シャドウブレイン

ファミコン

基本情報

  • ジャンル:RPG
  • 機種  :ファミリーコンピュータ
  • 発売元 :ポニーキャニオン
  • 発売日 :1991年3月21日

ゲーム概要

いきなりなんだけど『シャドウブレイン』はマイナーなゲームながらも「隠れた名作」として、知る人には評価されているよ。その理由は「近未来を的確に予想している!」ってこと。本作は今言った通り「近未来世界を舞台としたSF-RPG」で、現在のビデオチャットやオンラインショッピングなどが登場してる。当時はまだ一部でのみパソコン通信や電子掲示板、チャットなどが利用されていたくらいの時代だからね。インターネットがまだ普及していなかった時代に「インターネットが当たり前」になる時代を予見していた、その先見性はたしかにすごいと私も思うな!

しかも、発売元がポニーキャニオン(!?)さんだからね。こう言うとアレだけど「ん?」って首を傾げたくなるファミっ子がいても不思議じゃない。というのも、当時はファミコンブームに乗っかって出版社やレコード会社が数多く参戦。結果、ノウハウがほとんどないまま低品質の作品を乱発する事態が発生。いわゆるクソゲーを世に多く生み出すことに。しかも、こういったメーカーは「広告分野には優れていた!」から質が悪かったな。テレビCMや雑誌広告を見て買った多くのファミっ子たちが絶望を味わうことになったのである!

うん、話が逸れたので軌道修正して、本作『シャドウブレイン』はデジタルネットワークが発達した架空の近未来世界が舞台となっている。まだ携帯電話もほとんど普及していなかった時代に、未来のネットワーク社会を想像して作られた作品である。主人公は100年前の世界から時空移動によってやってきた少年で、時空移動装置を開発後に行方不明となった父と、そのきっかけになった謎の少女を捜すことになる。だが、そこは人間・サイボーグ・ロボットによって勢力争いが行われ、さらにはミュータントがはびこる混沌とした世界だったのだ!

ゲームは日本のプレイヤーには敬遠されがちな「2Dマップのないフル3DダンジョンRPG」ながらも、オートマッピング機能搭載で意地悪なトラップなどもなく、難易度はそれほど高くない。言い換えるなら「システムは割と平凡」なものの、本作のウリはやっぱりその「独自の世界観」であるといえるよね。そして、さらにこれが本作最大の特徴だと思うんだけど「ゲームにイメージビデオが同梱されていた!?」という事実。このビデオの方にゲームの前段となるストーリーや世界観、登場するキャラクターの紹介などがあって、ゲーム内ではそれらの説明が一切ないため、正直ビデオを見ないと内容がほぼわかんない! このビデオは今では入手困難そう、仮に入手できても再生機器がないよね~。それこそインターネットでいろいろ調べてから始めないと、楽しみが半減しそうな!(――とはいえ、だからこそ今やることでその真価をフルに体感できるレトロゲームではあるのかも)。本作は2090年を想定して作られているけれど、実際にはそれよりも圧倒的に早いスピードでネットワーク社会が形成された事実なんかもいろいろと考えさせられるしね。現在のインターネットを駆使して、比較しながらプレイするととっても楽しそうだよね!

ストーリー

西暦1990年、天才的な電子工学博士でありながら進みすぎた研究によって異端視され、孤立した中で研究に打ち込むルドガーを父に持ち、自身もコンピュータープログラミングに非凡な才能を発揮する少年ジュンは、独学で自分のパソコンの中に人工知能プログラムを作り上げ、ルドガーの助言によってさらなる改良を重ねていた。日に日にジュンをも驚かせる成長を見せていた人工知能だったが、ある日を境に独自に通信回路を使ってパソコンの中から忽然と姿を消してしまった。

それから数日後、ジュンのパソコンの通信回路を使って突如として見知らぬ少女が映し出され、何かを訴えかけていた。当初、ジュンは彼女の行為を理解できなかったものの、その夜同じ少女がルドガーの研究室のコンピューターにも現れ、ルドガーに対して重要なメッセージを残して消えていった。このメッセージをきっかけに、ルドガーが生涯を捧げた「物質を電気信号に変換して時空を移動する」研究はついに完成を迎え、その実験体として自らの体を使って時空の移動を敢行した。異変に気付いたジュンはルドガーの研究室に走り、コンピューターに記録されていたルドガーのメッセージに残された謎の少女の姿を再び目にして、自身も父の後を追う決意を固めて装置に乗り込み時空の移動を実行した。

ジュンとルドガーが時空を越えた先は、自分たちが存在していた100年後の未来である西暦2090年。この50年前、西暦2040年に地球規模で発生した大災害「大地殻変動」によって壊滅的な打撃を受けた人類は、大地の隆起によって孤立した電脳都市「レムリア」を中心として幾つかの都市文明を復興させ、再びその栄華を極めんとしていた。しかし、16の街と区域で構成された複合都市の側面を持つ「レムリア」は人間とロボット、サイボーグが互いに縄張りを作って日々抗争を繰り広げており、さらにバイオテクノロジーによって生み出されたミュータントが脱走して市中を徘徊しているという混沌とした現実が渦巻く世界でもあった。

この頃、「レムリア」ではデジタルネットワークを利用した「電子トリップゲーム」が流行していたが、これはデジタルネットワークを介して送信される電気信号をプレイヤーの大脳に直接送り込み、より高度な疑似体験を通じてゲームを楽しむというものであったため、爆発的な人気に比例して深刻な中毒患者を生み出すという非常に危険な代物でもあった。

一方、意識を取り戻したジュンはスリープカプセルに入れられており、そこで再びルドガーからのメッセージを受け取った。

JUNヘ

ワタシハ テキニ オワレテイルノデ ココカラ ハナレ ミヲ カクスコトニ シタ.

コノ オテツダイ ロボット 「HAL」 ヨリ V.D.S.ヲ ウケトレ.

ソシテ イッコクモ ハヤク ワタシニ アイニキテクレ……

少女の正体と目的に興味を持ち、ルドガーの身を案じたジュンは、ルドガーのメッセージに従ってV.D.S.をHALから受け取り、ハーモニータウンの一角に位置するルドガーの仮の研究所を後にする。

れとげ部!での評価

隠神げ!

ここが隠神げ!

ネットワーク社会を予見してる!

この点は一般的にも評価が高い。実際にはゲームの舞台となる2090年を待たずしてこれほどインターネットが普及したけれど、ビデオチャットやネットショッピングを当たり前のものとして利用する社会を描いているのはホントすごいことだよね!(それとも当時パソコンを使っている人たちにとっては割と当たり前の予見だったんだろうか……、気になるところ)

コメント! (レトゲで一言!)

  1. 管理人 ぶちょー より:

    まだ一部でのみパソコン通信が利用されていた時代にネット社会を予見していた良作。ちなみにテーマ曲の作詞・作曲は「THE ALFEE」が手掛けている(よく見るとパッケージ脇にちょこっと写っているね)

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