ドラゴンボールZ外伝 サイヤ人絶滅計画

ファミコン

基本情報

  • ジャンル:RPG
  • 機種  :ファミリーコンピュータ
  • 発売元 :バンダイ
  • 発売日 :1993年8月6日

ゲーム概要

『ドラゴンボールZ外伝 サイヤ人絶滅計画』は1993年8月6日にバンダイより発売のファミコン・ロールプレイングゲーム。超絶人気アニメ『ドラゴンボールZ』を原作としたFC版の第4作にして最終作である本作は「シリーズ初となるオリジナルストーリー」が採用された、おなじみのカードによる移動・戦闘を行うカードRPGだ。これまでにも斬新なアイデアやシステムを導入しては、成否がハッキリと分かれてきた印象を受けるFC版DBゲーだが、その終幕を飾る本作にはどのような工夫が凝らされ、如何様に評価されているのか……さっそく語っていきたいと思うよ。

デストロンガスによる弱体化で必殺技が使えなくなってしまった悟空たちは、その発生装置の破壊に向かうことになり――それがかつてサイヤ人に滅ぼされたツフル人の復讐であることを知る。といったオリジナルストーリー(ちなみにOVA化されている)に沿うカタチで、本作では必殺技が簡単に使えないしくみ「アレンジメント・カードバトル」というシステムを導入している。これはプレイヤーが持つ7枚のカードから「キャラ毎に決められた特定のカード」を組み合わせて技を出していくもの。ゆえに「必殺技の組み合わせ」を発見していくのがゲームの醍醐味となっていて、まだインターネットが普及していなかった当時は友達同士で教え合ったりするのが最高に楽しかった思ひ出――ストーリーが進むことで仲間が教えてくれることもあったな。

各ステージはかなり広く、村や回復所、修行場などが存在し、プレイヤーはカードを使用して目的地に移動、移動先で依頼を受けるなどして目的を達成していく――所謂「おつかいゲー」的内容は前作を踏襲している(しかし、前作にはなかった「オート移動」がめっちゃ便利)。ステージをクリアするとHPや戦闘時に使用できるカード枚数が増え、これによって強力な必殺技を放てるようになっていく。代わりに一般的なRPGに見られるレベルの概念を廃止しており、これが本作の評価を落としている要因として、一般的には挙げられている。すなわち「ザコとの戦闘の無意味化」である。

RPGといったらレベル上げをしてキャラクターを強くしていくのが最大の楽しみなのだが、本作にはレベルの概念がなく、ゆえにレベル上げの楽しみもまたなかった。つまり、ザコとのエンカウントは「要らない手間」以上の意味がなく、プレイヤーにストレスを感じさせるだけのものとなっている。私自身もこれをRPGとして楽しむには「う~ん」と唸らざるを得ない。DBゲーは「アニメを見ているような戦闘シーン」が最大のウリとなっており、本作も確かにそれについてはFCシリーズ最終作を飾るにふさわしい出来だと感じられるのだが(ただし、グラフィックについては「前作よりも劣化した?」との指摘もあって、私もなんとなくそんな気がしなくもなかった気がするんだけど、どうでしょう?)――まぁ繰り返し見ているとやっぱり飽きてしまう感は否めず……。

原作のDBが「強さのインフレが凄まじい」ため、ゲームでもそれを反映させるには「レベル1」スタートという一般RPGでは当たり前のことが難しくなっている部分があり、「だったらレベルそのものをなくしちゃえ!」という逆転の発想は悪くなかったように思うのだけど――「だったらジャンルをRPGにする意味はない」ように私は思ってしまった。せっかく「デストロンガスで弱体化し、必殺技が使えなくなった」ならば「レベルや体力も弱体化した態で一から始めてもよかったんじゃね?」って思っちゃう。あるいはもうアドベンチャーゲームにしてしまうというのも容易に想像できるのだが、当時はRPG全盛時代だっただけにマーケティング的にそこまで思い切ってしまうのは厳しかっただろうなぁ……とも。

ストーリー

かつてプラント星と呼ばれる星に高度な文明を築き上げ、平和に暮らしていたツフル人。ところがある日、しっぽを持つ宇宙難民を乗せた宇宙船が漂流したことから、この星の運命は大きく変わってしまったのだ。

頭脳労働を得意とするツフル人と肉体労働を得意とする難民・サイヤ人。2つの種族は共に暮らし始めた。が、次第に増殖するサイヤ人の中には、ツフル人にも劣らない優れた頭脳を持つ者も生まれ、のちに彼はサイヤ人の王となり、ツフル人に反旗を翻したのだ。高度な武器で立ち向かうツフル人であったが、ついにある満月の夜、決着はついた。その時から、プラント星は惑星ベジータと名を改め、サイヤ人の星となった。

時が過ぎ、滅びたツフル人の怨念と憎悪が渦巻く、大宇宙の片隅。

「今こそ、我がツフル人を滅ぼしたサイヤ人に積年の恨みを晴らしてやる…。一人残らず見つけだし、皆殺しにしてやるのだ!覚悟するがいいっ!」

ついに、ツフル人の生き残り、DR.ライチーの手により、サイヤ人の住む地球へと猛毒デストロンガスが押し寄せてきた。

取扱説明書 <STORY> より

れとげ部!での評価

惜げ!

ここが惜げ!

有終の美を飾ったとは言い難い

前作でも同じこと言ってるけど、やはりFCのDBゲーは「もっと良くしよう!」という開発努力が感じられる。今回の「アレンジメント・カードバトル」もシステム自体は悪くないと思えるのだが、その代わりに「レベル」を廃止したことでRPG的な楽しさを失くすことになり、結果的に低評価となってしまっている印象を受ける。確かに結果だけを見て評価するのは簡単。しかし、製作中にその結果を予想するのは難しいだろうし、だからこそその挑戦は認めたいところなんだけど、商品として手にしているだけにやはり結果を論じずにはいられない、という……なんだか擁護しているんだかしていないんだかよくわからなくなってくる感慨を持つよ(わかってくれる?)。アニメのような戦闘描写についてはDBゲーがFCRPGの中でも随一。それから「天下一武道会モード」が復活したのも嬉しかったが、バックアップデータになったことで、パスワードで友達同士育てたキャラを対戦させる楽しみがなくなっていたのが残念だったな。……さて、グダグダ続けてしまったけどもう言わねばなるまい――本作は「有終の美を飾ったとは言い難い」と。挑戦的な試みは認めたい。だが、結果的には失敗に終わったと言わねばならないだろう。FC最終作だが、前作同様非常に「惜しい!」作品である。

コメント! (レトゲで一言!)

  1. 管理人 ぶちょー より:

    FCDB最終作は果たして有終の美を飾れたのか。アレンジメント・カードバトルは悪くなかったと個人的には思ってる。

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