基本情報
- ジャンル:スポーツ(野球)
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :バップ
- 発売日 :1988年7月30日
ゲーム概要
- バップから1988年7月に発売された野球ゲームね。当時人気絶頂だった巨人軍のウォーレン・クロマティ選手がイメージキャラっていう、知ってるかな?
- 最大のウリは「プロ野球12球団面白認定ゲーム」であること。日本野球機構に許可をもらってファミコンで初めて「12球団、全選手を実名で登録させた」この成果は素直にすばらしかったって思うの。バップが日テレのグループ会社であったために実現したらしい(当時の野球ゲームはプロ野球をモチーフにした偽名全盛時代だったからね。まあ、あれはあれで味があってよかったんだけどね)。オープンしたての東京ドームが登場したことも話題になったな。
- ゲーム内容は「1P」「2P」「WATCH」っていうね。「ペナント」がないけど、まあ友達と遊ぶならなくてもよかったかな。それよりも「同チーム対戦ができる」ことがアツかった。他のファミコン野球ゲームではあんまりなかったんじゃないかな、これ。やっぱ友達になるってことは共通のものを好きになるわけで、ごひいきのチームも割とかぶったり。当時の巨人人気は今とは比較にならないくらい凄かったっていうのもあるんだけどさ。
- あとスコアボードの表示も「日本人選手はひらがな」「外国人選手はカタカナ」とか、見やすさにもこだわってた。
- うん、ここまで悪いとこないよね。むしろいい。しかし、いよいよここからが駄げ。世間的にはクソゲーっていうポイントを述べさせていただきます。
- まあ簡単に言っちゃうと「選手名とかのリアルにはこだわったけどゲームシステムに失敗した」って感じかな。いや、この煩雑なゲームシステムもリアルを追求した結果なのかもしれないけれど。野球ゲームってさ、まあほとんどオートでやってくれる感じじゃない、操作って。でも、このゲームは投球も守備もいくつも何回もボタンを押さなきゃいけなかった。変化球するのに十字キーを連打しなきゃならなかったり。あとフライとか補給もAボタン押さなきゃいけなかったり。それがとにかく難しくってすぐやる気なくなったな。
- ただね、キャッチコピーがめちゃよかった。
くろまてがクロマティになる
- とか、めちゃキャッチ―じゃない? いやまあファミスタやってなきゃわかんないかもだけど、当時みんなファミスタやってたし。糸井重里さんが考えたらしいんだけど、素晴らしいキャッチコピーだと思ったな。ただ、このコピーが発表される直前にクロマティ選手はデッドボールを受けて欠場となり、以降シーズン終了まで試合には出場しなかったっていう、タイミングは最悪だったみたいね。
これは、野球ゲーム史に残る問題作だ。
- 「うん、ある意味その通りになった」っていうね、ファミっ子ならみんなこの皮肉を言いたくなるあるある。
れとげ部!での評価
駄げ!:
ここが駄げ!
- スーパーリアルを追求した結果……
――実在するプロ野球球団や選手名を使用するという「リアルさ」にこだわったが、肝心のゲームシステムで失敗してしまった、ある意味悲劇のゲーム。ゲームシステムも決しておろそかにしたわけじゃなくて、リアルさを追求した結果リアルに煩雑になってしまったんだろうなって、開発の努力は感じられるところに哀愁を覚えるのは、きっと私だけではないはずだと信じたい。
コメント! (レトゲで一言!)
ちなみに「阪急ブレーブス(現・オリックス・バファローズ)」と「南海ホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)」が実名で登場する唯一の野球ゲームなんだって。それから『燃えろ!!プロ野球』(ジャレコ)とは違ってシリーズ化には至らなかったね。