基本情報
- ジャンル:RPG
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :学習研究社
- 発売日 :1990年7月31日
ゲーム概要
『マイト・アンド・マジック』は『ウィザードリィ』から続く「3DダンジョンRPG」の正当進化形とも表せるゲームで、シリーズ化もされ全世界で多くのファンを獲得してる。「Wiz」「ウルティマ」と並んで「世界3大RPG」の一つに数えられることもあるんだけど、日本ではややマイナーな印象は否めないよね。もともと日本では「3DダンジョンRPGは敬遠される傾向が強い」。されど「Wiz」は日本でも根強い人気を誇っている。――この違いはなんだろう? 一つには「FC移植の成否」の差があったんじゃないかなって私は考えているんだけど、どう思う?
本作でまず言えるのは「クッソむずい!」ってことなんだな。とくに序盤のゲームバランスがかなり厳しく、レベル1から2へ上げるにも相当数の戦闘が必要になってくる。しかも低レベル帯では「物理攻撃がほとんど敵に当たらない!」など戦闘の難易度も高く、セーブ&戦闘を何度も繰り返さねば。一説では「安心して外を旅するにはレベル8必要」とされていて、このレベル8に至るのにコツを掴んだ人で1週間、RPGに不慣れだともっと時間がかかり、この苦行にゲームを途中で投げ出すファミっ子は後を絶たなかったといわれているよ。実際、オリジナルであるPC版のパケ裏には「クリアまで何百時間もかかるゲームだから覚悟しろ!」みたいに書かれていたらしいんだけど――うん、ファミコンのメインユーザーは小学生だったからね。移植に際し、もっとゲームバランスを調整すべきだったよね。基本的に洋ゲーをFC移植するときって「難易度を低く」調整してる。「Wiz」のファミコン移植とかその辺すごく遊びやすくなっている。本作はそこを失敗している感あるある。……まぁ発売元を見るに「学習研究社」ってなってるから「しょーがないかぁ」って思うところはあるんだけど、――てか学研!? ――って、私は今更ながらに驚いてしまったんだけど、じつは学研ってゲームとかアニメとかに昔から力を入れていた会社だったのね、知りませんでした。
もう一つ言っておきたいのは「目的が不明瞭」ってこと。本作はいきなり広い世界に放り出され、どこへ行って何をすればいいのか……、わかんない! このゲームの最大の特徴の一つとして「小クエスト並立制」ってのがあるんだけど、これは各地に大小いろんなクエストがあって、その中で主要なクエストをクリアしていくことにより物語が進行していく、まぁ現在ではオンラインゲーなんかでよくあるタイプ。この手のゲームは「自由度の高さ」がウリになっていて、プレイヤーが任意にクエストをこなし、回り道しながらも、目的に徐々に近づいていく――というのは楽しい反面、目的自体を見失いがちになる。本作においては、その辺りの説明も何もないため、ここで投げ出すファミっ子も多かったんじゃないかなぁ。実際、当時は「目的がはっきりしている」「ドラクエ」「FF」が日本では広く受け入れられていた。「日本人がRPGに求める要素をうまく取り入れられなかった」のが、本作が「Wiz」に比してファミっ子たちに受け入れられなかった要因だと私は思っているよ。
――とはいえ「じゃあこのゲームはつまらないのか?」と聞かれると「う~ん」と唸らざるを得ない。クエスト系やレベル上げが好きなプレイヤーはいるし、本作は3DのRPGには珍しく「ダンジョンや街の外も3D」になっていて作り込みは半端ない。FC移植での変更点でも「グラフィック強化」「AUTO戦闘」などの良アレンジも散見される。なので「神げ!・駄げ!」の評価には迷うところがあるんだけど、しかし間違いなく言えるのは「無理げ!」であるということ。ちなみに発売当時のクリア率は「販売数に対してわずか3%」だったんだとか。私も「当時クリアした!」って人にはいまだ出会ったことがないんだけれど、どう?
ストーリー
ここはバーンと呼ばれる世界。偉大なる魔術師コーラックは、様々な街や洞窟、辺境にまで足を伸ばし、その調査の記録を各地に残していた。彼はいったい何を追い求めていたのか……。
6人の冒険者がいる。オークやゾンビ、ユニコーンやドラゴンといった生物が徘徊するこの地で、彼らはコーラックの足跡を追って旅を進めることになる――。
れとげ部!での評価
無理げ!:
ここが無理げ!
クリアまで何百時間もかかる!?
ただし、極めれば1時間足らずでクリアできるんだって!?
コメント! (レトゲで一言!)
クリアまで何百時間もかかる。世界3大RPGの1つと呼ばれることもある。けれど日本ではややマイナーか。Wizとの違いは何だったのか?