来来キョンシーズ ベビーキョンシーのあみだ大冒険

ファミコン

基本情報

  • ジャンル:体感型アクション
  • 機種  :ファミリーコンピュータ
  • 発売元 :バンダイ
  • 発売日 :1989年1月26日

ゲーム概要

『来来キョンシーズ ベビーキョンシーのあみだ大冒険』は1989年1月26日にバンダイより発売のファミコン・体感型アクションゲーム――「マットコントローラー」を使って足で跳んだり走ったりして遊ぶ「体でするファミコン」ファミリートレーナーシリーズの第10弾! タイトルからも分かる通りテレビドラマで人気を博した『来来!キョンシーズ』のファミコン化作品で、ドラマにも登場したベビーキョンシーをプレイヤーキャラとして操作する――「両手を前に真っ直ぐ伸ばしてピョンピョンと跳ねる」あの独特の動作は「ファミトレの操作性ととても相性がいい!」と私は感じているけど、はたして……?

ストーリーは、冒頭からいきなり道士に捕まってしまったベビーキョンシー一家だが、連行される途中の橋で足を踏み外したベビーキョンシーのみ川の中へ落ちてしまう。不幸中の幸い、落ちた拍子に額のお札がとれ自由の身となるも、流れ着いたのはあみだの国だった。パパとママを捜してベビーキョンシーの大冒険がいま始まる! ――みたいな。

タイトルに「ベビーキョンシーのあみだ大冒険」とあるように、このゲームはまず「あみだマップ」からスタートする。あみだマップは巻物状の7画面構成で、画面の端まで辿り着かないと先が見えないようになっている。あみだは3つのコースが用意され、最大3人のベビーキョンシーを配置することができる――つまり「3人プレイ」ができる! ということでこの辺り、何気に珍しいファミコンソフトかも。本作は一応マルチエンディングが採用されていて、あみだのゴール「A・B・C」のどこに着いたかによって結末が変わる。ぶっちゃけ、これは完全に運ゲーなので、場合によってはすべてを見るのに時間がかかりそうな気がするかもだけど、3人プレイで3人ともクリアすれば全パターンを見ることができるので、全END制覇したい人にオススメだ(1人で3人分プレイしてもよし!)

さて、要となる体感アクションについて。マットコンは8キーのA面(表面)を使用する――じつはA面を使うタイトルはファミトレシリーズ10作品のうち3本しかないっていう今更ながらの気付き!(他2作は、シリーズ第1作『アスレチックワールド』と第4作『ジョギングレース』)。マットキー操作は「中央2つ:中央移動」「中央右と右:右側移動」「中央左と左:左側移動」といった3通りのアクションしかないシンプルさ! これは「キョンシーのようにピョンピョン跳ねてプレイするのに最適の操作系である」と私は評価したい! ――ファミトレのみならず、ファミコンソフトの中でも断トツに操作ボタンが少ないのは、低年齢層向けにピッタリ!

……ただね、ここからちょっと辛口になってしまうんだけど。

まず、操作系が単純であるだけに「ゲーム性も単調かつ簡単すぎる!」ものになってしまったな! 本作は言ってしまえば「左右にジャンプするだけ」――敵の攻撃を避けたりアイテムを取りにいったりする他には、ほぼゲーム性といったものが存在しない。ファミコン初期のゲームと比較しても飽きるのが早い。スコアなどもないため、エンディング以外に何を目指せばいいのかも不明で、3人プレイも「誰がパパとママに会えるか!(真EDに辿り着けるか?)」くらいしか競うところが見当たらない(しかも運ゲー……)

極めつけはこのゲーム、3人分を1人でプレイしてみると10分くらいで終わってしまう「内容の薄さ」で、これはもう「手抜きゲー」(低年齢層を狙い過ぎたのだとは察せられるのだけれども)としか私には思えないんだけど、どう思う!?(どう思うって聞かれても?)

本ブログではファミリートレーナーシリーズは軒並み好評価を付けている中、第6作の『マンハッタンポリス』が「無理げ!」評価だったと記憶しているんだけど、これだって手抜きってわけではなく「ファミトレで出すには操作系が複雑すぎた」という開発努力自体は感じられる出来だったのに『来来キョンシーズ』ときたら……どうしちゃったのバンダイさん!?(開発元はヒューマンさんなんだけど)

本作は当時、「ファミリートレーナー10作記念作品」ということを全面的に押し出していたんだが――結果的にこれが「ファミトレ(ファミコン)最後の作品」となり(ファミトレは「プレイ中の足音がうるさい!」ってことで持ってる人が限られ、本作発売当時はRPGブームなどもぐいぐいきていて、オーソドックスなファミコンソフトの開発に注力した結果、次回作が自然消滅的に続かなかったと推察されている)、上記の通り「有終の美を飾る」とはいかなかったんだなぁ。

ストーリー

パパとママとしあわせにくらしていたベビーキョンシーは、ある日キョンシー一家をつけねらう道士に、つかまってしまいます。ひたいにおふだをはられ、パパ、ママのあとから橋をわたっていたその時、足をふみはずして、なんと川の中へザンブラコ! おちたひょうしに、ひたいのおふだもとれました。川に流され、たどりついたところは、あみだの国。さあ、これからパパとママをさがして、大ぼうけんのはじまり~~!

取扱説明書 <プロローグ> より

れとげ部!での評価

駄げ!

ここが駄げ!

キョンシーは悪くない!

てか、キョンシー知ってる? 1980年代後半に子どもたちの間で大ブームとなった中国の妖怪なんだが。元々は86年公開(日本)の香港映画『霊幻道士』がキョンシーブームの火付け役といわれているけど、私はそれを元に制作された『幽幻道士』(こちらは台湾映画)シリーズの印象が強い。大雑把に両作品の違いは「主人公がおっさんか美少女か」で、後者の美少女・テンテンは本当にかわいくて、同世代の子どもたち(当時7歳くらいかな?)のまさにアイドルといった存在だった!(ゲームの方のテンテンちゃんは微妙な感じだけど――ここにも手抜き感を感じてしまうのは私だけ???)

本ゲームの原作である『来来!キョンシーズ』は『幽幻道士』のヒットを受けて、日本資本にて台湾で撮影されたテレビドラマだったんだけど、これもものすごく人気があったと記憶している。

そんなキョンシーブームにあやかって本作は作られたわけだけど、上述の通り、低年齢層向けを意識し過ぎてしまったせいか、結果的には残念な出来となってしまったな。

ちなみに、日本ではこの『来来キョンシーズ ベビーキョンシーのあみだ大冒険』がファミトレ(ファミコン)の最終作となったけど、アメリカでは同年12月に『ショートオーダー/エッグスプロード!』というパズルゲームが、NES版ファミトレに相当する『Power Pad』専用ソフトで発売され、これがファミトレ最後の作品となったんだな(日本では未発売)

コメント! (レトゲで一言!)

  1. 管理人 ぶちょー より:

    ファミトレシリーズ(ファミコン)最終作。手抜きに感じられる単調なゲーム性が残念。ヨーシいくぞ! 昇天!

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