ASO

ファミコン

基本情報

  • ジャンル:シューティング
  • 機種  :ファミリーコンピュータ
  • 発売元 :SNK
  • 発売日 :1986年9月3日

ゲーム概要

はい、出ました『ASO』! これは文字通り「阿蘇」と読み、要するに「阿蘇山」のことを指している! ――時は西暦2515年、最先端の科学力によって阿蘇山が大噴火を起こすことを予見した日本政府は、対火山灰自動除去機SYDを開発するも、パイロット適正を持った日本人がすでにこの未来世界には存在しないという問題に直面する。そこで、時間座標の異なる2つの空間を接続する通信システムを使って、過去のゲーム機と接続されたSYDとの2点間通信による遠隔操縦を行う方法が採られる。こうして君はパイロットとして選ばれ、未来の日本の命運が託されたのである! ――って!? いや、全然そんな内容ちゃうし!!

……はい、気を取り直して、『ASO』とは。「Armored Scrum Object」の略称であり、1985年に新日本企画(SNK)さんよりリリースされたアーケード縦スクロールシューティングゲームにて、本作はそのファミコン移植にあたる。ゲーム性は「戦略型シューティング」とでも呼ぶべきもので、その根幹を支えるのが「アーマー」の存在だ。「アーマー」は簡単に言ってしまえば「換装装備」であり、使い勝手のいい「シールド」やボスも一撃必殺の「サンダー」など全部で8種類ある。それぞれ「ヘッド・左ウィング・右ウィング」と3つのパーツを集めることで一つのアーマーが完成し、これを任意のタイミングで装備してゲームを有利に進めていく。このアーマーパーツは一つが完成するまで連続で取り続ける必要があって、完成するまでに別のアーマーパーツを取ってしまうとそれまでに集めたパーツが破棄されてしまうなど、そのルールを知らないプレイヤーに対して非常に不親切なシステムだったな。さらに、このアーマーの使用にはエネルギーが必要で、エネルギーを使い切ると装備したアーマーは破棄される。再取得にはまたパーツ収集の手間がかかり継続的な仕様が不可となっているため、無計画なアーマーの使用はプレイヤーの首を絞めることになるのだ!(ちなみに上級者ともなればシールド一本でクリアできるそうだが、それは戦略を凌駕するテクニックあったればこそで、アクション&シューティングが苦手な私にはちょっと何言ってるかわかんない!)

しかし、それでもプレイヤーはこのゲームに対して「何か面白そうな雰囲気は感じる……!」こととなりて、続けてプレイするうち、やがてシステムを理解する頃にはその面白さに気がつき、虜になってしまったのだ! 当時、シューティングのゲーム性に「迫力」「爽快さ」が強く求められる中、それらを実現するための「単純さ」をあえて切り捨て、複雑なシステムを構築、アーマーの使いどころをパターン化することで、長期的な戦略を立て対峙していく――この「戦略型シューティング」がシューターに受け入れられたのは、今にして思えば必然だったのかもしれないな。まぁ、悪く言えば「STGのマニア化の片棒を担いでしまった」感は否めずとも、それまでとは違った新たなゲーム性を切り拓いた功績は、そんな罪よりも遥かに大きなものだって私は思っているよ!

ちなみに、これだけ長々と語ってきたアーマーシステムは、FC版では「アイテム1つでアーマー1つをゲットできる」仕様に簡略化され、さらに「?」というFCオリジナルアイテムが「エネルギー満タン、最大パワーアップ―本作はアーマー以外にパネルを取ることで各種パワーアップが可―、全アーマーゲット」というチートっぷりで、本作のウリとなる「戦略性」が若干薄れてしまったな。そのためか、その出回りはAC版に比べるとあまりよろしくなかったのだとか……。なのに「れとげ部!での評価」は「神げ!」。その理由は下に書く通り、SNKを救ってくれたことに感謝の意を表したい!

ストーリー

自己思考・自己修復・自己補給能力を持つ生化学部品が生み出した謎の兵器群「メカノクレート」。西暦2515年の未来世界の人類は、彼らと200年もの長きにわたる戦いを繰り広げてきたが、劣勢に追い込まれていた。人類合同評議会最終作戦本部は最終手段として、過去の人類に救援を求めた。その方法とは「時間座標の異なる2つの空間を接続する通信システムを使い、専用マシンと接続された自動戦闘艇SYDとの2点間通信による遠隔操縦で戦闘を行う」というものだった。科学では勝る未来の地球には、SYDを乗りこなすパイロットがいなかったのである。侵略者たる「メカノクレート」の正体を暴き、人類滅亡の危機を救うため、全ての命運は君に託されたのだ。

れとげ部!での評価

神げ!

ここが神げ!

会社を救った!?

本作開発前の新日本企画さんはヒット作に恵まれず低迷を続けていたんだな。今振り返ると、エネルギー制を採用した『オズマウォーズ』とか、多方向スクロールの『ヴァンガード』などはアイデアはよかったのだけど、それが売り上げには繋がっていかなかった感じ。そのため、同社はリストラとして米国の子会社を売却し、スタッフも次々と去って行く事態に直面する。しかして! そこで残されし最後の12人たる開発スタッフたちは、その力を結集して『ASO』(アーケード)を制作! こうして、発売された本作はヒットゲームの仲間入りを果たし、以降同社は『怒』などでさらなるヒットを続け、ネオジオの開発、対戦格闘ゲームブームに乗って、大手メーカーへと発展していく! その「最後の12人」を川崎英吉社長は(たぶん感謝と尊敬の念を込めて)「二十四の瞳」と呼んだ! ――とか、ちょっと中二っぽいけど、なんか熱い秘話があったり!(FFの「最後のファンタジー」秘話とも似てるよね!)。まぁ、これもファミコン版とは直接関係ない話なんだけど、これを聞いちゃうと「神げ!」以外の評価はちょっと付けづらいんだよな……みたいな。その辺りは星の数で調整しておくね(もちろん異論は認めます)

コメント! (レトゲで一言!)

  1. 管理人 ぶちょー より:

    戦略型STGの戦略性が薄れてしまったFC版は神ゲーとは言い難い。しかし「二十四の瞳」伝説を知るとそれ以外の評価は付けづらい。

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