ふぁみこんむかし話 遊遊記

ファミコン

基本情報

  • ジャンル:アドベンチャー
  • 機種  :ファミリーコンピュータ ディスクシステム
  • 発売元 :任天堂
  • 発売日 :1989年10月14日(前編)/1989年11月14日(後編)

ゲーム概要

『ふぁみこんむかし話 遊遊記』は、ディスクシステムで発売された『新・鬼ヶ島』に続く「ふぁみこんむかし話シリーズ」の第2弾。前作と同じく、開発は任天堂とパックスソフトニカで行われた。シナリオも引き続き菱田達也氏が中心となって、「紙芝居にADV要素を盛り込んだような」「読ませることに重点を置いた作品」に仕上がっている。やはり今作も「前後編2枚」のディスクに分かれており、前編発売の1ヶ月後に後編がリリースされたんだな。

前作『新・鬼ヶ島』は桃太郎をベースとしながらも日本の有名童話のキャラクターを大集結させた物語だった。今作ではもはや言わずもがな、中国の有名な伝記小説である『西遊記』をテーマに据えている。発売当時のテレビCMがかなり目立っていたのが印象的で、サングラスをかけた白塗り顔の三蔵法師とその仲間たちが飛行機の翼の上で踊る奇抜さ(実写)は、いやでも視聴者の目を引いたよね。そんなCMイメージが示す通り、本作のゲーム内容はコミカルな味付けとなっていて、西遊記を柱としつつもシベリアや日本も舞台として登場する。また、前作との直接的な繋がりはないが、語り部キャラクターとして「一体さん」が引き続き登場している。

本作は「西遊記をコミカルにアレンジした良作」といった出来栄えで、ギャグをベースにしつつホロリとさせてくれるポイントもしっかり押さえており、まさに「笑いあり涙あり」のシナリオが秀逸で、前作よりもさらに深みを増している。今作もダブル主人公で、隕石から生まれた猿「ごくう」とオリジナルヒロインの「ちゃお」(二人ともデフォルトネームで変更可能)(ちなみに「ちゃお」は後の「星のカービィシリーズ」にも登場している)。物語はちゃおと悟空の出会いから始まるが、程なくしてふたりは離ればなれになってしまい――別々の旅を歩むことになる。西遊記のストーリーにならいシナリオを進めていくと、悟空と三蔵のほかに豚の八戒と河童の悟浄も仲間に加わっていく。

ゲームシステムは基本的に前作を踏襲しているが、操作キャラを変更する独自コマンド「ひとかえる」がグレードアップして、最大5人で行えるように。さらにコマンド選択式だけでなく、特定の戦闘シーンではアクションパートを設けるなど、より進化した内容となっている。シナリオのボリュームも充分で難易度もそれほど高くなく、まさに「むかし話の紙芝居を楽しむような味わい」はアドベンチャーゲームの一つのあり方として断然アリ。西遊記に恋愛要素を取り入れるといった趣向も、当時はありそうでなかった斬新なアイデアだと評価できる。現在まで移植・配信ともに実現しておらず――その理由は不明とされていて「シナリオの権利関係」「表現規制(登場人物の一人の容姿を貶すシーンがあるため)」「有名な歌謡曲の歌詞を引用している個所がある」など、さまざまな憶測を呼んでいる。名作として知られ、ファンの多い作品だけに、移植・配信をぜひとも実現させてほしい! と思っているのは、私だけじゃないはずだよね。

ストーリー

昔々、今の中国に当たる東勝神州という大陸のある村に、女の子が住んでいました。ある夜、女の子の家の近くに隕石が落ちて、中から一匹の猿が飛び出してきました。

両親を早くに失い天涯孤独の身であった女の子は、猿に名前をつけてかいがいしく世話をします。しかし猿は、かつて牛魔王と組み天界を荒らした罪によって、お釈迦様に連れ去られ、五行山の牢屋に閉じ込められてしまいました。

猿と一緒に暮らすためには「光の小づち」と呼ばれる宝を手に入れ、猿のひねくれた性格を正さなくてはならない――そう聞かされたされた女の子は猿を救うため、光のこづちを求め、独り旅に出るのでした。

――数年後。世界が牛の化け物牛魔王の魔の手に脅かされるようになった頃、一人の僧侶がお経を取りに天竺へ旅に出ました。ひょんなことから、猿はその僧侶、三蔵法師の弟子となり、お供として天竺へ旅立つことになってしまいます。

はたして、この珍道中の行く末や如何に……?

れとげ部!での評価

孫げ!

ここが孫げ!

ありそうでなかったラブストーリー西遊記

この点、個人的にすごく印象に残ってる。ラスト、悟空が一心に走る姿。その向かう先は言うまでもない――悟空とちゃおが筋斗雲に乗って飛び上がり小さくなってゆくシーンは、仲間との一時の別れにも似た、気持ちの良い寂しさを感じさせてくれたな。このゲームは「人の心の中にある優しさ」「思いやりや愛情」「素直な気持ちの大切さ」を教えてくれる。リメイクが待ち望まれているレトロゲームの一つ(私だけ?)(ちなみに、このゲームのタイトル「遊遊記」を聞くと、「『幽遊白書』の最初のタイトル案『幽遊記』を思い起こすのは、私だけ???)

コメント! (レトゲで一言!)

  1. 管理人 ぶちょー より:

    紙芝居的コミカルADVの第2弾はありそうでなかったラブストーリー西遊記。優しさ、素直さ、思いやり――いろんな気持ちの大切さを教えてくれたな。

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