基本情報
- ジャンル:アクションシューティング
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :カプコン
- 発売日 :1986年9月27日
ゲーム概要
まさにロンリーウルフな戦い! それが『戦場の狼』! カプコンさんが生んだ孤独の軍人・スーパージョーのデビュー作である! 「孤独」と述べたように、本作は主人公のスーパージョーを操作して敵軍と戦うのが与えられた使命となっている! 敵については軍服のデザインからして「ナチスドイツ」が連想されるけど、後付設定(『トップシークレット』『ヒットラーの復活』)を見るに、「連邦軍VS帝国軍」という図式になっているみたいだね!
ゲーム内容は縦方向の任意スクロール型アクションシューティングで、自動小銃と手榴弾を武器に、ひたすら前進あるのみ! ――としかいいようがない! これは比喩とかじゃなくて「ひたすら前進する!」というプレイスタイルが攻略の基本となっており、敵兵は無限に出現し、弾が飛び交いまくるため、ホント立ち止まってはいられないんだな! 自動小銃と手榴弾のみで、無尽蔵に湧き、狂ったように猛攻撃を仕掛けてくる敵をかいくぐって、その基地を目指すのは至難の業! この頃の同社のゲームに高難易度作品が多かったように、本作も決してプレイヤーに媚びない難易度となっているよ!
オリジナルは1985年のアーケード版で、本作はそのファミコン移植となる。AC版ではスーパージョーにパワーアップする要素はなかったけど、FC版では武器となる自動小銃と手榴弾にパワーアップ要素が追加されたな! とはいえ大まかなゲーム性に違いはなく、やはり前進あるのみ! 敵基地にドデカいボスは存在せず、ただただ湧いて出る敵兵をひたすら皆殺すストイック! エリアクリア時に挿入されるブレイク画面でスーパージョーが一休みしている姿は、プレイヤーにも束の間の安らぎを与え、同時に次の戦場への臨場感を醸し出す「粋な演出」として評価が高い(しかもジョーの煙草にあんなチョットしたエピソードがあったとは……今回ちゃんと説明書読むまで知らなかったよ!)。BGMも硬派な戦場マーチ的楽曲で、ゲームの雰囲気とよく合っていると軒並み好評を得ているね!
カプコンさんの初期のファミコン移植は彼の悪名高きマイクロニクスさんへの委託となっていて、『1942』『魔界村』『エグゼドエグゼス』など残念なことになってしまっていたのだけど。今作からいよいよ移植もカプコンさん自ずから手掛けるとのことで期待していたのだけど――結果的には「最初のヘリからチラつきが見られ……」など、まぁお世辞にも完成度の高い移植とはならず。やはりACからFCへの移植には難しいものがあったんだろうなぁ……と再認識させられることに。
とはいえ、「マイクロニクス製に比べればまだ遊べる!」と擁護する声も多く、現に本作は116万本を売り上げていて、これは「ファミコンソフト全1252本の中でも30位!」「ファミコンSTGというジャンル内においては『ゼビウス』に次いで2位!」という快挙となっているため、単純に「劣化ゲー」の烙印を押してしまうのはちょっと躊躇われるんだよね。――たぶん「元がいいから多少の劣化ではその良さが完全に消えるわけじゃない!」ってことなんだと思うんだけど。なかなか評価が難しい所。なのでいつも通り「れとげ部!での評価」は「神げ!」として星の数で調整しておくね!
ストーリー
戦場から呼び戻されたスーパージョーは、司令部にて賛辞を贈られた。「訓練での君の成績は見事だったよ。何しろ生き残ったのは君一人さ」。ジョーは次の極秘指令について説明を受けた。
19XX年――全世界統一を企てるギュンター兄弟は、悪の軍団を率いて、難攻不落の大戦線を築き上げ、世界にその魔手をのばし始めた。『スーパージョー』の任務とは、その悪の軍団と本部破壊であった。この実行不可能とも言える作戦を彼は一人で遂行しなくてはいけないのだ。
スーパージョーに支給された武器は、弾丸補給無用の自動小銃が一丁と手榴弾が三発。「あとは現地調達で何とかしろ」との教官殿のありがたいお言葉だ。「それとコレもやろう」。渡されたのは、ラッキースター(煙草)の箱だった。「教官殿には、ユーモアのセンスも、おありの様ですね」
こうしていま、一匹の狼が戦場へと降り立った。
れとげ部!での評価
神げ!:
ここが神げ!
説明書も作品の一部!
ファミコン移植が劣化するのは当然のこととして、その劣化をどこまで許せるかが、移植作品を評価するにおいて一つのポイントとなることに、今さらながら気が付きつつある今日この頃――突然話が変わるんだけど、本作の説明書は大半が「ストーリー漫画仕立て」になっていて、面白い! 確かに「説明書まで楽しんでもらおう!」という作り手側の心意気が感じられ、普段は説明書を読まないファミっ子たちもこれは読んだのではなかろーか。ゲームをパッケージとして売る上では説明書も作品の一部、このような遊び心も評価すべき点である――という意見には私も賛意を表したいと思いました。
コメント! (レトゲで一言!)
今更ながら当時のFC移植はどこまで劣化を許容できるかが一つのポイントだという気づき。遊び心溢るる説明書はGOOD。