基本情報
- ジャンル:シミュレーション
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :光栄
- 発売日 :1991年12月21日
ゲーム概要
信長の野望シリーズ第4作(FC版としては第3作)にあたる作品が『信長の野望 武将風雲録』ですね。前作「戦国群雄伝」でバッサリカットされた地方(九州・北関東・東北の一部)が復活。伊達政宗や島津貴久らが登場し、再び「全国版」に。シナリオも2本あり、これらがファンにはとっても嬉しかったな。
本作は「シリーズ中でもかなり名作」との声も多く、メーカー(コーエーテクモゲームス)さんが「信長の野望30周年」に実施したアンケート「あなたの好きな『信長の野望』を教えてください」でも得票率一位だったな。これには「武将風雲録」以降のシリーズが複雑化していき、「ちょっと気軽にはプレイしにくくなってきている」ことも関係しているのでは、と個人的には考えているよ。マニュアルを見ずともプレイが可能なのはひょっとしたら本作が最後、とも言えるかもしれないね。そんな「武将風雲録」のテーマとなっているのは「文化と技術」である。文化は「茶の湯」、技術は「鉄砲・鉄甲船」って感じ。
まずは文化から。具体的には「文化度」を上げるための方法に茶会があり、茶会を成功させるためには高価な茶器を所持する必要がある。茶器は配下武将たちにとってのステータスともなる。これを与えることによって配下武将の忠誠度を大幅に引き上げることが可能なのだ。文化度が高ければ商業価値の上限が上がり、金銭収入が増え、商人との取引が有利になるなどの効果もある。そのため、本作では茶会がとっても重要になる……はずだったんだけど、実際には戦争で文化度が高い国を獲った方が手っ取り早い、っていうのは言わないお約束だったかなぁ、SLGのシステム調整って難しいよね。
次に技術。内政コマンドで上げることができ、「100で金山採掘・250で鉄砲製造・500で鉄甲船の建造」が可能に。本作における鉄砲は籠城時に圧倒的な強さを誇り、まとまった数を所持していれば敵に攻め込まれても安心感がある。鉄甲船は海のある野戦マップでは圧倒的……なんだけど、こちらの兵力が多いとCPUはほぼ籠城するため、活躍の機会が少ないのがちょっと残念だったな。
残念ついでに、本作は「内政の効果が薄い」っていうのもあった。ちょっと内政が馬鹿らしくなっちゃうっていうか。米の相場変動が激しく、この売り買いだけで収入が賄えてしまうのね。ただし問題といってもそこまで致命的なものではない。とくに「文化」の概念の導入には唸らされるところがあった。「信長の野望」はシリーズを通して進化を続け、ゆえに手軽に楽しめなくなってきている面もあるにはあるけれど、それでも毎回の新システムは楽しみになっていて、「武将風雲録」の「茶の湯文化」の導入はシリーズ中でも一番感心させられたかも。うん、「神げ!」
れとげ部!での評価
神げ!:
ここが神げ!
茶の湯ってすごい!
「信長といえば茶の湯」って漠然としたイメージはあったんだけど「じゃあ茶の湯の何が凄いのか」よくわかっていなかった。もちろん本作のシステムはその一面をゲーム的に強調して取り入れているんだろうけど「茶の湯を文化として引き上げることで商業的価値を生み出し、茶器を与えることで配下武将の忠誠度が上がる(人に影響を与える)」みたいな。文化の凄さを実感できたゲームだったな、私にとっての「武将風雲録」とは。
コメント! (レトゲで一言!)
「あなたの好きな信長の野望」第一位。「茶の湯」はシリーズ中でも屈指のシステムだと思ってる。