基本情報
- ジャンル:アドベンチャー
- 機種 :ファミリーコンピュータ ディスクシステム
- 発売元 :任天堂
- 発売日 :1989年5月23日(前編)/1989年6月30日(後編)
ゲーム概要
本作は「PARTII」とあるように、前作『ファミコン探偵倶楽部 消えた後継者』の続編として発売されたな。原作は同じく坂本賀勇氏が務め、前後編のディスク2枚組など、前作を踏襲するカタチをとっている。後にSFCのニンテンドーパワー用書き換えソフトとしてリメイクされて、こちらはグラフィックが大幅に向上しており、性格診断やあゆみちゃんとのラブラブチェックといったおまけ要素も追加されていた。その後、3DSでディスクシステム版、WiiUでSFC版のDL配信が行われ、2021年にはSwitchにてフルリメイクされるなど――ファミコンの名を冠するタイトルとしては驚くほど息が長い作品となっている。その理由は偏に「面白いから!」――このゲームの恐怖体験や衝撃のどんでん返しは、今でもアドベンチャーゲームの最高峰に挙げる人もいるほどなんだな!
ストーリーは前作の3年前に起きた出来事が描かれており、前作で名前しか出てこなかった探偵・空木俊介との出会い、主人公が探偵助手となった経緯が明かされる。ヒロインのあゆみももちろん登場――時系列とストーリーの都合上、今作では主人公が依頼を受けた事件の被害者が通う学校の生徒役となっており、親友を殺害されたことから捜査に協力する(事件に対する思いからか、今回は積極的な行動が目立つ)。本作には殺人事件の解決だけでなく、学校に伝わる怪談も関係しており、その両面から真相を探っていくサスペンス型ADVとなっている。これは坂本氏が影響を受けた映画『サスペリアPART2』(1975年)をオマージュにしているのだと後に語っている。またこのゲームには「未成年の非合法な飲酒・喫煙シーン」が含まれているため、CERO設立以降の2004年に発売されたGBAへの移植では「任天堂初の対象年齢ソフト」として扱われたことでも知られているよ。
アドベンチャーゲームの肝となるのはやっぱりシナリオで、このゲームはそれが大変素晴らしい印象を持つよ。さらにそのリアリティ描写や恐怖表現がファミコンのレトロなサウンドやグラフィックと絶妙にマッチしており、「丑美津高校のモデルとなる学校が本当に実在しているのではないか?」「逆に最新のハードではこれを再現できないのではないか?」と思わされるくらいの奇跡的な出来栄えとなっている。そして怖さもさることながら、「感動した、泣けたゲーム」に本作を挙げるレトロゲーマーもいるほどで――とにかく当時プレイした多くの人の心に残っているタイトルだ。前述の通り、現在でもプレイ環境が充実しているため、ぜひ「うしろに立つ少女」の真実を目撃してほしい!
ストーリー
ある高校を舞台に、怪奇な出来事が…。
今から三年前の4月、少年はふとしたきっかけから、私立探偵空木俊介と出合い、彼の助手となり探偵としての道をあゆみ始めることになった。この少年こそ、後に「消えた後継者」の事件を解決することとなる、有能な少年探偵、そう「あなた」なのです。
この物語りは「あなた」が空木探偵と知り合ってまもない1986年の秋に起きた恐しい奇怪な出来事である……。
ある日の朝、空木探偵事務所に事件の幕開けを告げる電話のベルが鳴り響いた。
その警察からの電話で、あなたと空木が駆けつけた川原には、セーラー服姿の死体が静かに横たわっていた。
彼女の名は小島洋子。
私立丑美津高校に通っていたこの少女は、どうやら、何者かに殺されてしまったらしい。 なぜ、彼女はその命を奪われてしまったのだろう……。
小島洋子は友人と二人で「探偵倶楽部」というサークル活動をしていた。このクラブは自分達の身近で起きた不思議な出来事等を調査し、互いに報告し合うという少々風変わりなクラブだった。もう一人のメンバーは洋子と同じ丑美津高校の女生徒、橘あゆみという少女であった。彼女の話によって洋子が、なにかを調べていたらしいということが判った。
洋子は一体何を調べていたのだろう? そしてそれは、彼女が殺されたことになにか関係があるのだろうか?
洋子の通っていた丑美津高校では、「うしろの少女」と言う幽霊の噂話が古くから語り継がれている。
その「うしろの少女」の噂とは……。
「学校に一人でいる時、後から自分を呼ぶ声がする。振り返ってみるとそこに、血に染まった少女の幽霊がぼんやりと立っている……」と、いった話だった。
小島洋子が調査していたのは、この、どこの学校にもあるような怪談話だった。
洋子は殺される数日前から、突然「うしろの少女」のことを熱心に調べ始めたという。
まるで何かに導かれるように……。
数々の謎と共に今尚丑美津高校を彷徨い歩く、血染の亡霊「うしろの少女」。
小島洋子は「うしろの少女」の噂に隠された「何か」を知ってしまったのかもしれない。
けっして知ってはいけない何かを……。
取扱説明書 <ファミコン探偵倶楽部PARTII うしろに立つ少女ストーリー> より
れとげ部!での評価
神げ!:
ここが神げ!
ファミコンだからこそ怖い!!!
ゲームって基本的には最新のグラフィック・サウンドのものがイイんだけれど、たまにホントに奇跡的といえるほど「昔のゲームだからこその面白さ!」を体現しているレトロゲームがあって、本作もそんなタイトルの一つだと私は思っているよ。
コメント! (レトゲで一言!)
ファミコンだからこそのリアリティや恐怖表現が見事。