基本情報
- ジャンル:アドベンチャー
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :トーワチキ
- 発売日 :1989年5月1日
ゲーム概要
『名探偵ホームズ Mからの挑戦状』は1989年5月1日にトーワチキより発売のファミコン・アドベンチャーゲーム――トーワチキの「ホームズシリーズ」第3弾にして最終作となる作品。第1作『伯爵令嬢誘拐事件』は「クソゲー」として有名なアクションゲームだった。第2作となる『霧のロンドン殺人事件』は前作を反省したかのような、普通のアドベンチャーに。そして本作もまた至って普通のコマンド選択式ADVだ。5章構成でヨーロッパ各地を舞台に「密室殺人・犯人追跡・暗号解読・アリバイ崩し」といったテーマに沿った謎解きがある。最後に待ち受ける思わぬ結末とははたして……?
サブタイトル『Mからの挑戦状』の「M」とはホームズの宿敵であるモリアーティ教授のことで、名バイオリニストの元に「ストラディバリウスを頂戴する!」と脅迫状を送り付け、これをもってホームズへの挑戦状とするわけなのだが――なんとも傍迷惑な! こういう話「名探偵もの」ではよく目にするけど、そのたびに私は「どこかよそで当人同士で決着をつけてくれんかのぉ。他人を巻き込まないでおくれ」思わずにはいられない。しかして、それを言っては物語が始まらず。脅迫を受けたバイオリニストは予定調和にホームズへバイオリンの護衛を依頼するのであった……。
システム的にはオーソドックスなコマンド選択式ADVだが、この操作性に前作から幾ばくかの進歩が見られる。例えば、不要になったコマンドが順次消えていったり、手がかりが揃うまでは「いどう」コマンドが出ないなど、基本的にはコマンド総当たりで何とかなる易しい作り。そのため、前二作に比べて難易度は大幅に下がっている。ファミコンアドベンチャーは「攻略情報がなければ自力クリアが難しい!」ものが多い印象を受けるので、「誰でもクリアできるADV」は個人的には歓迎したい! ――が、当然ながら「簡単すぎる!」という反対意見も存在している。
しかしながら本作最大の問題点は「シナリオの杜撰さ」にある! まず、「主人公のホームズが徹頭徹尾役立たず!」で、事件解決にほとんど貢献していない。――というか推理ADVの肝となるトリックもかなりひどいもので、例えば、密室トリックは「ドアの上に内側から開く窓」があり、血痕が残されていたことから犯人がそこから脱出したと分かるのだが、「いやいや、そんなこと言われなくても一目瞭然……」――しかもこの推理を行うのはなぜか助手のワトスンであり、ホームズは「そうだったのか……」(じゃないよ!)。他にも「アリバイトリックも一目瞭然!」「またホームズが何もしない! 役に立たない!」ツッコミどころ満載だ。逆にこれこそがこのゲーム最大の醍醐味なのか……? 迷い始めている私がここにいるよ。
ストーリー
1897年ロンドン。名バイオリニストのグレイ・コーネルのもとへ「バイオリンの名器ストラディヴァリを頂戴する。」という脅迫状が届いた。差出人はあの極悪非道のモリアーティ教授だ。コーネルの依頼を受けたホームズは、ストラディヴァリを守るため、コーネルのバイオリン演奏旅行に同伴することとなった。が、早くも殺人事件が……。
箱裏より
れとげ部!での評価
迷探げ!:
ここが迷探げ!
迷探偵には迷探偵の魅力がある?
例えば、『名探偵コナン』の毛利小五郎だとか――コメディタッチに描いてくれれば、こちらもそのつもりで楽しめるのだが。本作のように真面目にやられちゃうとツッコミを入れざるを得ないというか――いや、これがシュールな面白みってやつなのか……やっぱり迷い始めている私がここにいるよ!
コメント! (レトゲで一言!)
トーワチキ「ホームズシリーズ」最終作。さて、今作は一体どんなク