基本情報
- ジャンル:ボードゲーム
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :ハドソン
- 発売日 :1988年12月2日
ゲーム概要
『桃太郎電鉄』は1988年12月2日にハドソンより発売のファミコン・ボードゲーム――今でも「お正月には桃鉄(双六)!」というご家庭はあるのかしら? 一人でももちろん面白いんだけど、多人数でやるとやたら盛り上がるときがあるのは、きっと私だけじゃないはずだよね~。
本作は日本のゲーマーなら知らない人はいないであろう有名シリーズの第一作だ。元々は桃鉄の生みの親であるさくまあきら氏が手掛けお蔵入りしていた『日本一周トラブルトレイン』というゲームをヒットした『桃太郎伝説』にあやかって制作されたそう(セルフパロディ)。まさに桃鉄のプロトタイプとも言うべきゲームなのだが、しかし二作目以降のシリーズ作品とはシステムやルールに大きな違いが見られる。
もはや説明不要とは思うのだけど、桃鉄は自分のターンにサイコロを振って、出目の数だけ進み、道中の駅で物件などを購入、それらが生み出す収益で資産を増やし競い合う。初代桃鉄もこの流れ自体に変わりはないんだけど、以下のように他シリーズ作品との違いがある。
- 1年が春・夏・秋・冬の4ターン
- 「+マス」「-マス」などがない
- カードがない
- 目的地がプレイヤーごとに異なる
- 貧乏神が出ない
- 出目がピッタリでなくても目的地に到着できる
これらをまとめると「競争性が薄い」となり、ボンビーをなすりつけ合ったりして険悪な雰囲気になるあの感じが生じにくく――良くも悪くも「ゆるい桃鉄だった」と言えそうな。
それぞれがそれぞれの目的地を目指し、運によって資産額が増減、その結果として順位はつくけれど、「大切なのは順位じゃない、みんなで楽しめた過程なんだ!」みたいな――なんだかゆとり教育を彷彿とさせる仕上がりには賛否両論ありそうだけど、意外と「桃鉄は初代が一番好き!」というファミっ子が多い印象を受けるのは私の周りだけ? 桃鉄恒例の「女湯を見る!」条件も本作では「プレイヤー全員で日本全国の温泉を買い占める」となっており、「みんなで力を合わせて女湯を見よう!」など一つの目標に向かって一致団結して事に取り組む協調性の大切さを教えてくれたな(違うか?)
本シリーズには他にも「日本の地名と特産を学べる!」といった側面があり、「たかがゲーム、されどゲーム」「地理の勉強になるゲーム」だと私は今でも思ってる――ちなみに桃鉄といえば一枚絵も印象的で、個人的には「鳥取砂丘に書かれた『アホ』」が面白かったんだけど、現在では「条例で禁止されている」という新たなる学びに(砂を持ち帰るのもダメなんだって)。今でも勉強になるゲーム、それが私にとっての桃鉄というゲームなんだなぁと改めて実感したんだな。
ストーリー
社長!! 私はあなたの秘書でございます!! いつもながら、社長の経営手腕には感心させられますなぁ!! ヨッ!! 日本イチッ!!
突然ではこざいますが、地方都市より、わが社に地域開発をして欲しいとの申し出がありました!! これは一攫千金の大チャンスですぞ!! ささっ、専用列車も用意しております。東京本社は有能な社員たちにまかせて、われわれは地方都市の開発に乗り出しましょう!! 途中で気に入った物件などございましたら、私に申してください。すべては社長の意のままに、ポーン!と買って行きましょう。おまかせしますよ、日本一の大社長サマッ!!
取扱説明書 <秘書からヒトコト> より
れとげ部!での評価
神げ!:
ここが神げ!
みんなで力を合わせて女湯を見よう!
プレイヤー全員で全国の温泉を買い占めると女湯が見られる。温泉は全国に16あり、うち1つは隠れ物件(別府)。隠れ温泉を最後に買った場合、女湯は見られなくなってしまうので要注意だ。
(ちなみに昔のゲーム制作は「容量との戦い」で、桃鉄の女湯は「RPGで4~5個村を増やせる」レベルで容量を食っていたんだとか――その容量を犠牲にしてでも女湯という遊び心を入れた精神に敬意を表したい!)
温泉リスト
- 稚内 :1000万円
- 函館 :3000万円
- 青森 :1000万円
- 秋田 :1000万円
- 仙台 :3000万円
- 福島 :1000万円
- 新潟 :1000万円
- 富山 :1000万円
- 岐阜 :1000万円
- 米原 :1000万円
- 和歌山:5000万円
- 鳥取 :1000万円
- 松山 :5000万円
- 長崎 :5000万円
- 大分 :5000万円
- 別府 :1億円(隠れ物件、大分の一つ上のマスにある)
コメント! (レトゲで一言!)
【裏技メモ】
〇1億円モード……ゲームを始めるとき「順番を変えますか?」の画面で「十字キーのいずれか、セレクトボタン、スタートボタン」を同時に押しながら、Aボタンでゲームを始めると、そのとき十字キーを押していた方向でスタート時の所持金が変わる。「↑:2億円」「↓:1000万円」「←:5000万円」「→:1億円」
〇トイレモード……「セレクトボタンを押しながらAボタンを押す」とコンピュータが代わりにプレイしてくれる。トイレから帰って同じ操作をもう1度するとトイレモードが解除される。
〇音楽室……3人用プレイにしてそれぞれの名前を「モモタロ」「おんがく」「しつ**」にする。音楽は1コンのAボタンで変更できる。効果音は2コン。
〇美術室……3人用プレイにしてそれぞれの名前を「モモタロ」「びじゅつ」「しつ**」にする。