基本情報
- ジャンル:シューティング
- 機種 :ファミリーコンピュータ ディスクシステム
- 発売元 :コナミ
- 発売日 :1988年11月18日
ゲーム概要
これはなー、シューティングの中でも割と珍しい部類のゲームなのではなかろうか『ジャイラス』。「トンネル・シューティング」とか呼ばれている「奥行きのある円形フィールド」の疑似3Dシューティングなんだけど知ってるかな? このジャンルはATARIさんの『テンペスト』が有名で、恐らくそこから影響を受けたんだろーな作品。本作のゲームデザインを担当した岡本吉起さんは、この後すぐカプコンさんに移籍して『ファイナルファイト』や『ストリートファイターII』などを手掛けたことで知られている。岡本さんはコナミ時代にもう一つ『タイムパイロット』という「360°方向転換可能」なアーケードシューティングを開発していて、「なんか回転にこだわりがあったのかなぁ……」って個人的にはすごく気になるところである。あと『タイムパイロット』の開発秘話がとっても面白くて、なんと上司が企画したゲームを作るふりをしながら、自分の作りたいゲームを作り、後戻りできない段階になって事後報告したそうな!? しかもそれが大ヒットしたために、上司も何も言えなくなってしまったという――なんかとっても天才っぽいエピソードなんだよね!
――うん、のっけから盛大に話が逸れたけど、本作のフィールドは先述の通り「円形で奥へと伸びる形」、自機はその周囲を円を描くように360°移動できる。奥と手前はキャラの大きさを変える遠近法で再現されていて、敵が手前に来るほど弾を当てやすくなるけどその分こちらも当たるリスクが高くなる。本作はもはや言うまでもなくアーケードゲームのFC移植で、アーケードの操作性は1レバー1ボタンだったんだけど、これによって自機の操作にややクセがあったな。『テンペスト』がパドルコントローラー(円形のつまみを回して自機を動かす)により自由に回転できたのに比べて、レバー移動の本作は多少ぎこちない操作になってしまっていたんだ。そして、本作の元ネタになったであろうゲームとしてもう一つ『ギャラガ』の存在が挙げられる。フィールドの形状こそ大きく異なっているものの、飛来した敵機が上空に巨大な編隊を作るところはやっぱり影響を受けているんじゃなかろーか?(『ギャラガ』は他にも多くの同ジャンルゲームに影響を与えている節が見られ、ホントに偉大なシューティングゲームだよね!)
ファミコン版『ジャイラス』はディスクシステムにて、アーケード版から5年後というかなり長い時を経た移植なんだけど、単調になりがちだったオリジナルに「敵の種類を増やす」「ボス戦を追加する」などアレンジを加え、劣化移植が当たり前の時代に「優れた移植」を実現している! ――珍しいパターンとなっている。アーケード版よりもファミコン版を高く評価する声も大きく、いくら5年の歳月を経ているとはいえ、FC移植でこういった現象を起こすのは他ではなかなか類を見ない凄いこと。回転の印象があまりに強くて「回げ!」とか言っちゃったけど、「神げ!」と評しても決して過言ではない秀逸なシューティングゲームだと私は思っているよ!
ストーリー
時は26世紀。人類は地球連邦政府の政策により、太陽系全域に軍事基地建設を急速に進めていた。
人々は休みなく労働にかり出され、四六時中、軍の役人に監視される日々が続いた。
そして2545年、連邦政府の指導者ドメスが太陽系全域に太陽系外への侵略命令を発令した。
この時を期に人類は戦慄の中へと突入した。
時を同じくして太陽系の彼方では、10年前反政府軍の指導者となり父ドメスの命を狙い太陽系追放の刑を言い渡されたルドルフが、10年の刑を終え再び父ドメスに立ち向かうため宇宙防衛軍ジャイラスを形成していた。
はたしてルドルフは、ドメスにより波乱の道を歩もうとする太陽系を救う事ができるのか…
ゲーム内 <オープニング> より
れとげ部!での評価
回げ!:
ここが回げ!
ぐるぐる回ってる回ってる回ってる
シューティングゲームとは自機が回転するものである。
コメント! (レトゲで一言!)
ぐるぐる回ってる回ってる回ってる――シューティングゲームとは自機が回転するものである。回転好き(?)な岡本さんの天才的epが面白い。