基本情報
- ジャンル:シミュレーション
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :ナムコ
- 発売日 :1988年7月29日
ゲーム概要
『三国志 中原の覇者』ですね。現在では「三国志=光栄SLG」って思うかもだけど、当時のファミっ子の間じゃ、このナムコ版三国志と両雄並び立っていたような(ちなみに略称は「ナム三」って言うんだって「南無三」!?)
光栄さんのFC版『三國志』よりも3か月早く発売されており、そのおかげで本作が「ファミコン初の三国志ゲー」となったのは割と有名な話だよね~。
さて、本作のシステムの元になっているのは同じくナムコさんより同年4月に発売された『独眼竜政宗』である!
しかしながら、やっぱり光栄さんの『三國志』からも大きな影響を受けているのは間違いないなと思われる(光栄『三國志』はPC版が1985年に発売された)。「武将の能力や国データの数値化」「メインマップと戦闘マップの2枚構成」など共通点が見られる。だがしかし、本作は「単なる二番煎じ」にはなってない! 実際、当時のFCにおけるシェアは光栄『三國志』を上回っていたのである!
本作はまず「劉備・曹操・孫権・劉璋・馬騰・袁紹」からプレイヤーキャラとして一人を選択することになるのだけど、「性格診断」により自動的に決定される。これがありがちといえばありがちながら、なかなか面白い趣向で自分がどの英雄タイプなのかは結構楽しみ。とはいえ、質問数は少なく、ワンパターンなので、覚えてしまえば任意の君主を選択することが可能だったな!(私はまさかの袁紹タイプだったな!?)
ゲームの目的はもちろん中国大陸統一となるわけだけど、そのためには「内政で国を富まし、人材を発掘し、戦いに勝利しなければならない」というのはもはや三国志SLGではおなじみだよね。本作はこのいずれをとってみても「及第点」といえる出来になっていて、欠点らしい欠点がほとんど見当たらない。コマンドもムダなものは省かれていて初心者でも問題なくプレイできたな。特定のイベントなどがなく、「三国志マニア」には物足りないかもしれないけど、当時は現在ほど「三国志」という物語自体がそれほどメジャーではなかったこともあって、ストーリー性よりもゲーム性に重きを置いたのは当然の帰結だったように思ってる。――しかしこうして語ってみると「没個性」な印象を受けるかもね。でも、このゲームにも非常に個性的な部分があり、それが「戦闘システム」なのである!
戦闘時には兵士を率いた武将同士が戦場で相対することになる。この際、「兵士の強さは完全に武将の武力に依存する」ため、中途半端な武力の武将に兵士を持たせることはムダになりやすく、兵力はできるだけ能力の高い武将に集中すべきであった。また、本作では「武力と同じくらい知力が戦闘でものをいう」ところがあって、それは戦場で使えるさまざまな計略がゆえん。その成功率こそが知力に依っているため。計略には「兵士の数を減らす火計」「武将の体力を減らす陥穽の計」「敵武将を寝返らせる籠絡の計」など。非常に強力なものが揃っており、「知力が低い武将は敵に近づく前に部隊がボロボロに……」なんてことも。この武将の武力・知力は80以下であれば上げることができるため、ここに武将を育成する楽しみもあった。
戦闘マップはターン制で攻守交互に部隊を動かしていく。そして敵と接触すると直接戦闘に突入し、画面が切り替わって専用マップが出現。ここでは兵士が騎馬隊・弓隊といったユニットで表示され、セミリアルタイムに戦闘が進行していく。これは「任意のタイミングで進行を止めて都度指示を与え直す」というもの。この戦闘システムがくせもので慣れが必要だった。とくに、体力が減少した敵武将を味方ユニットで囲い込めば捕虜にすることができるのだが、この操作にコツがいる。関羽や趙雲といった有名武将が見殺しになるとリセットボタンに手が伸びたのは私だけじゃないはずだよね?
先述の通り、本作はファミコンの、しかもシミュレーションゲームとしてはかなりの成功を収めた。しかし、続編の販売が延び延びになってしまったこともあってか、シリーズ展開はうまくいかなかった。『三国志II 覇王の大陸』は1992年6月に発売されたもののすでに4年もの月日が流れていた。ファンの興味も他へと移ってしまっており、これは見事にマイナーソフト化してしまったな。内容的にも「見た目もシステムもほとんど前作同様」だった。せめてスーファミで出していれば……、いや違うか(シリーズを追うごとに新システムを導入している光栄『三國志』の秀逸さが浮き彫りになるカタチに)。こうして、家庭用ハードにおける三国志ゲームのシェアは完全に光栄さんに持って行かれた感あるある。そしてそのためか、ナムコさんは以後歴史SLGという分野に消極的になってしまったような印象を受けるよ(どうやらナムコさんは中原の覇者になれなかったよ……)
れとげ部!での評価
神げ!:
ここが神げ!
じつはファミコン初の三国志ゲー!
「三国志ゲーといえば光栄さん」ってイメージがあると思うんだけど、本作は光栄さんのFC版『三國志』(1988年10月30日)よりも3か月先に出ていたんだよね。よって、「ナム三」こそが「ファミコン含むコンシューマー機初の三国志ゲーム」となっている! ……まぁ、光栄『三國志』はPCで1985年に出ているから、古くからのPCゲームファンにとってはやっぱりこちらがしっくりくるかも。でも、「光栄『三國志』よりも『ナム三』の方がハマった!」ってファミっ子は決して少なくないと思われる(……てか、本作を「ナム三」って呼んでる人と出会ったことある? ちなみに私はない「南無三」!)
コメント! (レトゲで一言!)
知力・武力は79にして、次に上げるときは10上がるまでリセットを繰り返す。そんな作業が意外と好きです。(こうなっては仕方ありません。む、むねん)ポチッとな、みたいな。