ牛(黄牛)、てんと虫――動植物。さなぎが蝶に、つぼみが花に、卵がひなに――成長すること。
明日がみんなを待っている。
大人から子供へ贈られるメッセージ。
とてもすてきな詩だと思いました。
子供の頃って、こんなふうに明日を捉えていたかなあ、と考えてみます。
見るもの、聞くもの、触るもの。何もかもが新鮮で、楽しみで、ワクワクして――はやく明日がこないかな、みたいな?
意外と、つらいことばかりで、楽しいことなんか何もなくて――今日だろうと明日だろうと、別に関係ないし、みたいな……ひねくれたことを思ってしまう自分もいます。
どうなのでしょうね?
とはいえ、どちらの子供だったにせよ、はやく大人になりたいな、という部分は共通するように感じます。
大人になればもっと楽しいことがあって、一人でなんだってできて、泣くことだってなくなるに違いない――漠然とそんなふうに考えるような気がします。
どうなのでしょうね?
実際に大人になってみたら。
やっぱり大人は楽しいことばかりで、一人でなんでもできて、強くなって泣くこともなくなって――大人になってよかった、みたいな?
大人になっても楽しいことなんかなかった、強くなんかなってないし、むしろ弱くなった気さえするし、泣きたいことばっかりで――子供に戻りたいよ、みたいな……。
冒頭では、大人から子供へのメッセージのようにこの詩を捉えましたが、こうして考えてみると、大人から大人へのメッセージでもあるような気がしてきますね。
人生きっと楽しいことばかりじゃなくて、つらいこと苦しいこと泣きたいこと――いろいろとあるのでしょうが、この詩にあるようなことを子供に伝えられる大人になれればいいな、というふうに思います。
明日はみんなを待っている、泉のようにわいている、らんぷのように灯ってる――子供にだっていろいろとあって、楽しいことばかりじゃなくて、つらいこと苦しいこと泣きたいことがあるでしょうが、こんなふうに明日にワクワクできる子供を育てることができたなら、それは幸せなことなんだろうな、というふうに思います。
どちらも僕には不可能なくらい難しく感じます。
――というのが、なんだか台無しな(いつもか……)今回のオチです。
読書感想まとめ
明日にワクワクできる子供になろう。
明日にワクワクできる子供を育てられる大人になろう。
狐人的読書メモ
明日はみんなを待っている。とはいえ、本当にそうだろうか? 明日が必ずしも待っているとはかぎらないのではなかろうか? 今日を大切に生きているだろうか? ……ひねくれもの感(いつものことながら)。
・『明日/新美南吉』の概要
1932年(昭和7年)10月『赤い鳥』にて初出。児童文学作家、新美南吉の詩。明るい未来を思わされる作品。大人にも子供にも、メッセージが込められていると思った。
以上、『明日/新美南吉』の狐人的な読書メモと感想でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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