基本情報
- ジャンル:シューティング
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :トンキンハウス
- 発売日 :1990年10月5日
ゲーム概要
『ガンナック』は1990年に、東京書籍のゲームブランドである「トンキンハウス」より発売されたファミコン・オリジナル・シューティングゲーム。開発は『ぷよぷよ』でおなじみの「コンパイル」――だが、オールドシューターには『ザナック』などのSTGの方がよく知られているよね(あの頃は家庭用ハードにコンパイル系シューティングが蔓延していたからなぁ)。発売年がファミコン後期に差し掛かり、STGブームもだいぶ下火になっていたこともあってか、このゲームの知名度はあまり高くない。後述するように「コンパイル系にしては変わった要素が多い」が、偏見さえ捨て去ればかなり面白い内容のため「隠れた良作」として一般的にも評価されている。現在までに移植・配信ともになく、発売元はすでにゲーム事業から撤退、開発元も存在しないため、今後の動向にも期待は持てない。そのためか、中古価格もやや高めに設定されている。
本作はコンパイルのゲームにしては変わった外見をしていて、おそらく『パロディウス』に代表されるような「コミカルシューティング」を狙ったものと思われる(ゆえに、人を選ぶ作品ともいえそう)。敵キャラのデザインがクセの強いものとなっており、ステージ毎にテーマのようなものが窺える――例えば「ステージ1の月面ではウサギやニンジン」「ステージ2では携帯コンロやマッチ、タバコといった火がテーマ」となっている。オールドシューターならばタイトルからピンとくるように「ガンヘッド+ザナック」という開発コンセプトを持つ本作は、それら硬派なSTGの雰囲気を受け継いでいるため、コミカルなキャラに違和感を禁じ得ないプレイヤーもいたかもしれないね。
ゲーム性としてはコンパイルお得意の「パワーアップ」がやはり印象的で、数字に対応した5種類のショットをアイテムによってチェンジする。連続して同種のアイテムか、パワーアップ用アイテムを取っていけば、そのショットが強化されていく仕組み。本作においては、他のコンパイル系作品では大抵使いにくい武器であるレーザーがかなり強力となっている(――まぁ強化すれば武器はどれも全体的に強い感はあるが)。また、「お金と買い物によるパワーアップ」も特徴的で、ステージクリア後ショップに行ける。ここで買える「連射力アップ」は1度取得してしまえばゲームオーバーまで効力が続くため、ぜひとも早めに買っておきたい。
さらに本作の特徴として「ボンバーがかなり特殊」である。こちらはアルファベットの描かれたアイテムで取得でき、効果の違う4種類があって、メイン武器と同様に同種のアイテムを連続取得することでパワーアップしていく。このボンバーは20個までストックできるため、出現したアイテムをすべて取得して数で攻めるか、選りすぐってパワーアップしていくか――プレイヤーによって戦略が分かれるところ。ただし、ボンバー使用中はショットの強化が最弱段階に落ちてしまうため(ボンバーの効果が終われば元に戻る)、注意が必要なんだな(併せてその性質上、他STGに見られるような「緊急回避」的使用は難しい)。
ストーリー
東暦2001年、7つの星と人工太陽からなる、平和な金河恒星系……。
しかし、その平和は今、脅かされていた。この年の8月1日から、世界各地の衛星放送用のパラボラアンテナが、何者かに破壊されるという事件が続出したのである。
さらに、各惑星でつくられている生産品に、奇妙なものが混じりはじめるなど、多くの異常現象が起こりはじめていた。
そして、8月3日の午後1時23分、月の星から地の球へ生産品を運搬する、宇宙宅急便シロネコヤマト号が謎の大爆発を起こし、いよいよ事態は深刻なものとなった。
事態を重くみた、地の球代表部総統トンキン大王は対策本部を設置し、地の球防衛隊に調査命令を下したのだが……。
※ストーリーの続きは、ゲームのオープニングデモを見てください。
取扱説明書 より
7つの星と人口太陽からなる、平和な金河恒星系…
しかし今、その平和は脅かされていた。
世界各地の工場のつくりだすものに奇妙なものが混ざりはじめた。
やがてそれらが、人々を襲いはじめたのだ。
いくら調べても、その原因が解らないまま、作られるものが凶悪化し、やがて、工場がそれらによって乗っ取られ、世界は大混乱に陥った。
防衛隊が組織されたが、次々に作られる敵に、まったく歯が立たない。
15回目の会議中、皆、絶望に陥ったとき、この世界で1番の魔導師がふいに現れた。
「この騒ぎを起こしているのは、普通の相手ではない。戦いを好む、邪悪な存在が、我々を超えた力でこの世界を操っているのだ。普通の戦い方では、勝てない」
「しかし、何か方法があるのか?」
「我々とは、違う世界の力を借りるのだ。強力な戦いの力を備えた、別の世界の」
そして、藁にも縋る思いで、呼び出しが行われた。
魔導師によって、戦いの力に溢れた世界との、空間の道が開かれた。
……そのとき!
光と共に力が流れ込み、魔導師に乗り移った。
……というわけで、魔導師は同時に現れた戦闘機に、パイロットとして乗り込み、世界の運命を賭けた戦いに飛び立つことになったのである。
オープニングデモ より
れとげ部!での評価
巫女げ?:
ここが巫女げ?
元祖巫女シューはガンナック!?
……かと思いきや、真の元祖巫女シューは1986年9月18日リリースのアーケードゲーム『奇々怪界』なんだって。まぁ、『ガンナック』は見た目完全に巫女さんだけど、「魔導師」を名乗っているもんね。ところで、「巫女さんとシューティング」って「神社に巫女さん」ばりに相性いいイメージしかないんだけど、しかし先入観なしに考えてみると「なぜシューティングに巫女さん?」って疑問に思う気がしてる。こういうのも刷り込みっていうんだろうか……一度確立してしまうと不思議には思わなくなるイメージの不思議。
コメント! (レトゲで一言!)
隠れた良作といわれるコンパイル系シューティング。見た目完全に巫女だが、魔導師なんだよね。
……「ガーンナッコォ!!!」言いたくなるのは私だけ?