基本情報
- ジャンル:アクション
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :アイレム
- 発売日 :1985年12月7日
ゲーム概要
- 洞窟探検家のスペランカーを操作し、洞窟の奥地に眠る「秘宝の山」を目指す、アクションゲーム。スペランカーは全4ステージの冒険に挑む。襲いかかる敵は幽霊とコウモリだけだけど、本当の敵は決してそれだけじゃない。それだけじゃないんだよ!
- 本作は海外のコンシューマーハード用にリリースされ、アイレム社がライセンスを受けて、ファミコンに移植された作品。タイトルの『スペランカー』とは、洞窟探検家を表す英単語「spelunker」のことなんだけど「大した装備も無しにホイホイ軽はずみに潜って行っちゃうような人」――といったニュアンスがあるんだって。逆に「きちんと準備して行く本格派の人」は「caver」と呼ばれ、『スペランカー』のタイトルはホントこのゲームの本質をよーくよぉーく表してるよね!
- もはや説明するまでもないかもだけど『スペランカー』の洞窟探検家は「コンピューターゲーム史上最弱の主人公」――といわれてる。スポーツ選手とかが故障すると「スペった」とかいわれてる(らしい。私は聞いたことないんだけども)
ストーリー
地底ふかく入りくんだどうくつには、はかり知れない高価な宝物がねむっている。しかし君と宝物のあいだには、ぶきみなゆうれい、こうもり、毒ガス、落とし穴など数えきれない危険がいっぱい。君はこれらをぶじクリアして、次の通路に進むためのカギを見つけだし、伝説のピラミッドへたどりつけ。そこにはぼう大な宝物がかくされている。さあ、スリルとアクションいっぱいのどうくつ探検旅行のはじまりだ!!
取扱説明書 <ゲーム進行> より
れとげ部!での評価
無理げ!:
……なのに、
神げ! :
ここが無理げ!
- 彼は自分の身長ほどの高さからの落下に耐えられない。
――たとえば下り坂をルンルン気分にジャンプしようものなら彼は逝く!
――まだ空中にいるのに逝く!(ショックによる心臓麻痺なのか……?) - ジャンプのタイミングが異常にシビア! エレベーターから降りられない!
――慣れるまではエレベーターから足を踏み外して何度も逝く!
――あとロープから跳ぶときね! - 落とし穴にハマって逝く!
――がんばって! 抜け出して! 自分の身長ほどの深さしかないんだよ!? - 自分の仕掛けた爆弾の爆風で逝く!
――どれだけ離れればいいの? 距離感が難しい! - コウモリのフンに当たると逝く!
――そのヘルメットは何のために? - というか、何かに当たるとだいたい逝く!
――自分の打ち上げたフラッシュの落下物に当たって逝く!
(もうどうしていいのかわからないよ……) - エネルギー切れで逝く!
――機械の身体なの? その弱さで? え、酸素ボンベのエネルギー? …… - ……幽霊……幽霊!!!
ここが神げ!
――とはいえ、これは良いゲームだと思ってしまう。なんて言っていいのか難しいんだけど、理不尽さの質が違うというか。たしかに操作性は非常に難しく、理不尽と言っていいレベルなんだけど、それだけにまれにうまくできるとすごく嬉しくなる。そしてクセの強い操作性に慣れてくると、もっと先へ進めるのでは……という希望が見えてきて、また試してみたくなる。そして彼が逝くと悔しくて……もう一度、もう一度! ――とやめられなくなる! ――そんな感じ。伝わってるかな? たぶんゲームの作り自体はいいんだと思うんだ。ゲーム設計の甘さによる理不尽さはないっていうのかな? メーカーが高難易度ゲームをわざと作って、プレイヤーに挑戦してる――みたく思えば、絶妙なゲームバランスを再現できてると思うんだよね、これ。――とはいえ、だったらそういうふうに売り出すべきだと思うんだけど、当時どうだったのかなぁ。あのコミカルな説明書の内容からこの高難易度は想像できないよね。これをワクワクしながら初めてプレイした当時の子どもたちの、直後呆然とした様子を想像すると心が痛くなるよね。しかし案外友達と大笑いしながらプレイしてて今では結構いい思い出だったりする? どうだったんだろうなぁ……。まぁ、人を選ばずたくさんの人がプレイした結果、いまの『スペランカー』があるのかも。あとこれだけは言っておきたい。『スペランカー』をクリアできる人を私は尊敬するよ!
コメント! (レトゲで一言!)
でも人間って案外こんなものなのかも。人間は弱い生き物。自分の身長の高さから落ちただけでもケガすることだってあるかもだし、実際コウモリのフンが落ちてきたら「ギャー!」って心臓止まっちゃうくらいびっくりするかもだし、準備をせずに軽はずみな行動をすることだってあるもんね。『スペランカー』こそがリアルな人間を描いたゲーム作品であり、『マリオ』が普通だという認識こそ、我々は改めなければあらないのかも? ――とか、言ってみたり。