基本情報
- ジャンル:3Dシューティング
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :アスミック
- 発売日 :1989年11月24日
ゲーム概要
『コズミックイプシロン』はアスミック発売の疑似3Dシューティングゲーム。当時『スペースハリアー』がゲーム業界に与えた影響とは思いのほか大きく、そのフォロワーとでもいうべきゲームがいろんなハードで発売されていた。本作もそのうちの一つ。「性能の低いファミコンで技術力により高いゲーム性を実現している」と、後世になって再評価されている「隠れた名作」と言えそうな作品。
その技術力とは「滑らかな奥スクロールを再現している」こと。ファミコンの疑似3Dシューティングは床の部分が「市松模様 or 縞模様」になっているものがほとんどで、これは「この手法が最も簡単に奥スクロールを表現できる」からなんだけど、本作はあえてそれを使わずに不規則な形の道路などを滑らかにスクロールさせている。たぶん、当時のファミっ子はこういった技術力には無関心だったと思われ(かく言う私もそうだったんだけど)、この一見するとムダな努力が後世の評価に繋がっているのは素晴らしいことだと、一人のレトロゲーム好きとして考えている。
自機は人間型ロボットとキャノンシップに変形――これはステージクリア時に自動的に行われるもので、プレイ中に任意で選ぶことはできないものの、オープニングの出撃アニメーションなどが作り込まれており、「このカッコいいロボットで戦うんだな!」と子供心によく響く。システム面ではノーマルショットと高威力のタメ撃ち、誘導ミサイルと3種類の武器を装備。このうちミサイルには弾数制限があり、アイテムで補充が可能となっている。これらの武器でステージを進み、最後に登場するボスを倒してステージクリアとなるのは他の3D-STGにも見られるところ。残機制のため、1度の被弾でミスとなる。
本作は、立体視ができる「ファミコン3Dシステム」の、数少ない対応ソフトの一つ。セレクトボタンで切り替えが可能だったけど、まぁ実際に3Dでこのゲームを遊んだ人はどのくらいいたんだろーね、ってな話。この周辺機器は技術力がまだまだ追いついていなかったし、対応ソフトも少なかったため失敗に終わったんだな。任天堂さんといえば、このあとにもバーチャルボーイなどを発売して、3Dへのこだわりには並々ならぬものを感じさせたな。3DSくらいでようやく成功を収めたって感じだけど、そこまでの流れを鑑みるに「3Dシステムも決してムダではなかったんだ!」と言えそう。
――そんなこんな「ムダに思われる技術力も決してムダではなかった!」と感じさせられるような、このレトロゲームは「隠神げ!」だと私は思っているよ。
ストーリー
高度な科学と邪悪な欲望が支配する、巨大帝国イプシロン。その容赦ない侵略の前に、人類は危機を迎えていた。絶え間なく押し寄せる、攻撃の魔手。凶悪な帝国軍の前に、平和な地球は無力だった。かくして地上は彼らの手に落ち、人類は地底深くに身を潜めていたのである。このままでは、人類に未来はない。そのとき、一人の戦士が、敢然と立ち上がった。
コズミック・イプシロン。地底基地からスタートし、まず地上を制圧。さらに宇宙艇で宇宙空母を撃破。都市の惑星、海の惑星などに設置された帝国軍の要塞をすべて落とし、宇宙空間での絶え間ない戦闘に勝ち抜かなければならない。そして最後にキミを待ち受ける、敵の戦闘惑星アーリア。
武器はサイバービットI、IIと自動追尾ミサイル、波動砲、そして場面に応じて人間型ロボットとキャノンシップに変形するサイバープロテクター。キミは無事に最終章までたどりつき、アーリア内部に侵入することができるだろうか…。
取扱説明書 <STORY> より
れとげ部!での評価
隠神げ!:
ここが隠神げ!
無駄の技術力が後世の評価の元となった!
こういったゲームは「性能の低いハードで実現された」ことに意義がある。そのため後世の高性能ハードに移植することに意味はない。よって現在までに移植もDL配信も行われていないのだろうか。――復活を心待ちにしているのは私だけじゃないはずだって信じてる!
コメント! (レトゲで一言!)
床面が市松模様でないところにご注目。ムダな技術力は決してムダではない隠れた名作。確かに難易度は高いけど、それを救済する裏技も豊富だ。
【裏技メモ】
無敵……タイトル画面にて「上、A、右、B、下、A、左、B、上、セレクト」と入力する(成功すると音が鳴る)。
コピーライト表示……タイトル画面にて前述の無敵コマンドを入力したのち「セレクト、上、B、左、A、下、B、右、A、上」(無敵コマンドの逆)を入力。画面下に「©1989 HOME DATA」と表示される。
コンティニュー……ステージ2以降まで進み、「GAME OVER」の表示中に「セレクト+スタート」を同時に押す(得点は0になる)。
ステージセレクト……タイトル画面にて「A、B、右、左、右、左、下、下、上、上」と入力する。画面下に「STAGE SELECT」と表示され、上下で初期ステージを変更できる。
裏ステージ……タイトル画面にて「上、下、左、右、A、下、上、左、右、B」と入力する。画面下に「ANOTHER WORLD!」と表示され、画面の色が変化。
コナミじゃない……タイトルの曲が鳴っている間に「上、上、下、下、左、右、左、右、B、A」(コナミコマンド)を入力すると、画面下に「I AM NOT KONANI」と表示される。