ドラゴンスピリット 新たなる伝説

基本情報

• ジャンル：シューティング
• 機種　　：ファミリーコンピュータ
• 発売元　：ナムコ
• 発売日　：1989年4月14日

ゲーム概要

『ドラゴンスピリット 新たなる伝説』は「自機がドラゴンとなる異色STG」として知られ、「ロマンシングシューティング」の別名をも持つアーケードゲーム『ドラゴンスピリット』がオリジナル。そして、このファミコン移植版はさらに異色の内容となっていて、「新たなる伝説」のサブタイトルが示す通り「ストーリー的には続編」にあたる作品なんだな！

ゲーム性にほとんど変化はないものの、「続編」というストーリー的に大きなアレンジを加えた移植は、なかなか珍しいのではなかろーか。その象徴となっているのが「追加されたステージ0」の存在だ。ゲームスタートと同時に始まるこの非常に短いステージは、オリジナルの主人公たるアムルがブルードラゴンに変身してラスボス・ザウエルと戦った回想シーンとなっている。

この勝敗が「ブルードラゴン編（ノーマルモード）」「ゴールドドラゴン編（イージーモード）」の「モード選択」的位置付けとなっており、イージーモードであるゴールドドラゴン編は「本編のアナザーストーリー」が展開される凝った作りに（ただし、このアナザーストーリーは「本編とはまるで別物のおちゃらけた内容」となっているため、オリジナルのファンからは「世界観を著しく損なうもの」として不評も出ていたって話。しかし、当時ゲーセンに気軽に立ち入ることができなかったファミっ子たちにとっては楽しい仕掛けだったんじゃないかな――って、私は考えている）。ブルードラゴン編もオリジナル主人公の子供が主役となる続編ではあるものの、アーケードでは見えなかった物語がより重視された仕上がりはなかなかの好アレンジだった気がしてる（エンディングの「スカートめくり」についてはやはりオリジナルファンから賛否の声が上がっているのだが……）

さて、肝心のゲーム内容はいわゆる「ゼビウスタイプ」の「対空・対地撃ち分け式・縦スクロールシューティング」。地上物の卵を破壊することでアイテムが出現し、赤い卵にはショットのパワーアップができる赤玉が、青い卵には自機・ブルードラゴンの首を増やす青玉が収められている。時折登場する白点滅の敵を倒した場合にも特定のアイテムやエクステンドに必要なアイテムが出現、中にはパワーダウンしてしまうものもあるため注意が必要だったな。FC版には新たに「スモールオプション」「パワーボム」といったアイテムも追加されている。

ドラゴンの首はその数の分だけ攻撃力が増すものの、同時に当たり判定が広がってしまう諸刃の剣で、AC版においては「2本首でのプレイがベスト！」とされていたんだけど、FC版ではこの辺り若干緩和されている印象を受けたな。スモールオプションは当たり判定のないスモールドラゴンが左右に追加され「広範囲に攻撃できる」「攻撃を受けると1本首に戻ってしまう」ところが、3本首の「ピンポイント攻撃」「攻撃を受けると2本首に戻る」と差別化できていて、なかなか良いアレンジだったと私は思っているよ。パワーアップアイテムは「ダメージを受けるまで継続する」「一時的に効果を発揮する」ものとに分かれていて、「ライフ制＋残機制」ではあるもののダメージ時のペナルティは「パワーダウン・首1本の消失・アイテム効果消失」とかなり大きなものになっていた。

シューティングゲームで自機がドラゴン――その戦う姿はやはり勇ましく、オリジナルAC版もすぐに人気に火が付いた思ひ出。FC版はグラフィック面でこそ大きく劣るものの、STGとしての完成度はAC版にかなり近いカタチでそれなりに完成度が高く、全9ステージそれぞれが非常に個性的かつ攻略しがいも充分だったな。おだやかな風景の中を進んでいくエリア1、しかしエリア2に入った途端状況は一変して赤々と燃えるマグマの中を、時折火山から噴き出す溶岩を避けながらのプレイに。ステージ3では樹木が鬱蒼と生い茂る密林を、所々せり出す棘の間を抜けながら進んでいく――といった感じで、風景やトラップが刻一刻と変化していき飽きさせないステージ構成となっている。

自機の当たり判定が他のSTGに比べて大きいため、難易度はやや高めの印象ながらも、先述の通りFC版ではこの点緩和されている気がしてる。初級・中級程度の腕前でも「何度でも挑戦してやろう！」という気にさせてくれるゲームバランスがちょうどいい。また、ちょっとしたテクニックが試される場面がステージ毎にいくつかあるため、上級者も楽しめる仕上がりなんじゃないかな？　AC版のエンディングでは1978年の『ジービー』から始まる「ナムコゲームの歴史」が一覧で表示される粋な計らい――を覚えているシューターは結構いるかも？　ただ、そうしたゲームクリアの感動があっただけに、FC版のエンディングで「スカートめくり」ができる裏技があったのは受け入れがたい人も多かったんだろーな。そんなこんな本作『ドラゴンスピリット 新たなる伝説』の「れとげ部！での評価」は「異色げ！」。一般的にはAC版をどれだけ楽しんだかによって評価が分かれる作品となっているよ。

ストーリー

ザウエルの恐怖は既に遠い過去の物となった。アムルとアリーシャは祝福のうちに結ばれ、２人の間に生まれた双子、レイスとイリスも健やかに育ち、今やミッドガルド王国は平和に満ちあふれているかのように見えた。しかし……

滅びたはずの魔獣たちは、邪神ガルダを新たな支配者として迎え、闇の世界の復興を企てていたのだ。そして、魔の手はついにミッドガルドに及んだ。ガルダは闇の儀式のいけにえにせんと、イリスを奪い去ったのである。

アムルが病に伏しているいま、聖剣をになうのは息子のレイスしかいない。太陽神アーリアの力を授かり、再びブルードラゴンが天に舞う！

新たなるドラゴン伝説の始まりであった……

れとげ部！での評価

異色げ！：

ここが異色げ！

秘技……

スカートめくり！！！