ぷよぷよ

ファミコン

基本情報

  • ジャンル:落ち物パズル
  • 機種  :ファミリーコンピュータ
  • 発売元 :徳間書店インターメディア
  • 発売日 :1993年7月23日

ゲーム概要

今や『テトリス』と並ぶ、落ち物パズルの代名詞的有名作『ぷよぷよ』は「対戦型パズルブームのきっかけ」でもあった。初めて世に送り出されたのは「MSX2版とファミコンディスクシステム版(同時発売)」で、一般にはこれを「旧ぷよ」と呼称し、アーケード版以降の「新ぷよ」と区別している。旧ぷよと新ぷよの大きな違いは「CPU対戦の有無」で、これが本作が大ヒットする最大の要因となったことは後で詳しく語るとして――今回取り上げたファミコン版は「ディスクシステム版の再販」にあたるものとなり、2P対戦に一部新ぷよの要素が取り入れられているものの、先に述べたCPU対戦は未搭載。発売年はアーケード以降となるが、「旧ぷよ」に分類される作品となる。

ファミコン版の仕様は概ねMSX2/FDS版に準じるもの。1Pでひたすらぷよを消していく「エンドレスモード(とことんぷよぷよ)」、詰め将棋のように問題を解いていく「ミッションモード(なぞなぞぷよぷよ)」、「2P対戦モード」が搭載されている。ルールは今更語るまでもないけれど、旧ぷよでは「緑・赤・黄・灰色・黄緑・青」の6色があり、新ぷよの5色よりも多少消しづらく、やや爽快感に欠けるかも。とはいえ、連鎖がうまく決まったときの気持ちよさはすでに健在――これにより逆転が容易となっている点は、文句なしに当時のファミコンパズルの中でも群を抜いて爽快だった。

エンドレスモードではアイテムの有無が選べ、ランダムに通ったところを同色に変える「カーバンクル」や縦2列分のぷよを一気に消してくれる「ビックぷよ」も印象深い。それからなんといっても「ヒューマンモード」。これはオプションにて、ぷよを人型に変更できるんだけど、なかなか味があって楽しかったんだよね。

そんなFC版も含まれる旧ぷよは、この時点ですでにほとんど基本システムは完成されており、やっぱり遊べる仕上がりとなってる。確かにグラフィックはしょぼく、ストーリーもキャラボイスもなく(てか、そもそもアルルとかも出てこない――パッケージ詐欺?)、新ぷよに比べたら地味な印象は否めない。しかしながら、旧ぷよがなければ新ぷよはなかったのは言うまでもない事実であり、「神げ!」と評するに疑いの余地はないと、個人的には思ってる。

れとげ部!での評価

神げ!

ここが神げ!

対戦型落ち物ブームの火付け役!

さて、上ではサラッと言ってしまったけど、初めの『ぷよぷよ』は非常に地味なゲームで、注目度は今ほど高くなかった。そもそものMSX2/FDS版が発売されたのは1991年10月25日――その時点で基本的なシステムは完成していたとはいえ、あくまでいくつもある「落ち物の一つ」として、エンドレスモードとミッションモードが主体のゲームだった。2P対戦モードは搭載されていたものの、CPU対戦は未だなく、当時のMSX2をはじめとしたPCゲームは「1人でプレイするもの」との風潮もあり、それが話題に上ることはあまりなかったように記憶している。まぁそんな感じで、本作のデビューは後に大ブレイクを果たすとは考えられないほど地味なものだった。ひょっとしたら、そのまま埋もれてしまっていた恐れも大いにあったのではないかなと、個人的には思ったりしてる。

ところが、92年10月にアーケード版がリリースされるや、そのゲーム性がウケて全国に「ぷよぷよ中毒者」が続出。当時大ヒットしていた『ストII』と共に「対戦型ゲーム」という分野をけん引するほどの作品となったのである。このセガから発売されたアーケード版『ぷよぷよ』は大胆なアレンジが加えられ、なんと「対戦モードに一本化」――たとえ1人用であってもCPUキャラとの対戦が行われるようになった。なぜ、こんな仕様に変更されたのかといえば、本作におけるゲーム性の中核が「連鎖」にあったからだ。つまり、連鎖を活かせないエンドレスモードは思い切って削除したと考えられる。そして、結果的にこの判断が功を奏し、本作はパズルゲームとしては『テトリス』以来の大ヒットとなったのである。

落ち物の連鎖といえば一般的に『コラムス』から採用されたしくみとされているが、この時点ではまだ「偶然に起こるもの」といった域を出ず(ゲームデザイン的に――とくに落下スピードが上がってからは――意図的に連鎖を狙うのが難しかった)、さらに対戦モードがなかったため必ずしも連鎖を組む必要性が薄かった(得点アップといううまみこそあったが)。しかしアーケード版『ぷよぷよ』においては「必ず対戦」、しかも「連鎖によって敵を攻撃する」システムとなっていたため、連鎖が「偶然から人為的なもの」に、さらには必然にまで昇華することとなる。そして、ここに落ち物パズルとしての革命が起きた。それまで漫然と消していくだけのマンネリ感が大きいゲーム性から、いかに早く効率的に連鎖を発生させるかという「積極性や駆け引き」といった新しいゲーム性が生み出されていくことになったのである。

その上、『ぷよぷよ』はリリースの時期にも恵まれていた。先ほど述べた通り、本作稼働時は『ストII』によって多くのプレイヤーに対戦プレイへの「耐性」や「慣れ」といったものができていて、通信対戦台の普及もあって乱入による「対戦をしやすい状況」が出来上がっていた。これはゲーセンのインカムを上げる結果に繋がり、するとゲーセン側は本作を増台するに至って、それがさらなるブームを巻き起こす――まさにゲームの『ぷよぷよ』の如き連鎖によって人気が爆発的に上がっていったのである。

コメント! (レトゲで一言!)

  1. 管理人 ぶちょー より:

    もはや言わずと知れた対戦型落ち物ブームの火付け役。しかし初めのぷよぷよは非常に地味なゲームだった。ブームが爆発したきっかけとは。

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