基本情報
- ジャンル:シューティング
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :コナミ
- 発売日 :1991年8月27日
ゲーム概要
ファミコン末期に発売された『クライシスフォース』は、コナミのオリジナル縦スクロールシューティングゲーム。コナミはこの後、ディスクシステムで以前発売した『もえろツインビー』のカセット版を出しているけれど、「オリジナルの新作」としてみれば本作が「ファミコン最後のコナミシューティング」。パッケージに書かれた「ファミコンの限界を超えたスーパーグラフィックス」の謳い文句に嘘偽りなく、確かにグラフィックの作り込みが凄い! これは「VRC IV」という特殊なROMチップを使用することで実現しており、1988年発売の『グラディウスII』にも用いられていたな。
――とはいえファミコン末期は、ハードの限界に挑戦するような描き込みにこだわり、色彩鮮やかな作品も少なくなかった。しかし、本作はビジュアル面のみならず中身もすこぶる良い! もはや言うまでもないことだけど、ファミコンSTGはハードの性能上、大量の弾を表示するとき「チラつきや処理落ち」が起こりやすかった。ところが、『クライシスフォース』はそういった欠点を克服し「弾幕系シューティング」に果敢にチャレンジしてきたのだ! その完成度は非常に高く、大量のザコ敵や弾を表示してもほぼ問題なくプレイできる。2人同時プレイ時にはさすがに処理落ちする場面も見受けられるが「ファミコンで!? このクオリティで!?」2人同時プレイが楽しめる点はむしろ驚異的に映るほど。さらに本作は、部分的に多重・高速スクロールまで実現しているこだわりっぷり。まさに当時のコナミの技術力の粋を存分に見せつけた内容と言えよう!
ストーリー的にもFC時代に流行していた「世紀末ネタ」を取り入れており、これもまたなかなか凝った仕上がり――主人公は高校生の双子の兄妹、じつはムーの戦士の子供として生き残り、現代に復活した古代アトランティスの未知の兵器と戦うため出撃する! ゲーム性は、デフォルトで3段階の変形が可能な自機を操る縦STG。攻撃はショットの他にABボタン同時押しで放てるボムがあり、これが強力な武器となっている。ショットの射出方向やボムの性能が自機の変形により変化するため、場面に応じて使い分けていくのが基本。特定のアイテムを集めると自機がパワーアップ、一定時間無敵になる。これは設定上相方機と合体している態となっている。
難易度設計は基本的に低め。さらにオプションにて3段階の設定変更が可能なため、STGが苦手な層や初心者にはありがたい。確かに上級者にはやや物足りない印象は拭えないけど、ゲーム全体としての出来栄えは充分に傑作と呼べるものに仕上がっている。ファミコン末期の作品だけに出荷数が少なく、現在流通している中古ソフトは総じてお値段高めとなっている。現在までに移植・配信がなく、今後の配信が最も待たれているレトロゲームの一つだと、私は勝手に思っているんだけど――どう思う???
ストーリー
時は現代、東京の同じ高校に通う双子の兄妹、アスカとマヤ。2人は古代遺跡研究家の両親と、ごく普通の生活を送っていた。
ところが、ある日を境に2人は、同じ不吉な夢を見るようになり、それがまさしく現実となってしまった。1万年の時を経て、古代国家アトランティスがかつて滅び去った世界各国の古代文明と共に、7つの化け物を復活させたのだ。
アトランティスの未知の兵器を前に、現代の科学ではなす術がなかった。たちまち戦火が世界を覆い、ついに魔の手は日本にまで及んだ。アスカ達の両親も巻き込まれてしまい、息を引き取る寸前に2人はある真実を聞かされた。自分達は本当の両親ではなく、17年前遺跡発掘のために訪れた無人島で、古代ムーの民によって作られたオーラウィングと、その中の生命維持装置で生き残っていた、赤ん坊のアスカとマヤを発見したということを────。
そう、2人は1万年前にアトランティスと最後まで戦った、ムーの勇敢な戦士の子供だったのだ。
アトランティスが復活した今、自分達の使命に目覚めたアスカとマヤ。
他に人類を救える者はいない!
2人は未知なる力を秘めた2機のオーラウィングに乗り込み、暗雲立ちこめる大空へと飛び立った。
取扱説明書 より
れとげ部!での評価
隠神げ!:
ここが隠神げ!
FC人気に陰りが見えても妥協しなかった姿勢!
この頃のコナミさんは本当にユーザーを大切にしていた印象を持つな。いつしか「大切にしてくれる」のが当たり前になってきて、ユーザーが過剰にそれを求め始めた頃からメーカー側の姿勢も変わっていったのではなかろーか――てな意見に、私も頷かされるところがある。メーカーはユーザーを映す鏡というか、逆もまた然りとか――反省させられるような思いがしたけれど、時代の流れってこういうことなのかも……とか、結局は結論付けてみたり。
コメント! (レトゲで一言!)
メーカーがユーザーを大切にしていた時代の傑作。それが当たり前となってメーカーもユーザーも変わってきた時代の流れ。