ロイヤルブラッド

ファミコン

基本情報

  • ジャンル:シミュレーション
  • 機種  :ファミリーコンピュータ
  • 発売元 :光栄
  • 発売日 :1991年8月29日

ゲーム概要

  • 『ロイヤルブラッド』は、光栄さんが脱歴史ものを図って開発したと思しき、初心者を意識したファンタジーSLG作品である!

  • 光栄さんといえば歴史SLGか(あるいは「あは~ん」なゲームか)でおなじみだよね! 本作が発売された1991年当時、光栄さんはやっぱり歴史SLG分野では圧倒的なシェアを誇っていた。そしてPCゲームから家庭用ハードへ、その勢力を伸ばし続けていた。うん、確かに家庭用ハードにおいても歴史SLGの分野は光栄さんの一人勝ち状態だった。しかし、そこで留まらないのが光栄さんの凄いとこ。それ以上の売り上げを目指すには、今一つ変革が必要である!

  • そこで、はい出ました『ロイヤルブラッド』。ファンタジー世界を舞台にお得意の国盗りSLGで仕立ててみました。当時、家庭用ハードのヒットゲームといえばファンタジーRPGが主流だったのは、もはや言うまでもない事実である。然るに、そこに着目するのは当然の流れである。さらに本作は先述の通り、「新たなプレイヤー層を取り込むこと」も大きな目的としている。そこでSLG初心者にも配慮したシステムとなっているのである!

  • さて、本作の内容ですが。まずはストーリー的な。舞台は架空の大陸であるイシュメリア。国王の横暴に対し反乱を起こした貴族たちの戦いがテーマとなっている。タイトルの「ロイヤルブラッド」とは「王家に伝わる王冠」のことであり、これにはドラゴンが封印されている。そして、この王冠には7個の宝石がついていて、うち6つにはドラゴンを封印するため、6人の魔術師の魂がそれぞれ宿っているのである。国王が暴虐の限りを極めし時、王冠の宝石は野に解き放たれ貴族たちの手に渡る。そこから「ドラゴンを擁する巨大な王国勢力 VS 宝石魔術師の助力を得た貴族の戦い」ってアツい展開。ゲームの目的は「全勢力を打倒して大陸を統一する」というおなじみのところに帰結する。

  • システム的にはオーソドックスなターン制を採用。内政で国力をアップさせ、戦争で領土を増やす王道的な。そして、初心者への配慮のため「パラメーターは簡略化」されており、内政は「開墾度・防災度・統治度」の3種類、武将の能力も「知力・武力・魅力」の3種類に集約されている。また国の数も全30と控えめに。戦闘マップは小さめで単純なもの。ただし、兵士以外にも第5部隊として宝石魔術師やドラゴンが参戦できたり、この第5部隊は兵力が少ないうちは一騎当千の活躍をする。また、大陸にはオーガやワイバーンなどのモンスターが住み着いており、それらと契約することでやはり第5部隊として運用が可能。このように戦闘面においては一工夫が見られる。――しかし、初心者に配慮するがゆえに、上級者からは「ゲーム性が単調になりがち」との指摘も。そもそものコンセプトが「初心者向け」なので仕方がない面が大きいとはいえ、難易度設定があればいくらかこの不満を解消できたかもしれないけれど、まぁそこまではファミコンゲームに求めすぎって気がしないでもない今日この頃なんだな。

  • ちなみに、初代から8年後の1999年に続編である『ロイヤルブラッドII ~ディナール王国年代記~』が発売されているが、同作はシステムもストーリーも前作とは全く別物となっており、タイトル以外はほとんど続編とはいえない出来に。ただし、内容的には当時光栄さんが力を入れていた箱庭内政が採用され、ダンジョン探索などRPG的な要素も取り入れられ、これもまたそれまでの光栄SLGとは一味違ったゲームに仕上がっていた。……だがしかし、前作から8年のブランクは大きかった。ゆえに『2』が注目されることはほとんどなく、順当にマイナーゲーム化。以降、他ハードに移植されることもなく、「ロイヤルブラッド」シリーズはここに幕を下ろすことになったのである。
  • そんな『ロイヤルブラッド』の「れとげ部!での評価」は「隠神げ?」。私の周りじゃあんまり知られていないけど。SLGは割とコアなゲーマーが多いから初心者向けはあまり評判がよろしくないけど。私は好きだな!

ストーリー

ロイヤルブラッド ~王冠の秘密~

はるか遠い昔――。イシュメリアは、自然に恵まれ、妖精と人間とモンスターが平和に暮らす島国でした。しかし、あるとき、邪悪な魔法使いザミエルが現れ、ドラゴンを魔術で呼び寄せると、その炎ですべてを焼き尽くそうとしたのです。イシュメリアの神は、水竜パスハをつかわしました。パスハは、6人の魔術師たちと力をあわせてついにザミエルを倒します。そして、ドラゴンを6人の魔術師とともに王の冠に封印しました。

7つの宝石がちりばめられたこの王冠は、ロイヤルブラッドと呼ばれ、王の命でのみ、その力を発揮しました。歴代の王はその力によってイシュメリアを正しく統治したのです。

平和は、しかし、永遠には続きません。時の王エセルレッドが、王冠の巨大な力を使って、家臣の財産や美しい娘たちを奪い、叛逆者を処刑し、欲望のおもむくまま悪逆のかぎりを尽くしたのです。

王冠を放ってはおけぬ――見かねたイシュメリアの神は、父の暴政に心を痛める王女アヴェールのもとを訪れました。苦しみにあえぐ民の声に美しい王女の胸ははりさけ、枕が涙で濡れぬ夜はありませんでした。王が留守の明晩、王冠を盗みだして宝石を外しなさい、と神は命じました。「赤い宝石はそのまま冠ごと持っていなさい。あとでわたしが処分してしまうから……」

翌夜、王の寝室に忍び込んだアヴェールは、1つ、2つと王冠の宝石を外していきました。外れた宝石は窓から飛び出し、闇の中に消えてゆきます。そして最後に赤い宝石だけが残ったとき……。「何をしている、アヴェール!」振り返ると、そこには父エセルレッドが、恐ろしい顔をして立っていたのです。アヴェールは城の高い塔に閉じこめられてしまいました。

一方、6つの宝石たちは魔術師の姿にかえり、イシュメリア各地の貴族6人を訪れ、ある神託を告げました――自分たち宝石魔術師を王冠をひとつにまとめ、この島を制覇する者こそ、新しい王となり、とらわれの王女を救うことができる、と。

こうして6人の貴族が、王冠をめざして立ち上がったのです。

取扱説明書 <ロイヤルブラッド伝説> より

れとげ部!での評価

隠神げ?

ここが隠神げ?

  • コツを掴めば……
    ――たちまちヌルゲーと化す。例えば、作物と金の相場が「安い・普通・高い」の3種類しか存在せず、安いときに買って高いときに売ればあっという間に国庫一杯、からの大部隊雇いーの労せず領土増やし―の。うん、開墾の意味が薄くなるっていう。他にも、一度使った宝石魔術師は3ヶ月間使用不可って仕様を利用して、兵士1で攻め込んですぐに退却、再び攻め込み敵が魔術師を使えないところを叩く、とか。まぁ、もともと難易度の低さは指摘されていたんだけどね。でも、これはファミコンユーザー(初心者)向けに配慮した調整なのでしょーがない。これらテクニックを縛れば普通に楽しめるわけだし。「隠神げ?」といってもいいんじゃないでしょうか。……うん、それでも簡略化されたパラメーターなど上級者には物足りないってわかってる。けど、当時SLGの間口を広げるためのタイトルとしては断然アリなのではなかろーか!

コメント! (レトゲで一言!)

  1. 管理人 ぶちょー より:

    選べるシナリオは4つ。

    シナリオ1:エランとレッドワルト
    シナリオ2:フェリアス家の危機
    シナリオ3:ティリアンの戦い
    シナリオ4:ロイヤルブラッド

    私はこのくらいシンプルなシステムの方が気楽に楽しめて好きかも。

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