超時空要塞マクロス

基本情報

• ジャンル：シューティング
• 機種　　：ファミリーコンピュータ
• 発売元　：バンダイ
• 発売日　：1985年12月10日

ゲーム概要

本作は言わずと知れたテレビアニメのゲーム化作品『超時空要塞マクロス』。ジャンルは横スクロールシューティング。マクロスは単なるリアルロボットアニメという括りに留まらず「ラブコメ・アイドル・歌」という要素を取り入れた異色の作品。とくに「三角関係」を描いていたのは、まだまだ子供のものだったテレビアニメとしてはかなーり斬新だったな！　のちの『新世紀エヴァンゲリオン』にも勝るとも劣らない斬新さがここにあったと私は思ってる。

そんな異色の作風がウケにウケ、ガンダムと並ぶ80年代を代表するアニメとなったマクロス。そうなってくると当然関連商品も発売されるわけで、こちらも例外なくゲーム化される運びとなったな。初のゲーム化作品はもちろん当時の主力ハードであったファミコン――かと思いきや、実はバンダイさんが輸入・販売を行っていた海外ハード・アルカディア版が、1983年に発売されていたんだな。よって、ファミコン版は「マクロスゲームの第二弾」となる。ちなみに本作の元になっているのは厳密には劇場版『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』である。発売元はバンダイさんだが、開発・製造はナムコさんが行っていて、パッケージにも両社のロゴが記載されている。そのため本作は「のちのバンナムを予見させるゲーム」とも言われたりもしている。

ゲーム内容は、プレイヤーがバルキリーを操作してセントラーディ軍およびメルトランディ軍の艦隊を叩くことが目的となっており、設定は原作の構図を用いている。もともとがロボットが戦う原作ゆえに、シューティングゲームとは相性がよく、商品化はしやすかっただろうな――とか想像できる。ゲームは横スクロールで展開、6ステージの攻略を目指し、以降はループゲー。システムはライフ制およびタイム制の場面もある。攻撃はメインショットの他に「多方向に弾が飛ぶ反応弾」があり、これはセレクトボタンで発射する（セレクトボタンを直接的にゲーム操作に使うのは割と珍しかった気がしてる）

そして本作最大の特徴は原作の見どころの一つでもあった、自機である「バルキリーの変形」で「ファイター・ガウォーク・バトロイド」にチェンジでき、それぞれに特性が違っている。例えばファイターは「機動力に優れ、攻撃力に乏しい」。これを「スクロール速度と連射の可否」で上手く再現している。この変形をステージと敵の種類によって使い分けるのが攻略のポイントとなるゲームデザイン――だったはずなんだけど、じつは「標準速度・連射可」の中間的性能を持つガウォークが一番使いやすいって事実。「低速度・連射可」のバトロイドは機雷エリアで真価を発揮するかと思いきや、当たり判定が大きくなったりスクロール速度が遅すぎたりして、そんなに使い勝手はよくなかったな。ただ、バルキリーの原作設定を上手くゲームに活かそうとしている点は評価されて然るべきだと私も考えている。そもそもマクロスといえば、やっぱり「可愛いヒロインを再現してこそのキャラゲーでしょ！」って気がするかもだけど、やはり1985年当時のファミコンスペックでそれを実現するのは不可能だったな。ゲームスタート時にのみ登場してドラを叩いていく女の子がじつは作品のヒロインである「リン・ミンメイ」なのだが、それに気づけなかった当時習い事でアニメを見られなかったファミっ子たちもいたのではなかろーか（今なら深夜枠かなマクロスは）。BGMには作中にてこのミンメイが歌う「小白竜」が使われており、単調ながらも耳に残る音で私は嫌いじゃなかったな。総合的には「同時期の他のシューティングゲームに比べても平凡な出来」と言わざるを得ないのが残念ではあるんだけどね。

ストーリー

統合軍とゼントラーディ軍及びメルトランディ軍の戦いは続いていた。このままではマクロスの存続が危うい。敵艦隊を壊滅するため、バルキリー発進。自由自在に形態を変え、敵メカ群の攻撃に立ち向かえ！！壮絶な宇宙戦を制したのちは、ブリタイ艦に侵入し中枢部を撃破せよ。マクロスの平和とミンメイを守るのは君の任務なのだ。

取扱説明書 ＜マクロスのゲーム進行＞ より

れとげ部！での評価

バルげ！：

ここがバルげ！

バルキリーはよく再現できている！

現代のキャラゲーみたく可愛いヒロインやイケメンの主人公は再現不可能だったけれど、バルキリーのメカ的な特徴はよく表現されていたって私は思ってる（……そして、それを「バルげ！」の一言で表現するのはさすがに無理があったと私も思っているよっ！）