基本情報
- ジャンル:パズル
- 機種 :ファミリーコンピュータ ディスクシステム
- 発売元 :任天堂
- 発売日 :1990年6月5日
ゲーム概要
『ナイトムーブ』は1990年6月5日に任天堂より発売されたファミコンディスクシステム・パズルゲーム。あの『テトリス』の生みの親であるアレクセイ・パジトノフ氏が贈り出したシンプルパズル――しかして。開発者の知名度に反し、本作は「あまりにも地味すぎたために知名度は低い」と言わざるを得ない。ファミコン発売以降の任天堂リリースタイトルはほとんどが有名作となっているくらい「失敗知らず」な印象が強い。だがやっぱり、中には人知れずに消えていったゲームもあり、本作がまさにそれ。面白いかどうかは別の話として、商業的には失敗した作品といえよう。
本作の開発者・アレクセイ・パジトノフ氏は『テトリス』以降も、『ハットリス』『Faces』などパズルゲームを数多く発表しているが、あまりヒット作には恵まれていない。内容はシンプルでそれだけに奥が深く、やってみればハマる面白さがあるんだけど、やっぱり全体的に地味だった。本作がリリースされた時期もスーファミの発売(1990年11月21日)を目前に控えており、ファミコンもグラフィックやストーリーを重視したRPGやアドベンチャーが揃ってきていた時代――地味なゲームはいくら中身がよくても注目を集めることはできなかった。
さて、前置きがちょっと長くなってしまったけれど、ゲーム性の話に移ろう。操作は十字キーのみで行う。自キャラはチェスのナイトの形をしており、4×8マスのフィールド上を動かしていき、ハートを取ればステージクリア。その動きはまさにチェスのナイトと同じ「8方向への桂馬飛び」で、さらに「動きは止めることが出来ない」という2つのルールしかないシンプルさ――後者が少し分かりにくいかもしれないけど、自キャラのナイトはぴょんぴょんと自動的にジャンプを繰り返し続け、この滞空時間内にプレイヤーは十字キーで着地先を選択する。
さらに自機が着地するたび着地点の白いパネルの色が「薄青 → 濃青 → 黒」と変わっていく。黒いパネルは「穴」が開いた状態を表していて、次にここに着地するとミスとなってしまう。しかしながら、この「穴を開ける」際に最も得点が多く入るしくみで、しかも連続して穴を開ければ点数もどんどん上がっていく。そのため本作は「なるべくステージクリアをしないように、いかに得点を稼げるか」がゲームの醍醐味となっている。ゲームモードは「Aタイプ」「Bタイプ」の2種類あり、BGMは3種類から選択できる――ムダを一切排除したゲームである。「Bタイプ」では基本的なルールは上記の通りで、「自キャラが6回移動するごとにハートの場所が移動する」ランダム性が強い仕様になっており、ハートを3回取ればステージクリアだ。他に2P対戦プレイも用意されている。
れとげ部!での評価
隠神げ!:
ここが隠神げ!
シンプルイズベスト
まさにこの一言を体現したゲーム。ノートにマスを書いて消しゴムなどをコマにして普通にできちゃう「○×ゲーム」みたいな感じ。――これを考え付いたのは素直にすごい。手動の手間を自動化できている点は「すごろくやTRPGのコンピューターゲーム化」にも似ていて、高く評価できそう。ただ時代的には遅かった印象は拭えず。ひたすら高得点を目指すストイック。こういうゲーム好きな人はいるだろうけど、かなり人を選びそう。そしてやっぱり他に比べて地味すぎたのが敗因だったのは間違いない(しかし地味地味言い過ぎたな)。良いゲームなんだけどな!(フォローになってない?)
コメント! (レトゲで一言!)
テトリスの開発者が贈るシンプルパズル。ノートと鉛筆があれば出来そうなこの感じ。良いゲームなんだが地味すぎてマイナー化――隠れた名作といえそうな。