人間失格/太宰治=自分を演じるよりは、本音で生きたほうがいい?

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狐人的あいさつ

コンにちは。狐人コジン 七十四夏木ナナトシナツキです。

読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?

そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。

人間失格-太宰治-イメージ

今回は『人間失格/太宰治』です。

文字76000字ほどの中編小説。
狐人的読書時間は約188分。

人の目を気にして自分を演じる。誰にでもある気がする。人をだましている気になる。だまされている周りは無能に見える。こわくても本音を言わなきゃいけないけど、それがやっぱりこわい。

未読の方はこの機会にぜひご一読ください。

狐人的あらすじ

大庭葉蔵は小さいころから「自分はひととは違う」という感覚に恐怖してきた。そのことがバレたらひどい目にあわされるのではないか、と道化を演じてきた。人間は笑ってさえいれば、他人をあまり気にしない。

顔立ちがよく、成績もよく、ひとをよく笑わせる――学校へ行くようになると、葉蔵はたちまちクラスの人気者になる。しかし内心の人間恐怖症はますます激しくなっていく。

中学校のとき、葉蔵の道化を見破りそうになる生徒がいた。竹一というおちこぼれの子供だった。葉蔵はその事実に発狂しそうになるが、竹一と友達になるふりをすることでその恐怖を回避する。竹一は葉蔵について二つの予言をする。お前は、女にモテる。偉い絵描きになる。

二つの予言のうち、一つはあたり、一つは外れる。葉蔵は小さいころから女に好かれた。高等学校に入ると画塾に通い、そこで堀木正雄という悪友ができ、酒、たばこ、女、左翼運動にはまっていく。カフェの女給と心中事件を起こし、葉蔵だけが生き残る。

父がひいきの骨董商のヒラメが葉蔵の身元引受人となる。ヒラメは以前と違い、葉蔵を見下すような態度をとる。ヒラメの家を逃げ出し、頼って行った堀木の家でも冷たくあしらわれる。そこで出会った雑誌記者の女のアパートに転がり込む。故郷からの絶縁。女の伝手で雑誌に漫画の連載を始める。

酒。女のところを逃げ出し、バーのマダムのところへ。そしてたばこ屋の娘と結婚。人を疑うことを知らない彼女は、葉蔵の仕事の知り合いに犯され――葉蔵は彼女が隠していた大量の睡眠薬を見つけ、飲み、また一命をとりとめ、モルヒネ、中毒、薬屋の奥さんとの不義、金もなく、もう首をくくるしかなく、最後の手段、故郷の父に手紙を送る。

家族の連絡を受けた堀木とヒラメが現れ、病院へ。そこは精神病院。もはや親しいひとたちにも狂人のレッテルをはられた、人間失格。父が亡くなり、葉蔵は再び故郷に引き取られ、廃墟同然の家、老女中に犯され、幸福も不幸もなく、廃人、ただ時間がすぎていく、阿鼻叫喚が人間の世界という真理。

二十七歳の葉蔵は白髪が増えて四十以上に見えた。

狐人的読書感想

人を傷つけたりあやめたり、酒、たばこ、薬――何をもって人間失格となすかは、なかなか難しいような気がしました。人間失格であればあるほど、それもまた人間なんだ……という感じを受けるんですよね。

たぶん人間失格は他人が決めることではないんでしょうね。

自分が人間失格だと思った瞬間が、人間失格なのでしょう。

本作の主人公の葉蔵は、自分がひととは違うことに怯え、それを知られればひどい目にあわされると怖れ、道化を演じることで心の平穏を保とうとするわけですが、このあたり、そんなにひとと違うだろうか?

と、疑問に思ったりします。

まあ、空腹がわからない、というのは相当変わっている気がしますが、ひとの目を気にして自分を演じているといった感覚は、けっこう共感できる気がしたんですよね。

葉蔵の不幸の一つは、道化を演じるだけの能力があったということでしょうか。どこかでぼろを出してしまえていれば、案外人間は他人のことなんてどうでもいいんだということに気づけたかもしれません。

そういう意味では、竹一との出会いが一つの転換点になりえたように感じられます。そこで竹一を見下さず、本当の友達になれていれば、あるいは人間恐怖症も少しは克服できたのかなあ、なんて想像しますが、現実にそれがなかなかできないんだよね、ってのも頷かされるところです。

葉蔵の終始人間を見下している態度も問題だったような気がします。そりゃあ、堀木やヒラメはあまりいい友人ではなかったのでしょうが、それを言ったら彼らにとっても葉蔵はいい友人ではありませんでした。

謙虚に人と付き合わなければ、謙虚に人は付き合ってくれない。

というあたりは勉強させられた気分になります。

甘えさせてくれる女性がつぎつぎ現れたのも、幸福なのか不幸なのかわかりませんね。モテるのも甘えられるのも幸福だとは思うのですが、その結果、自分をダメにしてしまうのは不幸です。

とはいえ、結局自己責任でしょうかね。

とはいえとはいえ、自分を変えるのは難しいです。

あとがきのバーのマダムの言葉に「あのひとのお父さんが悪いのですよ」という言葉がありましたが、親の責任というのもたしかにあるような気がします。

親が子供の問題に早く気づいてあげられて、子供のうちにそれをなおしてあげられたら、葉蔵の苦しみもあるいはなかったのかもしれず、しかしそれだって言うは易く行うは難しといった感じです。

……人が生きるのってなんだかむずかしい、と感じた、今回の狐人的読書感想でした。

読書感想まとめ

自分を演じるよりは、本音で生きたほうがいい?

狐人的読書メモ

・自分をわかってくれる人がいたらなって思うけれどそんな人はいない。誰かをわかってあげられたらなって思うけれどそんな人にはなれない。だからひとりで生きるしかない。

・『人間失格/太宰治』の概要

1948年(昭和23年)『展望』にて初出。太宰治の最高傑作といわれる。さすがに読み応えがある。映画化、漫画化、アニメ化など多数。

以上、『人間失格/太宰治』の狐人的な読書メモと感想でした。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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