ドラゴンズレア

ファミコン

基本情報

  • ジャンル:アクション
  • 機種  :ファミリーコンピュータ
  • 発売元 :EPIC・ソニー
  • 発売日 :1991年9月20日

ゲーム概要

  • 待ってました『ドラゴンズレア』(私だけ?)。伝説のクソゲー現る! 本作は元々1983年にリリースされたアメリカ初のアーケード用LD(レーザーディスク)ゲームをファミコンのアクションゲームとしてアレンジしたもの。

  • LDゲームの方の元祖『ドラゴンズレア』は「ゲーム史上初めてアニメーションを本格導入した」ことで知られている。実際に見てもらえばわかるかもだけど、ディズニーの動画監督をしていた方が制作に携わっているそうで、たしかに雰囲気がどことなーくディズニーっぽい気がするね。ちなみに、この元祖LDゲームの方はアメリカで大ヒットして「初期のビデオゲームの傑作」と称えられ『パックマン』などと共にワシントンD.C.のスミソニアン博物館に収蔵されているんだって! すごー、だよね。

  • で、そんな元祖LDゲームの人気に後押しされる形で、本作には数種類のアレンジ作品が存在するんだけど、中でも「伝説のクソゲー」として名高いのが1991年にEPIC・ソニーさんから発売されたファミコン版というわけなのです。

  • LDゲーム版の美しく滑らかなアニメーションにならい、本作もファミコンソフトにしては高品質なグラフィックを実現している。主人公の動きも滑らか。だがしかし! そこにこだわりすぎたためか、肝心要のゲーム内容がドエラいことになっちゃった。
  • それすなわち、トラップ満載の死にゲー。操作性最悪。主人公のサイズが妙にデカく、ゆえに当たり判定もデカい。動作のレスポンスも悪すぎで、まるで攻撃してくださいといわんばかり。いい敵の的。ライフ制のアクションだけど、敵の多くは接触即死という凶悪な仕様もあるよ。これらの要素が相まってなかなか先へ進めずイライラ。ただし、この高難易度については、方向性は違えど元祖LD版にも通じていて「原作を忠実に再現している……」と皮肉交じりに評価されることも。

  • とはいえ、本作発売当時の知名度はそれほど高くなく、国産人気タイトルのプレイに忙しかったファミっ子たちにあまり注目されなかったのは不幸中の幸いか。しかし、近年ではこのクソゲー具合に注目が集まり、そのあまりの難しさがブログや動画で紹介され、多くのゲーマーを震撼させることに。クリアするまで徹底的にやるマニア、超絶テクを誇るフリーク以外は恐らく全クリは絶望的。れとげ部!での評価は文句なしに「無理げ!」。ちなみに私も最初の入城には苦労したよ……(そこは文字通りこの苦難のゲームの入り口に過ぎないのだが……)

ストーリー

モードロック城の奥深くから不愉快な悪臭が立ちのぼり、冷たく湿った真夜中の空気にとけ込んだ。邪悪な魔法使いモードロックが飼う、火吹き竜シンジが姿を現す前兆である。はるか地下深く、暗く恐ろしい洞穴に閉じ込められている王女ダフネを見張っている怪物の腐った息である。

ダークは城門に向かって、しっかりとした足取りで歩いていった。

彼は、恐れなど感じていなかった。恐怖心は臆病者だけのものであり、この国で最も勇気ある男には無縁のものであった。

彼以外のものは誰一人として、モードロックが不幸な王女を幽閉した恐ろしい城に、危険を犯して入ろうとはしなかった。それに、美しい王女ダフネに対する不滅の愛情に勝るほどの情熱の持ち主もいなかったのである。

他の取るべき道はない。今こそ英雄の活躍する時だ。

……そう、今こそ Dragon’s Lair(ドラゴンの巣)に挑む時なのだ。

取扱説明書 <ストーリー> より

れとげ部!での評価

無理げ!

ここが無理げ!

  • 主人公がデカい!
    ――つまり、当たり判定がデカい。『マリオ』や『カービィ』といった他の操作性が良好なゲームと比べてみると、これによって上がる難易度上昇がとてもわかりやすいと思われる。キャラクターのサイズが画面に対して大きい。それだけで、敵の攻撃を回避することが格段に難しくなる。おそらく元祖LD版に準じてグラフィックを緻密に描こうとするあまり、ゲーム性を犠牲にしてしまったのだと分析できる本末転倒。その主人公も緻密に描くほどのカッコよさはなく、唯一死亡時の骸骨が良く描けていることが一抹の救いとなるのだろうか? てか、エンディングのドヤ顔を見るに勇者ダークってブサメンだよね……(変顔であえてそう見せているだけ?)。
  • 操作性が悪い!
    ――動きの滑らかさにこだわったせいで、主人公の動作がワンテンポ遅れ、これも難易度を引き上げている。ナイフ攻撃は敵の攻撃に間に合わない。罠のパターンがわかったところで、移動とジャンプの微調整が鬼難しい。まるで「リズムに合わせて自殺している」ようなシュール感漂ってる。ジャンプモーションも時間がかかる上にぎこちなく、着地を誤ってお亡くなりになる姿はもはやコミカルで笑えてくる。
  • 攻撃すると体力が減る!
    ――うん、わかるよリアル路線なんだよね。人間、ちょっと歩くにもエネルギーが必要だもんね。でもね、ここまで高難易度要素をダメ押しされるとね。もうホント笑えてくる。『スペランカー』にも通じる「最弱主人公」に挙げてもいいんじゃないかな、本作の主人公・勇者ダーク!
  • ノーコンティニュー!
    ――そんな鬼畜難易度の上にコンティニュー機能がない。これは致命的すぎる。少し先へ進めてもトラップで即死を連続してまた最初の橋からと繰り返し。これが延々と続く様はまさに「賽の河原の石積み」を彷彿とさせる無限地獄。
  • 伝説のクソゲー
    ――うん、この一言に本作のすべてが詰まってる。とくに最初の、城に入る前の橋の画面は有名で、ここを守るドラゴンを突破できするのホント一苦労。まだ始まったばかりなのにね。てか、いきなりドラゴンって。『マリオ』で例えるなら、最初のクリボーが出てくるくらいのタイミングだよね、ここ。隙をついた火炎攻撃、さらに落橋というトラップ。説明書にある「攻略のヒント」もまるで役立たず。「ステージ7の解説」もあるけど、とてもそこまでいけません。てか、城にさえ入れません。たしかに城を守る側からしたら、最強のモンスターを門前に配置するという合理的な戦略。でもね、ゲームでそれやられちゃうと、プレイを拒んでいるにも等しいんだよね~。『ドラゴン』と名の付くファミコンゲームの中で、最もドラゴンの存在感が強いゲームともいえるのではないでしょうか。

コメント! (レトゲで一言!)

  1. 管理人 ぶちょー より:

    杭に潰されるとカタツムリになるのは、じつはカタツムリじゃないんだって。杭に潰されて兜と足だけになっている姿がカタツムリにしか見えないんだって。たしかによーく見るとカタツムリじゃないね。

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