基本情報
- ジャンル:アクション
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :アスミック
- 発売日 :1990年7月20日
ゲーム概要
はい出ました『獣王記』! このゲームはセガさんがリリースしたアーケードアクションのファミコン移植で、正直ゲーム性はイマイチなんだけど不思議な人気を誇ってる! その証拠に多くのハードに移植され、現在でもDL配信などプレイ環境が整ってる!
本作はサイドビューの強制横スクロールアクションで、異形の敵たちはかなり不気味なデザインなんだけど、FC版は主人公も含め全体的にキャラがしょぼ……小さく、その辺ちょっとわかりにくい。特定の敵を倒した際に出現する「スピリットボール」を取れば主人公がマッチョになってゆき、3個集めると獣人に変身する! この「獣人への変身!」が本作最大の見せ場となっており、弱かった主人公が一気にパワーアップを果たす! 獣人には狼・竜・熊・虎がいて、FC版ではさらにライオン・サメ・フェニックスといった獣が追加されていてここはイイ感じ。それぞれの変身は一つのステージに対応しているため、アーケード版では全5ステージだったのがFC版ではこれも追加されておりボリューム不足を補うカタチに。ただし、AC版だと獣人への変身時にカットインが挿入され、炎の中獣化するシーンがすごく印象的だったんだけど、ファミコン版ではカットされている。おそらくマシンスペックの制限による処置だとは思われるんだけど、しかし発売当時の1990年といえばもうファミコン後期に入ったあたりだよね? 『忍者龍剣伝』などに代表されるテクモシアターを思えば、技術的にはもう少しどうにかできたような気もしなくもないんだけど、いやいやそれができるメーカーさんがやっぱり凄かったのかなぁ……。
ここまで読んでくれた方はもうお気づきかとは思うけど、FC版『獣王記』はぶっちゃけ劣化ゲーである! ただし、ファミコンのみならず家庭用ゲーム機へのアーケードゲームの劣化移植は当時としては当たり前で、現代の家庭用ハードの凄さを実感させられるところ。本作も劣化は劣化なんだけど、それを扱き下ろすほど悪いアレンジ移植になっている、とは私は考えていない。てか、冒頭でも述べたように、本作はAC版の時点で「操作性にやや難がある」ゲームだった。主人公は獣人になるまではホント遅いし弱いし。変身前の戦いは苦行といっても過言じゃなかったな(ただし、FC版ではここは若干改善されているというか単調になっているというか、う~ん……)。しかし、それが逆に変身後の強さを際立たせることになり、大きな爽快感を生んでいる! 獣人へと変身した主人公はそれまでの弱さが嘘であったかのごとく、強力な攻撃が可能となり簡単にザコを蹴散らしていく快・感! それまでのストレスが一気に解消され、そこに本作の魅力が集約されているのは間違いなく、たぶんこれが不思議な人気の正体なのではなかろーか! 本タイトルは海外でも『Altered Beast』の名で数多く移植されており、機種によってはあっちの方が売れていたとか。確かに、ウェアウルフとか獣人を題材にしたフィクションって、日本のものよりも海外ドラマとか映画の印象が強く残っているかも。本作も、不思議な魅力を持つゲームであるのは間違いないって思ってる!
ストーリー
まだ天も地も混沌としていた頃、人間と獣の力を持ち、その精神力により獣戦士へと変化する獣人族という種族がいた。しかし、地上を制し、神になることを望んだために主神ゼウスの怒りに触れて石碑に閉じ込められてしまった。その後千年以上もの平和な歳月が流れ、神々に戦いを忘れさせていた。ある日、地底界が正体不明の怪物に侵略され、主神ゼウスの娘・女神アテナが地底界の神ハデスの助けとなり、軍を率いて戦いに臨んだが、地底の魔神に捕らえられてしまった。ゼウスは他の神々たちと話し合い、この世で最も獰猛で勇敢だった獣人族を蘇えらせようと決意した。ゼウスの神殿近くにあった石碑を稲妻が砕き、中からひとりの男が現われた。「行け、獣戦士よ!行って我が娘アテナを助け出すのだ!」風が、甦えった男に神の声を運んできた。戦いが始まろうとしていた。
取扱説明書 <STORY> より
れとげ部!での評価
不思議げ?:
ここが不思議げ?
ゲーム性イマイチ……なのに不思議な人気の正体とは?
変身前の苦行があればこそ、変身後のカタルシス!
コメント! (レトゲで一言!)
ゲーム性はイマイチだが不思議な人気を持つタイトル。その正体とは?