基本情報
- ジャンル:シューティング
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :コナミ
- 発売日 :1990年11月30日
ゲーム概要
本作は「パロディウスシリーズ」の第二弾にあたるアーケードシューティング『パロディウスだ! 〜神話からお笑いへ〜』をファミコン移植した作品である。その名が示す通り、コナミの大ヒットSTG『グラディウス』のパロディとなるコミカル系シューティングゲーム。大元の『パロディウス』は1988年に『パロディウス 〜タコは地球を救う〜』のタイトルでMSX用ソフトとして発売された。この開発経緯が面白く、他作長の期開発中に「スタッフのストレス解消用」として片手間で作られたんだって!? パロディとギャグというゲーム性の下地は意外なところから出来上がっていたって話――漫画とか小説のスピンオフでもよく聞くよね~。作者が本編の合間に好き勝手に作ったものが、別シリーズとして好評を博す――作者自身が楽しんで作ったものは、やっぱりユーザーにもウケがイイみたいな!
そんな前作「タコは地球を救う」が如く、やはり本作もまたタコを主役に据えている。その他コナミの看板キャラクターを操作できる「オールスターゲーム」。基本は前作のシステムを踏襲。しかし、選択したキャラに関係なくパワーアップの種類が一定であった前作とは異なり、本作からは「キャラに応じた固有のパワーアップゲージ」が採用された。これにより機体に性能差が生じて、難易度にも影響していた。本作で選出された栄光のキャラは「ビックバイパー・タコ・ツインビー・ペン太郎」の4種類で、前作にいたゴエモンとポポは退場となる(ゴエモンは後の作品で復活)。ちなみにペン太郎は、コナミのファミコン参入第一弾『けっきょく南極大冒険』の主人公ペン太の息子という設定で――これはファミっ子でも知らない人が少なくないかも?
ゲーム性としては『グラディウス』でおなじみの「強制横スクロール型シューティング」で、カプセルによるパワーアップシステムに加え『ツインビー』のベルパワーを導入しているのが特徴的。初心者に配慮したパワーアップの自動モードや、意図しない強化(全装備を没収されることもある)をしてしまう波乱要素としてのルーレットカプセルなども内臓されている。ほぼ全編がパロディで構成されているが、回転・拡大縮小を活かした演出など見所満載。また、個性的な敵キャラが次々と登場するのも面白く、とくに「ちちびんたリカ」はすごい印象的だったな! ――ところが、FC版ではこれが「ミス・ミシタリーナ」(名前の由来は「見したりーな!」)に差し替えとなっていて、露出度の高いちちびんたリカが初見プレイヤーの度肝を抜いただけに批判されやすいアレンジとなっている。――ちなみにこの変更、一説には「当時の任天堂の表現規制に引っかかったため」とされているが、「それをコナミが勝手に忖度した結果」や「ちちびんたリカの衣装をファミコンで上手く再現するには容量が足りなかった」などという噂もあったり。とにかく様々な場面に色々なパロディが隠されているため、それを探すのも楽しみの一つとなっていた。
また、BGMにもこだわりを持ち、ボス毎に曲が変化するばかりでなく、グラディウスシリーズの曲以外にもクラシックや八木節まで取り入れていたっけ。FC版ではオープニングテーマとして「パロディウス音頭」が追加され、EDはこのボーカル版が流れるものに差し替わっており、しかしここもACファンの賛否が分かれるところ。本作にはボイスも導入されていて、AC版ステージ7における艶めかしいセクシーボイスはワールドワイドで有名に!(ただし、FC版ではステージ自体がカット)――これ、日本国内においてはバラエティー番組などでよく耳にする「OH~」や「わーぉ」のお色気エフェクトとして、本作からの発信となっているそうだ。
ポップなデザインの作品ゆえに、難易度も軽く見られがちだが、これがなかなかシビアなものとなっていて、歴戦の猛者達もこのゲームの鉄則を知らなければ苦戦する仕上がりだった。――というのも、AC版にはゲーム中に難易度のバランスを調整するシステムが組み込まれていたから。これは装備に応じて難易度ランクがアップするもので、とくにスピード・シールド・ベルパワーの影響が大きく、パワーアップを意図的に抑えるのが攻略のカギとなっていた。そのため、オートで全パワーアップを装備してしまう自動モードは逆に初心者殺しにもなってしまう結果に。この点、FC版では最初に難易度選択が追加されている。パロディウスは本家グラディウスに負けないほどいろんな機種に移植されているが、何気に完全移植と呼べるものは現在までに存在していない。ハード性能的に完全移植を超えるようなものもあるかもしれないが、この点ちょっと意外に思ったり。
ストーリー
西暦1990年、20世紀もあとわずかと押し迫った頃。全世界の人々は夢を失いつつあった。
役人たちは私腹をこやすことを至福とし、マザコンだった子供たちはパソコンを愛するようになり、女性社員はセクハラの恨み晴らすめェ、と立ち上がり、若者たちは人類滅亡の危機を感じながらも、ゲームセンターに通っていた。
これらの諸悪の根源は…?なんと語るもおぞましや、お下げ頭にゴーファーの顔をした大ダコだったのだ!
さてその頃、宿敵バグとの死闘を終えたMr.パロディウスことタコは、有給休暇をとって田舎でのんびりと野良仕事に精を出していた。建売りタコツボの我が家に帰り、宇宙新聞を見た彼は、驚きのあまりマナ板から転げ落ちそうになった!
そこには、今地球を賑わしている謎の大ダコの顔写真があった。
「とーちゃん!?」
なんとそれは2年前から行方不明となっていた彼の父だったのだ!
そこへ新聞を見た旧知の友たちが駆けつけた。
“ビックバイパー” 第三次G大戦終結後退役し、たいやき屋に転職。58歳。
“ペン太郎” 趣味はエアガンごっこ。ペンギンとペン子の間にできちゃった子。9歳。
“ツインビー” 双子の兄弟の一人。かわいい顔で敵を虐殺する恐い奴。17歳。
これだけ集まれば百人力? ワイワイガヤガヤ、頼りになるやらならぬやら。あとは野となれ山となれ。
事件の真相を探るため、タコは仲間たちと共に再び地球を目指して旅だったのであった!
取扱説明書 <ストーリーだっ!> より
れとげ部!での評価
劣化げ!:
ここが劣化げ!
チラつきと処理落ちが許容しがたい
ファミコン移植版の一般的な評価は「劣化ゲー」だと思われ、「れとげ部!での評価」もそれに概ね準じるカタチ。指摘点は大きく二つ挙げられて「表現規制によるもの」と「容量不足によるもの」になるかと考えてる。表現規制によるものの代表例は前述の通り、「ちちびんたリカ → ミス・ミシタリーナ」への変更だよね。まぁ、これはオリジナルの衝撃が大きかっただけに、その反感も大きくなってしまったな。容量不足によるものの代表例はやはり「チラつきと処理落ち」だろう。正直、これについてはグラIIのFC移植がとてもよくできていただけに私個人としては残念感が否めなかった。ただ、『パロディウスだ!』はゲームとしてはすごく面白くて、ぶっちゃけ本家グラディウスよりも好き。思えば、昔は処理落ちもチラつきも気にしないで、ひたすらゲーム操作に熱中してた。大人になるにつれ音楽やグラフィックにも注目するようになり、そちらに評価のウェイトをより重く置くようになってきてしまったな。子供の頃と大人の頃とで、同じゲームに対してもまったく評価が変わっているような思いがすることもあり、子供の頃にこうした記録を残せていればよかったーなーとか。無理なことながらも考えてみたり。
コメント! (レトゲで一言!)
開発スタッフの息抜きから生まれたお笑いから神話へ。ミス・ミシタリーナを許せるか、チラつきと処理落ちを許せるか、あなた次第。