ゾイド 中央大陸の戦い

ファミコン

基本情報

  • ジャンル:RPG
  • 機種  :ファミリーコンピュータ
  • 発売元 :東芝EMI
  • 発売日 :1987年9月5日

ゲーム概要

『ゾイド 中央大陸の戦い』は1987年9月5日に東芝EMIより発売のファミコン・RPG――「記念すべきゾイド初のゲーム化作品!」と言われることがあるけれど、精確には「国内向け」と頭に付けるべきなのだとか。実は、海外でPC向けに発売されたタイトルがあり、お初はそちらだったのだそう(当時は海外の方がゾイド人気が高かったらしい)。で、「どんなゲームなの?」かといえば、ファミコンブーム・RPGブーム・ゾイドブームに乗っかったような作品なんだが、開発元が「マイクロニクス」と聞けば、「嫌な予感……」を覚えるファミっ子もいるかも。確かに、全体として「高評価は付けづらい」ところはあるんだが。しかしながら、所々に「キラリと光る!」ところもあったりする。そんな『ゾイド 中央大陸の戦い』を今回は語っていきたいと思うよ。

ストーリーはRPGの王道スタイルの一つで、ゼネバス帝国に首都と砦一つを除きほぼ制圧されてしまったへリック共和国にて、へリック大統領から指令を受けた主人公たるゴジュラスが、打倒帝国を目指す! ――共和国と帝国の戦いを描くところに『ゾイド』を上手く落とし込んでいる。システムは基本的には「ドラクエライクなRPG」。しかし、本作で特筆すべき点として「3Dシューティングを採用した戦闘システム」が挙げられる。『ゾイド 中央大陸の戦い』は「コマンド選択式」ではなく、「3Dシューティング」で戦闘を行う点が、当時としても今としてもかなり斬新な試みだったといえそうな。トップビューの2Dマップを歩き回り、敵シンボル(実はここも独特で敵シンボルは可視・不可視のものが入り混じって存在している)に遭遇すると戦闘画面に移行、コマンド選択式を思わせる画面から「たたかう」を選ぶと3Dシューティングに突入するといった流れ。これは本作最大の特徴であり、「ゾイドに乗って戦う!」『ゾイド』らしさを上手く演出した戦闘システムと私は感じていて、きっと当時の多くのファミっ子たちも「これはアツい!」思ったのではなかろーか?

ここまで書くと本作は「神げ!」に推してもいいかもしれないと思うのだけれど。私が実際にプレイしてみた感想としては「RPGとして人にオススメするのは難しい……」となる。昔のゲームでありがちなんだが、本作は「つぎにどこへ行ったらいいのか?」ヒントがあんまりない。これに「MAPが広いこと」と「単調なこと」が相俟って非常に迷いやすい。本作の重要な攻略ポイントとして「隠し階段の捜索」があるのだが、これもほぼノーヒントで「しらべる」していかなければならず――とってもストレスフル。「なぜ、昔のRPGはこんなに迷いやすいのか?」(たぶん、容量不足からくるところが大きいのだろうけど)思わずにはいられない。3Dシューティングバトルも初めは面白いんだが、だんだんと飽きて面倒になってくる感は否めず。そして、なんといってもエンディング! このゲームで真のエンディングを見るためには「ゼネバス皇帝を撃破後、30秒ほど放置して発生する最終イベントをクリアしなければならない!?」といった分岐条件のようなものが存在する。これ、皇帝撃破後に出てくるメッセージを送るためボタンを押してしまうのは必然――そのため、その後に出てくる「GAME OVER」がエンディングだと思ってしまったファミっ子も決して少なくなかっただろうなと想像できるんだが、どうだろう?

ストーリー

時はゾイド星暦1957年へリック王の長男へリックII世誕生。翌々年1959年には次男ゼネバスが誕生した。
それから19年という歳月が流れ、1978年、二人の父であり偉大な王へリックが死んだ。
議会はへリックII世の希望により王位は廃止、兄へリックII世は共和国初代大統領に、弟のゼネバスを共和国軍最高司令官に任命した。
父の時代からそうであったように、中央大陸は争いもなく平和な日々が続いていた。
しかしゼネバスのように戦うことを運命づけられて生まれてきた若者にとって決して満足の日々ではなかった。
兄弟にとって、そしてゾイド星人にとっても不幸で最悪の時がきた。
それは二人の兄弟の離別であった。
そして、議会の議員たちは策略でゼネバス一派を追放した。ゼネバスは無念の叫びを残して一派と一緒に中央山脈を越えていった。
ゼネバスは大陸の西に巨大な城を築き、自ら皇帝になりゼネバス帝国が誕生した。
それから数十年の歳月が流れ、今や帝国は最新鋭のゾイドを続々開発し、中央山脈を越え共和国になだれこんできていた。
戦闘ははてしなく続き、傷ついた共和国のゾイドも撤退を重ね、もはや共和国の灯は消えようとしているその時、大統領の指令をうけ一体のゾイド・ゴジュラスが立ち上がった。仲間を集め編隊を作って反攻作戦に出た。
そのゴジュラスのコックピットに乗るのはキミだ!! 共和国を勝利に導けるか!!
キミの大いなる勇気と、冷静な頭脳プレイが今必要とされている。

取扱説明書 <ものがたり> より

れとげ部!での評価

惜げ!

ここが惜げ!

マイクロニクスの本気が見られるという続編に期待!

『ゾイド 中央大陸の戦い』は前述の通り、ストーリーや戦闘システム、ジブリアニメの楽曲にも携わった久石譲氏が手掛けるBGMなど、部分部分で光るところは確かにあるのだが、「ゲーム全体としてはオススメしづらい」という――私的非常に「惜げ!」。さらに、主人公のゴジュラスの恋人と思しき「赤いゴジュラス」の存在や、本家『ゾイド』では見られない「ゾイド自身が喋る!?(童話みたいなゾイド世界?)」といった点、ゾイドファンには賛否両論あるそうで、良い意味でも悪い意味でも「ゾイド異端の作品」として話題に上げてみて面白い。しかし、クソゲーメーカーとして有名なマイクロニクス開発ということが私の中でひっかかっているのかどうかは定かじゃないが、「神げ!」には推せないこの気持ち……わかってもらえるかなぁ。ちょっと調べてみたところ、次作となる『ゾイド2 ゼネバスの逆襲』は「クソゲーメーカー・マイクロニクスの本気が見られる!?」との評価があり――そこに期待したい私がここにいるよ!

コメント! (レトゲで一言!)

  1. 管理人 ぶちょー より:

    3Dシューティングを採用した戦闘システムが斬新でゾイドっぽさがよく出てる。しかし神ゲーに推せないもどかしさがある。

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