赤龍王

ファミコン

基本情報

  • ジャンル:アドベンチャー
  • 機種  :ファミリーコンピュータ
  • 発売元 :サンソフト
  • 発売日 :1989年2月10日

ゲーム概要

『赤龍王』は1989年2月10日にサンソフトより発売のファミコン・アドベンチャーゲーム。パケ絵を見ればお察し頂けるように本宮ひろ志氏の漫画『赤龍王』のファミコン化作品。原作漫画は、中国史として知られる『項羽と劉邦』をベースに、本宮ひろ志オリジナルのストーリーが描かれている。『項羽と劉邦』といえば、現在大人気の漫画『キングダム』の約30年後が描かれているそうで、一説では「嬴政(始皇帝)と劉邦はなんと三歳しか歳が違わない!?」んだとか――個人的に非常にアツい題材だ!

さて、舞台は紀元前221年の中国。プレイヤーは劉邦となって天下統一を目指すよ。システムは至って普通の「コマンド選択アドベンチャー」だ。コマンド数も少なく、進行に詰まることはほとんどないだろう。ただし本作最大のトラップは「二択を間違えるとゲームオーバー!」になることが多い「即死ゲー」。じつは「ストーリーが原作に忠実」に作られているため、原作を通読しているファンであれば正しい選択肢を導き出せるのだが――このゲームで初めて『赤龍王』に触れるファミっ子にはかなり辛かった思ひ出。

例えば、冒頭。本作のヒロイン的存在「虞美人」を兵士に「引き渡す・引き渡さない」という選択肢が発生――少年漫画的に考えてもここは「引き渡さない」一択! ……と思われがちだが、正解は「引き渡す」となっている。このように、原作漫画を知らないと辛い場面が複数存在し、エンディングに辿り着くまでに軽く二桁オーバー、ゲームオーバーすること請け合い。ゲームオーバー後はパスワードコンティニューとなるのだが、また章の始めからやり直しとなるため、何度も同じシーンをプレイするのはもはや苦行で、根気との勝負になってくる。そのため、本作最大の攻略法とは「原作漫画を読むこと」と言えそうなこの感じ――伝わっているだろうか?

ここまで、ゲームとしては厳しい部分を書いてきたけれど。しかしキャラゲーとして見れば、本宮ひろ志テイストを再現したグラフィックは素晴らしい! ――当時のファンも恐らく納得の出来だったと個人的には感じている。当時の風潮的にはRPGあるいはアクションとしても出してもよかったところ、あえてのアドベンチャーという選択にも「原作のよさを多くの人に伝えたい」といった製作サイドの思いが感じられるのは私だけかな? 思えば、原作漫画が『少年ジャンプ』で連載されていたのは1986年から約1年間――本ゲーム発売が1989年なので、正直「旬を逃している」感がある(ちなみにアニメ化などもされていない)。にもかかわらずのゲーム化というあたり、企画者に原作漫画の熱烈なファンでもいたのだろうか……。さらにいえば、同作者の『天地を喰らう』もカプコンが複数ゲーム化していて、やっぱり製作者サイドの「原作愛」を感じた記憶があるんだな。本宮ひろ志の漫画は当時のゲーム業界に愛されていた気がしてならないのは私だけ?

ストーリー

中国の秦の王嬴政は、天下を統一するべく、まず秦国内の反乱分子を一掃したあと、韓に攻めこみ制圧した。さらに2年後に趙、5年後に魏、7年後に楚、8年後に燕、9年後に斉とわずか10年で中国全土を統一し、自らを始皇帝と名のった。紀元前221年のことである。

天下統一をなしとげた始皇帝は、全天下を厳格な法律を重んじる法家主義のもとに置いた。彼は恐怖政治によって法にそむいた者は、容赦のない刑罰をあたえたのである。法家主義による圧政、重税に民衆は虫ケラの様な生活を強いられ、いつしか反乱の芽が大きくふくらんでいった。

沛県、泗水のほとりに一人の若者がいた。彼の名は劉邦。仕事もせず、毎日酒を飲んではブラブラしている生活をおくっていた。やがて一人の女性によって、波乱な人生をおくることになるのである。

取扱説明書 <ストーリー> より

れとげ部!での評価

原作愛げ!

ここが原作愛げ!

てか、あんまり関係ないかもだけど……

本作の原々作たる『項羽と劉邦』の項羽は、中国史における「最強の武将」って言われることがあるよね。……え、最強は呂布だって? うん、まぁ、そう言う人の方が多いよね、たぶん。でも、勝率だけでいえば「23歳で挙兵して、30歳で死ぬまでの8年間、70戦以上戦い、勝率なんと9割9分」! これは最期に劉邦に敗れるまで全くの無敗だったことを意味しているんだ――って、凄くない?

コメント! (レトゲで一言!)

  1. 管理人 ぶちょー より:

    最大の攻略法は「原作漫画を読むこと」って黄金伝説完結編みたいな。しかし、そこに原作愛を感じるのは私だけ?

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