基本情報
- ジャンル:アクションアドベンチャー
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :アイレム
- 発売日 :1987年9月18日
ゲーム概要
『II』知ってる? 完全に前作の陰に隠れてしまった感がある『スペランカーII 勇者への挑戦』は1987年9月18日にアイレムより発売のファミコン・アクションアドベンチャーゲーム――「クソゲー」とも「神ゲー」とも評される、良くも悪くもレトロゲームの中では圧倒的知名度を誇る『スペランカー』の続編が「なぜこれほどまで埋もれてしまったのか?」。そこには「良いゲームを作ることの難しさがある!」と思っているのは私だけ?
まず、『スペランカー』といえば「最弱主人公」が有名な。その虚弱体質っぷりはいくつも例が挙げられるのだが、やはり一番初めに思い浮かぶのは「自分の身長以上の高さから落下すると即ミスとなる!」ことではないか――ジャンプの着地であっても、自分の身長よりも高い位置からの落下であれば当然アウトという鬼畜っぷり! そのため開始1秒で残機を減らしてしまったファミっ子は私だけじゃなかったはずだよね。そしてこの「最弱主人公」が『スペランカー』の評価を大きく分ける要因の一つとなり――
- クソゲー……言うまでもなく、こんなクソ弱主人公でどうクリアしろと? 難易度高すぎ!
- 神ゲー………僅かの操作がミスへとつながる緊張感がたまらない。何度もミスしてようやく先へ進むたびに自分の上達を実感できる!
――と、言われてみれば「どちらも理解できる理由」があり、「クソゲーと神ゲーの間に絶妙のバランスで存在している」奇跡的なアクションゲームが『スペランカー』というタイトルだった。では、その続編となる本作はどうか?
スペランカーパートIIとなるこのゲームは、前作よりも探索型アクションの色が濃くなっている。そのためか、主人公の仕様もだいぶ変更されていて――
- 「探検家」「エスパー」「聖職者」の3キャラから選択可能
- 「即死制」から「ライフ制」へ
といった感じに「主人公が強化されている!」。例えば前述の「自分の身長以上の高さからの落下が即ミスとなる!」仕様は、「ある程度以上の高さから落ちるとダメージを受ける」に留まり、「前作の鬼仕様が改善された」と言えそう。――言えそうなんだが、この点を評価していた高難易度アクションファンからしたら「こんなのスペランカーじゃない!」となってしまった。ストーリー的にも「邪悪の神・ゲイラに支配されたフェアリーランドを解放し、人間の世界に光を取り戻す」といったものなのだが、「フェアリーランドのことは初代スペランカーが地底洞窟のピラミッドから財宝と一緒に見つけた古文書に記述があった」という「如何にもな後付け設定」が低評価されていたりする。
しかしながら、純粋にゲームの中身を評価するなら「正直作りは悪くない」。グラフィックは当時の基準からしてみれば「平均より上」であったし、難易度も「可もなく不可もなく」、バグや調整不足からくる「理不尽な詰まり要素」は見当たらない。ところが、この「無難な出来」が前作を期待していたファンをガッカリさせてしまったのだ。同時に、単体として完成度は高くとも「凡作」の域は出ておらず、前作ファン以外のユーザーの目にも止まらなかった。――結果、「有名タイトルの続編でありながら埋もれてしまった……」というわけ。もしも本作が「スペランカー」の名を冠していなければ――「こんなのスペランカーじゃない!」みたいな批判は避けられたのかもしれないけれど、いずれにしても高評価は得られなかっただろうことを思わされる、やっぱり凡作。いや、開発サイドがゲームを良くしようとして、実際その試みは実現できていると私は考えるのだけれど、良くすることだけが改良ではなく、本作の場合はむしろ「改悪」とまで言われてしまうというのは――ホント、「ゲーム作りの難しさ」を実感させられたタイトルが、私にとってのスペランカーIIって話なのね!
れとげ部!での評価
隠げ!:
ここが隠げ!
ファミコンによっては起動しない?
「うちのファミコンではできなかった!」という人が複数いたのがなんか印象に残ってる。他のファミコンではできたり、当該のファミコンも別のソフトは起動出来たりと、単純なカセットや本体の故障ではなさそう――生産時期的な相性とか? 「LEDはつくのにゲームは始まらない!」とか悲しすぎる……ちなみに本作は、特徴的だったアイレムの赤い発光ダイオードが搭載された最後のファミコンカセットなんだとか。あと、「本作は『グーニーズ』をお手本にしている」との指摘があって、「鋭い考察!」と思った。『グーニーズ2』のサブタイトルも「フラッテリー最後の挑戦」と「挑戦」の文字が入っているとか――内容とともにオマージュを感じさせるところが確かにあると私も感じたな!
コメント! (レトゲで一言!)
スペランカー『II』知ってる? 良くしたはずが「改悪!」と言われてしまう――ゲーム作りの難しさがここにある。