ウィザードリィ

ファミコン

基本情報

  • ジャンル:RPG
  • 機種  :ファミリーコンピュータ
  • 発売元 :アスキー
  • 発売日 :1987年12月22日

ゲーム概要

  • 『ウィザードリィ』はオリジナル版が1981年にApple Ⅱっていう昔のPC用ゲームとしてリリースされ、本作はそれをファミコン移植したもの。『ドラクエ』や『FF』にも多大な影響を与えたって非常に有名なタイトル。フリーク的には「『Wizardry』は『Ultima』と並びコンピューターRPGの始祖と称えられる作品」って言った方が聞こえいいかも?
  • 主な製作者はロバート・ウッドヘッド氏とアンドリュー・グリーンバーグ氏。彼らはコーネル大学在学中に本作を制作。『Wizardry』(Wiz)はテーブルトークRPG(TRPG)をコンピューター上で再現するために作られた。とくに種族や職業といった概念はTRPG譲りのもの。現在のコンピューターRPGにも通用するシステムが、すでにTRPGで練り上げられていたっていうのは、すごいよね。TRPGにちょっと興味を持った話だよ。
  • 本作は、職業に「侍」や「忍者」といった日本固有のものが含まれてる。これらは今やゲームの職業としてはごく当たり前に使われてるものだけど、当時は珍しかったんじゃないかな――しかも海外RPGでっていうね! これは製作者の1人であるロバート・ウッドヘッド氏が親日家であったためなんだって。結果的にだけど日本で大ヒットする要因の一つになった。『Ultima』よりも『Wiz』が日本人受けしたのは、おそらくこの職業や「MURASAMA BLADE!」(侍の最強武器、ただしApple Ⅱ版はスペル間違ってる)に親しみを抱いたからなんじゃなかーろか!(いや、そうに違いない!)
  • その他、この初代『Wiz』の特徴として「徹底的に戦闘に特化したゲームである」って点が挙げられると思う。容量の問題からシナリオ部分をバッサリ切り落としてる。代わりに、戦闘を中心としたゲームバランスは驚異的に練り込まれてる。これは当時ロバート氏の部屋に夜な夜な友人が訪れて、製作途中の『Wiz』をプレイしていたため、十分なテストプレイを受けることができたから。うん、テストプレイ大事だよね! その中にはWizファンにはおなじみ、経験値稼ぎの友「マーフィーズゴースト」ことポール・マーフィー氏もいた! こんな感じで『Wiz』は奇跡的にスタッフにも恵まれ、類い稀なる名作として世に送り出されたんだ!
  • さて話をFC版に戻すと、移植は遠藤雅伸氏率いるゲームスタジオが担当した。そして、これは原作愛に溢れ、さらに遊びやすく改良された最高の『ウィザードリィ』に仕上がってる。難易度はファミコンユーザー向けにライト層寄りに調整された。モンスターやアイテム名が日本語表記されたのも小・中学生が多かったファミっ子には受け入れやすかっただろうね。そして、このFC版の最大の特徴は「とにかく軽い」こと! PC版ではどちらかといえば重いゲームだった『Wiz』が手軽に遊べるようになったのはデカい! ファミコンというハードとROMカセットの特性上、ゲームを立ち上げるまでわずか数秒! 『Wiz』ってゲームは何度もリセットしがちだからこれは非常に相性がよかった。プレイ中のメッセージ表示も高速だし、ダンジョン内での移動も快適。何よりPC版ではタイピングしなければならなかった魔法や罠の解除が選択式になり「タイプミスからのテレポーター作動からの全員ロスト!?」の悲劇が起こらなくなった(この辺りは緊張感を求めたり独特の味があるタイピング派のフリークも結構いるんだけどね)。ともあれ、FC版のライトユーザーに配慮した移植が『Wiz』ファンの裾野を広げたのは確か。当時ロバート・ウッドヘッド氏もFC版をプレイして「その時点でベストである」との発言をしたそう。そんなこんなで『ウィザードリィ』は「神げ!」と断ずるに些かの躊躇も持たぬ!
  • プレイヤーは冒険に出るためのキャラクターメイキングから開始。「戦士・魔法使い・僧侶・盗賊」という4種の職業、そして「人間・エルフ・ドワーフ・ノーム・ホビット」という5種の種族、さらに「善・中立・悪」の3つの属性をそれぞれ決めて、6人パーティを作るところから始まる。このキャラクター作成時にはランダムでボーナスポイントが振り分けられるため、少しでも数値を多く得たいプレイヤーはこだわってこだわってこだわって、なかなか作成が完了しない。まあこのパーティ作りが今後の冒険の難易度を左右するわけだから、当然っちゃ当然の流れ。ここで1時間2時間かけるのもザラだったよね。
  • 長いことかけて納得いくパーティが完成したら、いよいよダンジョンへと降りていく。敵を倒しながらひたすらパーティの強化を図る。地味なレベル上げ作業だけど、このゲームではそれをしっかりやらないとヤバい。――というのも、このゲームの特性として「キャラが死亡した場合のペナルティが重い」から。キャラが死んでしまった場合、魔法かカント寺院で復活させることができるんだけど、蘇生は確実じゃなくて失敗する場合がある。しかも失敗した場合、そのキャラは灰化してしまい、その状態でさらに蘇生を失敗するとロスト……キャラが完全消滅してしまうのだー。何十時間もかけて育てたキャラがロストしてしまったときの絶望を思えば、レベル上げは決して怠けることができない。(私はレベル上げがけっこう好きなんだけど、最近では敬遠されている感あるよね。放置系RPGみたいな)
  • 今の3DダンジョンRPGはオートマッピングが当たり前、だけど本作にはない。なのでプレイヤーは紙とペンを使ってアナログマッピングするしかない。でもこれはこれで楽しいって感じるプレイヤーも少なくない、たぶん! ダンジョン深く潜っていくと、大量のアイテム・個性的なモンスターたちに遭遇する。モンスターが繰り出す特殊攻撃の数々はやっかいなものが多く、とくに「プレイヤーキャラの経験値を奪いレベルを下げる」エナジードレインは凶悪で、ほとんどのプレイヤーは最終手段であるリセットに手を伸ばすはず。ほかにもロストの前とか「No!リセット」のポリシーを貫き通せる剛の者ってどれくらいいるんだろ? って感じ!
  • ここまで語ってきたように、本作はその仕様上の特性から難易度が非常に高いと思われがちなんだけど、実際にはクリアするのはそんなに難しくない。まあリセット前提の話ではあるんだけど、まず1階である程度レベル上げしたらエレベーターで4階へ行ってブルーリボンを入手、あとは9階で再びレベル上げして装備を整えたらワードナの待つ10階へはすぐ! 頑張れば1日でのクリアも可能なんだ。
  • とはいえ、ワードナを倒しても本作は終わらない。むしろそこからが本番って感じで、キャラを育てて数々のアイテムを入手する「やりこみ」こそが『Wiz』の醍醐味。そんな多数のアイテムの中でもとくに「MURAMASA BLADE!」「GARB of LORDS」「SHURIKENS」は日本で「三種の神器」と呼ばれ神聖視され、入手の難しいレアアイテムの代名詞になってる。でも時が経った現代、本作のシステムが解明されると、レアアイテムは全14種類存在し、この三種もそのうちの1つでしかないことが判明した。じつはブレストプレート+2と三種の神器が同じドロップ率という衝撃の真実。そして、これらのレアアイテムを5%の確率で落とす敵が10種、10%の確率で落とす敵が6種存在することがわかった。それから、この16種の敵が3つアイテムを落とした場合その1つはレアアイテム確定――これを知った上でプレイすればまた違ったやりこみが楽しめそうだよね。
  • ちなみにシステム解析で明らかとなった衝撃の真実といえばFC版にも存在する。『Wiz』ファンの中には「FC版ってなんかエナジードレイン喰らいやすくね?」って感じてた人も多かったのではななかろうか? じつはそれ、思い込みじゃなかった! FC版は敵からの攻撃が命中するか否かの計算時にプレイヤーキャラのAC(アーマークラス)を参照していないことが判明。つまり、裸の状態でもレアアイテムを装備した状態でも、敵の攻撃の命中率は同じだった! ACを下げる呪文など無意味の極みだったのである!
  • しかしてしかし! その事実によりFC版の評価が失墜することはないと私は信じてる。なぜならFC版の果たしたゲーム史における役割は決して損なわれることがない! あえて最後にもう一度言おう、『ウィザードリィ』は「神げ!」と断ずるに迷いの余地は皆無である!

ストーリー

ある朝、狂気の大君主トレボーは、肌身離さず持っていた魔法の魔除けが無くなっているのに気がつきました。寝ている間に盗まれたに違いありません。そしてテーブルの上には手紙が残されていました。

「これほど簡単に魔除けを手に入れられるとは思わなんだ。もうろくしたもんじゃのう、おぬしも。取り返そうなぞと大それたことを考えずに、茶でも飲んでおれ。それが身のためじゃ。

間抜けなトレボーへ

偉大なる魔法使いワードナ」

トレボーが読み終わると、手紙はメラメラと燃えだして灰になってしまいました。激怒したトレボーは国中におふれを出し、魔法の魔除けを奪還する戦士を募りました。魔法の魔除けを取り戻した者には、賞金と名誉ある称号を授けると、

かくして、腕におぼえのある戦士達が、各地からトレボーのもとに集まり、城の地下深くに潜むワードナを倒すべく、次々と地下迷宮に挑んでいったのです。あなたも、戦士達を鍛え上げ、いまだ成功した者の無い、この使命に挑戦してみてはいかがでしょうか?

取扱説明書 <使命> より

れとげ部!での評価

神げ!

ここが神げ!

  • まさに3DダンジョンRPGの草分け的存在!
    ――『ドラクエ』『FF』などを筆頭に日本のRPGに最も大きな影響を与えた伝説的タイトル。『Wiz』がなければ今の『ドラクエ』も『FF』もなかったと思えば、これほど意義深い作品も他にないんじゃなかろうか。
  • アナグラム的遊び心大好き!
    ――魔術師ワードナに盗まれたアミュレットを、狂王トレボーの命令によってダンジョン最下層まで奪い返しに行くってストーリーなんだけど、このワードナ(Werdna)とトレボー(Trebor)はそれぞれ、本作の開発者であるアンドリュー(Andrew)とロバート(Robert)の逆さ読みになってる。

コメント! (レトゲで一言!)

  1. 管理人 ぶちょー より:

    いしのなかにいる!

タイトルとURLをコピーしました