天地を喰らう

ファミコン

基本情報

  • ジャンル:RPG
  • 機種  :ファミリーコンピュータ
  • 発売元 :カプコン
  • 発売日 :1989年5月19日

ゲーム概要

『天地を喰らう』は本宮ひろ志さんの漫画で『週刊少年ジャンプ』誌上にて1983年から1984年まで連載された「三国志」を元にした作品ね。正史・演技とは異なる(異なり過ぎる!)オリジナルストーリーで人気だったんだけど、途中で終了してしまったのは残念だったな。理由は定番の「アンケートが低かった」と作者自身が最終巻のあとがきで語っているんだけど、実際のアンケート結果は上位だったそうで、後に自伝にて「『三国志』原作に縛られてやる気が失せたために自ら申し出て連載を辞めた」と明かされたエピソードがあったんだよねー。

そんな漫画『天地を喰らう』をファミコンゲームにしたのが本作で、ジャンルはなんとRPG!? 三国志ゲーといえばSLGが鉄板であり最適解って気がするけど「いやいやRPGもありますよ!」って! 三国志といえば万単位の人間が戦場でぶつかり合い、これを表現するにはやっぱりSLG。RPGは「数人対数匹」の戦いが連続するのが普通で「なんでこれをRPGにしようと思ったんだろ……?」って疑問を禁じを得ないのはきっと私だけじゃないよね?(え、ひょっとして私だけ!?)。その理由は不明だけど(誰か知ってたら教えてください!)結果的に「その無謀とも思える試みは成功を収める!」ことになり、メーカー予想を上回るセールスを記録したってさすがカプコンさんですね!

本作の最大の特徴は「兵士の数をHPに置き換えた」こと。これによって「大多数対大多数」の戦いをRPGのシステムに組み込み、戦争を再現することが可能になったのである! ――「兵士の数をHPにしてるRPG」といえば私の中じゃ『真田十勇士』で、じつはこちらの方が先行してる。ただし「勇士それぞれに最大250人」と最大総兵士数は少なく「日本と中国のスケールの違い」を彷彿するとこなんだなー。『天地を喰らう』では「宿屋に泊まると兵士数が全快する」など普通のRPGのHPとほとんど同じ扱いになっていて「おいおい……」って最初は違和感半端なかったけど、『真田十勇士』の方は「敵部隊を話し合いで説得して補充する」みたいな妙なリアル志向だったよね。これってどっちがいいかは一概にはいえない気もするんだけど、ゲームとしては『天地を喰らう』の方がやっぱ楽でいいかも。さらに、武将の武力・知力は固定で「兵士数の多寡で攻撃力が変化する」ため、やっぱりこれが最重要のパラメーターだったな!

「敵の武将を仲間にできる」システムも「脇役になりがちな武将にも活躍の機会が与えられる」なかなかニクい演出だったけど、レベルアップするのは劉備軍の一部の武将だけとなっているため、結局「五虎将が揃うまでのつなぎ」程度の存在感しか示せなかったのは惜しかったよね。魔法が「策略」となっているのも面白いところで「SPって『策略ポイント』だったのね!?」ってちょっと発見した気になったなぁ。

ゲームの流れとしては、初め義勇軍として立ち上がった劉備が、董卓や袁術といった敵を討ち、勢力を拡大していく。――という「漫画よりも小説の方の原作に近い」カタチとなっており「漫画キャラを使った三国志」として楽しむのもいいんだけども、ラストの辺りは要注意で「最終的に魏の曹丕と司馬懿を倒し、中華統一を果たす!」という、史実とはまったく異なる破天荒(――しかし、漫画はもっと破天荒なのである意味原作準拠?)。もしもこのゲームで三国志のストーリーを覚えた人がいたら、もう一度「三国志」にふれ直してみた方がいいかも(ただし、その際の作品の選定には吟味が必要かも)。――そんな本作だけど、本ブログでの評価は「神げ!」。SLGが当たり前の「三国志」を独創的なシステムでRPGとして再現したのは正直すごいなと思ってる。テンポもよく、単純にゲームとしても面白い。ひょっとしたらこれで三国志を知ったファミっ子もいるのではないかな? ヒット作になったのも納得のゲームだと私は思っているよ!

ストーリー

激しい戦火の中、三人の男が立ち上がった。

時は後漢(昔の中国の王朝)、今から約1800年ほども昔、建寧元年のことです。力の弱まった後漢王朝の打倒をめざして、張角を中心に髪を黄色い巾でたばねた「黄巾賊」が各地で内乱を起こしました。

人々は不安と恐怖の中、「いつか誰かがこの乱れた世の中を立て直してくれるにちがいない」。そう願いながら毎日を送っていました…。

こういう時代を背景に、この乱れた世の中を救おうと三人の男達がたち上がりました。

一人は前漢景帝の血をひく劉備玄徳、そして劉備の国を想う心にひかれ義兄弟の契りを交わしたいずれ劣らぬ猛将関羽雲長と張飛翼徳。三人は正義の心に燃え、平和の世を取り戻すために立ち上がり、同じ志を持つ武将を仲間に加えながら「黄巾賊」に戦いを挑みます。激しい戦闘の末、ついに劉備軍は張角を討ちとりますが、これで乱世が終わったわけではなかったのです。これから先、劉備軍にどんな戦いが待ちうけているのでしょう。それはあなたがその目で確かめて下さい。

「生まれし月日はことなれど、願わくば同年同月同日に死することを望まん!」

これを桃園の誓いといいます。

取扱説明書 <「天地を喰らう」ストーリー> より

れとげ部!での評価

神げ!

ここが神げ!

多数対多数の戦いをRPGで再現!

HPを兵士数に置き換えたシステムは斬新というしかないよね。ちなみに「強力な策略で敵を一掃するのは確かに爽快だ。しかし一度の策略で何千何万という人間の命がなくなり、命の尊さを考えさせられる」という意見もあるんだって。斬新というしかないよね!

コメント! (レトゲで一言!)

  1. 管理人 ぶちょー より:

    三国志ゲー? SLG? いいえ、多数対多数の戦いをRPGで再現した意欲作。策略一つで何千何万と失われる人の命の尊さよ。

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