北斗の拳3 新世紀創造 凄拳列伝

ファミコン

基本情報

  • ジャンル:RPG
  • 機種  :ファミリーコンピュータ
  • 発売元 :東映動画
  • 発売日 :1989年10月19日

ゲーム概要

『北斗の拳3 新世紀創造 凄拳列伝』は1989年10月19日に東映動画より発売のファミコン・ロールプレイングゲーム――ファミコン『北斗の拳』第3弾はなんとRPGでの登場だった! 前2作までがアクションゲームだったので、戸惑ったファミっ子もいたかも? とはいえ、『ドラクエ』が想像以上に大ヒットし、『少年ジャンプ』もその後押しをしていただけに「ジャンプ読者ならば『北斗の拳』のRPG化も快く受け入れてくれちゃうだろう!」――そんな思惑を感じずにはいられなかったのは私だけ?(ぶっちゃけ当時のRPGブームに乗っかっちゃったな!)。そんなわけで、本作はアイテム名やコマンド、さらにはお店の人のメッセージなど非常に『ドラクエ』に近いテイストになっているのは、この頃の多くの便乗RPG同様となっている。

ストーリーは原作の冒頭からカイオウ戦までをなぞるように進行していくが、「原作との相違点」は多く、気になる人は気になるところ――とはいえ、ファミコンゲームではよくあることなので気にしてはいけないところ! ジャンルがRPGになったことで、フィールド上のケンシロウのグラフィックがこじんまりとしてしまったのは、前2作をプレイしたファミっ子ならば、まず残念に感じたことだろう。とくにパーティに加入する子供時代のリンやバットは豆粒みたいになってしまっている。――しかしながら戦闘シーンではパーティメンバーと敵キャラが大きく描かれ、ここは「ファミコンながらに原作の良さをしっかりと出している!」と評価できる。また、攻撃時に「あたたたた」のリズムで鳴る効果音は、北斗ファンには嬉しい演出だ。――以上は、RPGであっても『北斗の拳』らしさを再現しようとした意欲が感じられる評価ポイントである。

――しかしここから本作の問題点を指摘していかねばならない。まずは「原作無視(だいたい合ってない)!?」の数々。例えば「1999年、世界は核の炎に包まれた!! ――のっけから違う!?」「しかもリュウケン生きてる!?」「ゲーム開始当初のケンシロウの攻撃力はナイフを装備したバットより低い!?」「リンが初対面で普通に喋るんですけど!?」「レイの一人称が『私』『俺』とコロコロ変わる!?」「おれのなはあべし。となりにいるむすこは ひでぶっていうんだ。――断末魔の扱いが明らかにおかしい!?」などなど。これらはほんの一例にすぎず、あげつらっていけばもう本当にキリがない。とはいえ、これらは「ファミコンの容量の都合上……」というお決まりの理由付けが可能。しかしながらシステム面については、同時期の他の良RPGと比較するに擁護が難しい点がいくつも挙げられる。例としては「ダンジョンをはじめとするフィールドがムダに冗長的で移動が苦痛(マップ制作が杜撰)」「エンカウントのバランスの悪さ」「フィールド画面のグラフィックが稚拙」「やたら多い誤字」などなど。――攻略には非常に根気が必要となる。(この後、シリーズは『5』までRPGが続くのだがその評判は……「北斗ゲーはクッ……」と聞くだけに、今からプレイする日が楽しみだ)

ストーリー

天空につらなる七つの星……
すなわち北斗七星のもと、
二千年の永きに渡り栄々と受け継がれてきた、恐るべき暗殺拳があった。
その名も「北斗神拳」!
北斗現れるところ、乱あり。
世紀末救世主伝説の壮絶な戦いが、
いま始まった……。

取扱説明書 <ものがたり> より

れとげ部!での評価

北斗げ!

ここが北斗げ!

北斗ファンに悪い人はいない。

うん、私もこれは「クソゲー」だって思う。戦闘時のキャラグラと全体的なBGMは良いのだが、それ以外がダメすぎる。もはや語り尽くされている感があるので、ここでは多くを語らないけど主に「原作無視」「ゲームバランスの悪さ」「誤字の多さに代表される作り込みの甘さ」を指摘したい。しかしながら、それにもかかわらず、私が見た本作のネット上での評判は「好意的なものがほとんど」。これはFC北斗過去2作にもだいたい同じ印象を持っていて、北斗ファンの懐の深さを感じさせられたな。とくにファンなら「原作無視」には(ファンだからこそ)大きな怒りを覚えるのも無理からぬことと察せられる。ところが、本作については「北斗の拳の複雑なストーリーをファミコンで再現するのは不可能。原作を読んで心の中で補完すればよい」的な意見さえある(開発側はむしろこの反応すら織り込んでいたのだろうか? 「原作読んでない奴はプレイすんな!」的な? 「それでもどうせ買うんやろ?」的な? 強気かっ!? ――前々作が原作人気だけで150万本も売れてしまった「伝説のクソゲー」と評されることもあるだけに、そう空想せずにはいられないんだよね……)。そんなこんな私は本作に触れて、表題のような感想を抱くに至ったのであった(だってクソゲーという哀しみを背負ってなお、それを愛することができるのだから……)

コメント! (レトゲで一言!)

  1. 管理人 ぶちょー より:

    北斗ファンに悪い人はいない。だってクソゲーという哀しみを背負ってなお、それを愛することができるのだから……。

タイトルとURLをコピーしました