アイドル八犬伝

ファミコン

基本情報

  • ジャンル:アドベンチャー
  • 機種  :ファミリーコンピュータ
  • 発売元 :トーワチキ
  • 発売日 :1989年9月14日

ゲーム概要

  • はい『アイドル八犬伝』ね。これは知ってる人は知っている、界隈では割と有名なタイトルなんじゃなかろーか。タイトルがキャッチ―だよね。『アイドル三国志』『アイドル水滸伝』など候補があった中での『アイドル八犬伝』っていう――うーん、いいんじゃないでしょうか!

  • タイトルから想像されるように、主人公・エリカが七人の仲間を探しながらアイドルデビューを目指すっていうね。独特のギャグ、破天荒ストーリーでお送りする二、三時間。……え? 二、三時間って分量少なすぎるって?
  • うん、まぁそうだよね。当時6000円するソフトで二、三時間しか遊べないのは確かに短すぎたかも。実際、売りであるはずのアイドル八犬伝の仲間たちもあんまりシナリオには絡んでない印象を受けるっていう……。
  • (ただし、仲間になるのは予知能力者、株の天才、凄腕のハッカー、敏腕プロデューサー、花火職人、暴走族のヘッド、アイドルの追っかけと、それぞれ個性的な肩書を持っていて、現代のアイドル漫画などにも通じるところがあり、それだけに活躍の場が少ない印象なのが残念に思える)

  • これはやっぱり「ファミコンあるある」でおなじみの「容量不足」ってお話。事実シナリオの三分の一は完成を目前にして削らざるを得なかったらしく、これには製作者も意気消沈。仕事を中断してマイケル・ジャクソン主演の映画『ムーンウォーカー』を見に行き、沈んだ心を再び奮い立たせたのだとか。
  • 曰く「マイケルは映画を作って俺に見せてくれた。俺はゲームを作ってお客さんに遊んでもらおう。いいや、ばんばん削っていこう!」みたいな。

  • 聞くところによれば本作は、「ぶっ飛んだシナリオ展開」で有名なあの『東方見文録』のシステムを流用してゲームを作りたい――との提案から企画がスタート。志はあまり高くないところから始まっていたんだけど、にも関わらず、先のエピソードにも見られるように開発スタッフの意気込みは十分で、友達同士で語られるような開発会議はとても楽しかったそうな。
  • その成果か、このゲームはバカゲーではあるんだけど、のびのびと作られている感あって、あの時代そこかしこに見られた手抜きゲーとは一線を画す仕上がりになってる。確かに分量は少ないけどアドベンチャーゲームとしての遊びやすさがそこにはあるし、エリカの表情豊かなグラフィックとかもめっちゃ頑張ってるし、音楽も耳に残る良作が揃っていると思うの。

  • 「ちょっと待ってチェルノブイリ」「ありがタイヨーホエールズ」――確かにネタやノリは80年代の古臭さが感じられて人を選ぶかもしれないけども、夜八時のコント番組を懐かしく思い出せる人ならば今プレイしてもなかなかに楽しめる――そんな「神げ!」なんじゃなかろーかって、私は思っているよ。

ストーリー

財産相続で揺れる大財閥の西園寺家。当主のおばばは三人の孫娘に「この三ヵ月間、一番器量の優れたものに全財産を譲る」と宣言した。大いにはりきる超エリートの姉二人。だが、末娘のエリカには誇れるものなどなにもない。「そうだ、私には歌がある」そこに、うばのミホが芸能評論家で占い師でもある真実一郎を連れてきた。彼は「エリカがアイドルとして売り出すには、後七人の仲間を捜し出さねばならない。」そして、一人目の仲間は一郎の孫娘で占い師の星美だと言う。エリカは星美と共に残り六人の仲間を捜し出し、また、エリカを誘惑してイロモノタレントにしようとする、謎の暗黒イロモノ大王ひきいるイロモノ軍団の妨害を乗り越え、エリカが国民的アイドルスターとしてデビューすることができるだろうか!

取扱説明書 <プロローグ> より

れとげ部!での評価

神げ! :

ここが神げ!

  • きみはホエホエむすめ
    ――西園寺エリカのデビュー曲「きみはホエホエむすめ」ですよね!(?)。なぜこうまで心に残っているのかが謎過ぎる。……いや、わかってる。確かに、ただネットでこの歌を聴いたり、歌詞を読んだりしても特段響くものはないと思うの。でもね、そうじゃないの。たぶんちゃんとゲームをプレイして、エリカと一緒にアイドルを目指すことで感じるシンパシー。それがエンディングで歌うエリカの姿とマッチしてここまで響いて聞こえてくるんだ、みたいな。当然、ファミコンでは歌はなく、BGMとテキストとグラフィックで表現される音楽。「人を感動させる歌」といっても、これだけ見るとやっぱりチープに感じてしまう。けれどもそこにストーリーが与えられる。すると頭の中にちゃんと響いてくるよ、エンディングで熱唱するエリカの歌が。思えば音楽をテーマにした漫画とかもこんな感じだよねBECKとか。やっぱり物語があってなんぼでしょ音楽って。とはいえ音楽そのものに人の心を動かす要素があるのもまた否定できない事実である。それだけに音楽だけで人を感動させられることのなんと凄いことか、って改めて思い知らされる。そんな名曲だと私は思うよ「きみはホエホエむすめ」

コメント! (レトゲで一言!)

  1. 管理人 ぶちょー より:

    ありがトーワチキ。ちなみに「きみはホエホエむすめ」のホエホエとは漫画『おそ松くん』に出てくるデカパンの「ホエホエ~」という脱力感あるセリフが由来となっているそうな。

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