基本情報
- ジャンル:アクション
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :徳間書店
- 発売日 :1987年8月21日
ゲーム概要
『夢幻戦士ヴァリス』は日本テレネットが制作したアクションゲームで、本作はそのファミコン移植版ね。このゲームはオールドゲーマーの間じゃそれなりに有名なタイトルだと思うんだけど、一般的にはどうかな(マイナーかな?)。当時としてはまだ珍しかった「女の子を主人公としたゲーム!」で「ギャルゲーの始祖!」とかいわれることも。
主人公の「麻生優子」はセーラー服からのビキニアーマーに変身して戦う! ということで、大いに注目が集まりファンクラブまで結成されるほどで、優子のイメージガール「ミス優子」コンテストが開かれるなど、もはやゲームという範疇を超えていた! のちにこのタイトルが「あは~ん♡」なゲーム化されるという事態が発生したときには不買運動が起こるなど、何かと話題に事欠かない「いい話の種げ!」だなぁ、と私は思ってる!
そんな本作FC版『夢幻戦士ヴァリス』はオリジナルのPC版からはややかけ離れた感のあるアレンジ移植。ジャンルはアクションRPGの向きが強く、マルチエンディングが採用されるなど、当時としては斬新な工夫もみられる!
しかし、総合的に見て「難易度は高い」。一言でいうと「迷う!」。マップ構成が複雑で、一応アイテムの地図があるんだけど、わかりにくい! グラフィックの貧弱さもあって同じところをぐるぐる回っているような印象が否めず、そのうちザコにやられて……そっとコントローラーを置いたよっ! それから、なんといっても『ヴァリス』はビジュアルシーンに力を入れたゲームだったんだけど、ファミコン版では全カット! チラッとだけ挿入されるデモや会話じゃ正直何が起きているのかわかんない! なかなか凝ったストーリーやキャラの設定があるだけに残念感は否めない!
――とはいえ、前述したとおり、何かと話題には事欠かないレトロゲームで、こうして語っている分にはとっても楽しい! 確かファミコン版のプロモーションアニメの監督をかの『エヴァンゲリオンシリーズ』を制作した庵野秀明さんが担当していて、これがアニメーション初監督作品となるんだって! そんなこんな「れとげ部!での評価」は「ギャルげ!」。「無理げ!」でもいい気がするんだけど、やっぱり「ギャルげ!」の話を中心にした方が私的には面白い! 「オトコという生き物の不思議」を感じたエピソードを下に書いておくことにする!
ストーリー
いくつも重なりあうように存在する多重次元――。我々が住むこの現実世界は、その次元の1つなのだ。これまで、全次元が影響しあわず、独立した世界を維持してこれたのは、エネルギー体である“ヴァリス”の力があったからだ。ヴァリスは“ファンタズム・ジュエリー”という貴石に宿り、全次元に力を供給し、次元の安定を支えてきた。
しかし、急速に拡大しつづける次元に、等しく力を与えるのは容易ではない。ヴァリスは自らの力を増幅し、各次元にエネルギーを分け与えてくれるパワーコントローラーの必要性を感じ、ヴァリスに感応するものを探した。
そして出会ったのが夢幻界ヴァニティの王女“ヴァリア”だった。彼女は素直で、バランス感覚のとれた、平等な精神の持ち主で、まさに、パワーコントローラーとしてふさわしかった。ヴァリスに協力することを約束したヴァリアは、次元のひずみにひそむ邪悪な者たちから身を守る力として、ヴァリスソードという1本の剣をさずけられた。
パワーコントローラーとして、ヴァリアは、時を超え、次元を超え、すべてのものに等しくパワーを送りつづけ、膨張する次元を安定させることができた。その使命はヴァリアにとって誇りだった。
ところがそれも、そう長くはつづかなかった。ヴァリアの能力にも限界があり、突然、肉体的崩壊がはじまったのだ。パワーコントローラーとしての使命こそが全存在であるヴァリアにとって、使命を果たせなくなることは、死よりも受け入れがたい事実だった。彼女の精神は恐慌をきたし、パワーの供給にさえ安定を欠きはじめた。そのために次元にひずみが生じ、そのひずみから、今まで身をひそめていた魔の手がのびてきた!
それは“ヴァリス”を手に入れようとする夢幻魔王“ログレス”だった。ログレスは次々に次元を侵略していき、ついにヴァリアをとらえ、ファンタズム・ジュエリーを発見した。しかし、そのジュエリーを手に取ろうとして、誤って破壊してしまったのだ。
5つに分断されたジュエリーは、ログレスと異次元魔王たちの手に渡り、ヴァリスは宿る器をなくしてしまった。このままパワーの供給が止まれば次元が崩壊する!! ヴァリスは新しいパワーコントローラーを探すために、ヴァリスに感応できるものだけが受けとれる5本の剣を、次元の果てまで放った。その1本が現実世界に届き、なんと、ふつうの女子高生の優子がそれを受けとったのだ。優子ははたして、戦士として戦えるのか……?!
夢幻界を……、ヴァリアを……、優子は救うことができるか……?!
取扱説明書 <次元の崩壊が始まった!!> より
れとげ部!での評価
ギャルげ!:
ここがギャルげ!
オトコという生き物の不思議!?
じつはこの『ヴァリス』というゲームは諸々の事情があって「あは~ん♡」なゲーム化されてしまったんだよね。しかも、これにファンと旧制作陣が猛反発して不買運動まで起こったな。――いや、これね、旧制作陣はわかる。例えるなら「手塩にかけて育てた大切な娘が『あは~ん♡』なビデオに出演する!?」みたいなことだよね。そりゃ、「あは~ん♡」な女優さんも一つの職業として尊重すべきとはいえ、父親としては複雑なきもちは禁じえないよね。しかし、ファンはどうなんだろ? ――いやさ、言い分はわかるんだよ。「これまで清純派で売ってきた優子ちゃんが脱ぐ!?」。さながら、推しの清純派アイドルが「あは~ん♡」なビデオ転向しちゃったよ、みたいな。でもさ、ぶっちゃけファンは「あは~ん♡」な対象として妄想の中で優子ちゃんのお世話にならなかったのか。もしなっていたなら、「あは~ん♡」なゲーム化の動きは歓迎こそすれ、反対する理由はないのではなかろうか。「いやいや、そうじゃないだろ! 俺たちはただ純粋なきもちで優子ちゃんを推していただけで、そりゃあ、そういう『あは~ん♡』なきもちが全くなかったといえば正直嘘になるけど、そうじゃないんだ! そうじゃない! わかるだろ!?』みたいな? あとは旧制作陣の意見に同調した向きもあったのかな。さすがに父親の前で娘さんの「あは~ん♡」なビデオ転向歓迎の意を表明するのは憚られるよね(いや、ひょっそしてこれこそが愛……?)。――っていう、なんか私的にオトコの不思議な生態を感じさせられちゃった動きだったなぁ、これ。
コメント! (レトゲで一言!)
「ギャルゲーの始祖」として知られてる。のちに「あは~ん♡」なゲーム化してる。父親(旧制作陣)としてのきもちを悟る?