基本情報
- ジャンル:シミュレーションRPG
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :バンプレスト
- 発売日 :1991年12月29日
ゲーム概要
- おお、『第2次スーパーロボット大戦』とな!? まさかファミコンで「スパロボ」が出ていたとは! 浅学ながら私は知らなかったよ!
- そんなわけで今回は『第2次スーパーロボット大戦』ですね。SD化した人気ロボットアニメのキャラクターが一堂に会する、いわゆるクロスオーバー作品。その走りともいえる「スーパーロボット大戦」シリーズ。
- じつは本作は「第2次」が示す通り、シリーズ2作目にあたる作品。第1作目はゲームボーイ用ソフトとして発売された。これは同じくバンダイグループから生まれた、「仮面ライダーなどの特撮モノ+ロボットアニメ」を擬人化した『コンパチヒーロー』シリーズの派生的位置づけだった。なので本作こそ、独自の発展を遂げて現在も続く長寿シリーズの「実質的な元祖」といえそうなんだよね。
- もはや「スパロボ」といえば今や押しも押されぬメジャータイトル。しかし、いきなりそんなブームが訪れたわけじゃあなかったな。本作が発売された1991年12月29日といえばすでにスーファミが登場(1990年11月21日)して1年が過ぎており、ファミコンは最盛期を過ぎて下降線を辿っていた。しかも年末商戦には厳しい年の瀬ぎりぎりのこのタイミング。ROM価格の高騰もあって、定価は8200円とお高め。こうした影響もあってか、セールスは出荷約18万本に対して売上約10万本という残念な結果に……。
- 思えば、参戦作品も当時タイムリーだったのは「機動戦士ガンダムF91」のみ。しかも劇場でしか放映されていなかったという。ただでさえ、当時日本でさえもまだまだマニアックだったSRPGというジャンル。プラスお茶の間をにぎわせる旬のアニメキャラが出てこない。――そうなってくると、バンダイさんのメインターゲットだった小学生が食いつくかといえば、……言わずもがなだったね。
- そんなこんな本作はセールス不振で、当時は少数に支持される程度に留まり、次回作移行のシリーズ打ち切りも本気で検討されるほどの苦境に立たされたっていう話。現代のスパロボ人気を思えば信じられないようなこの話。けれど、本作が世に送り出された功績は決して小さくはなかったな。「地味で小難しい」印象の強かったSLGというジャンルに、アニメキャラを前面に押し出すことで「親しみやすさ」を与え間口を広げた事実。この点、ゲーム史を語る上で決して無視できない。シリーズが続いてくれて本当によかったよね!
- さて肝心のゲーム内容だけど。世界の8割を制圧したDC(ディバイン・クルセイダーズ)にゲリラ活動で対抗するスパロボチームってストーリー設定。クロスオーバー作品っていかにして違和感なくそれぞれの作品世界を融合させるか難しいと思うんだけど、個人的にスパロボのストーリー展開は結構すんなり受け入れられる。まぁたぶん、ほとんど原作を知らないがゆえのこととは思うんだけど。
- 難易度的には結構高い。敵方であるDCの戦力規模は圧倒的かつ強大で。序盤から厳しい戦いの連続。しかも「敵の数が有限」という縛りがある。それすなわち「経験値が有限」ってこと。本作ではゲームオーバー時にも経験値は蓄積されないため、十分レベルを上げてからの強敵に挑む作戦が使えない。このプレイスタイルが好きな人にはとっても辛いところだね。これに付随して「育成キャラの選択」が非常に重要になってくる。スパロボといえば「説得」によって寝返り、途中加入してくれる味方キャラの存在。割と使えるユニットであることも多いんだけど、加入したときと同様いきなりいなくなる場合が少なくない。そして二度と戻らないことも……。そうなると、そう経験値! これも戻ってこないのが痛すぎる! つまりは、できるだけレギュラーキャラを選んで育成しなきゃダメってこと。ただし、敵とのレベル差によって得られる経験値が少なくなる縛りもあるから、どのキャラでどの敵を倒すか。そこんとこも慎重に考えて進めていかなきゃならない。
- 現代のスパロボは快適なシステムとややヌルめの難易度、人気アニメキャラ前面推しの、必殺技・演出アニメーションなど、誰でも楽しみやすいゲームになってる。しかし昔は、システムもグラフィックも難易度も、まだまだ厳しかった。されど、確かな可能性は感じさせてくれたな。よくぞ打ち切らずに続けてくれたって、個人的にはそこんところホント敬意を表したい。FFと並んで毎回最新作の進化が楽しみなゲームなんだよね、スパロボって。
ストーリー
狂気の天才科学者ビアン・ゾルダークが設計した地球防衛用の巨大ロボット「ヴァルシオン」を持つ秘密結社『ディバイン・クルセイダーズ(D.C)』は、せまりくる外宇宙からの侵略に対抗するため、武力による世界統一を計ろうとしていた。
そして、そのため世界各国のスーパーロボットとそのパイロットをうばって、地球防衛軍を作ろうとしていた。
次々とスーパーロボットがうばわれていったが、抵抗を続けるゲリラ組織もあった。ガンダム、マジンガーZ、ゲッターロボを中心とするグループだ。
はたして捕われているスーパーロボットを救いだし、ゾルダーク博士の歪んだ正義を打ち砕くことはできるのか?!
取扱説明書 <STORY> より
れとげ部!での評価
隠神げ!:
ここが隠神げ!
- まさかファミコンからあったとは!?
――うん、今回は非常に個人的な評価だったな「隠神げ!」。ファミコンでも出ていたとは恥ずかしながら知らなかったよ。スパロボといえば今や文句なしのビッグタイトルだからなー。……とはいえ、言い訳させてもらうなら当時のスパロボは決してメジャーなタイトルではなかったんだ。一部マニア向けの作品だった。そもそもSRPG自体が今でも海外じゃJRPGとかいわれるほどのガラパゴス。ファミコン時代ならなおさら。当時はまだネットもなくて、大半が放送終了している参戦作品について知るすべやなし。それこそマニアでもない限り、原作を知らないファミっ子の方が多かったのではなかろーか。逆に今じゃ「スパロボで出てたから知ってる!」って、原作を知らなくともスパロボで知っているこの感じ。私のロボットアニメの知識はほぼほぼスパロボによると言って決して過言ではないこの感じ!
コメント! (レトゲで一言!)
スパロボオリジナルといえば『魔装機神サイバスター』もじつは本作から。今やおなじみの『聖戦士ダンバイン』が参戦できなくなったため代役として起用されたって裏話がある。しかしこのために『魔装機神』を作ったわけじゃなくて、その企画自体は以前からあったんだってー。