カリーンの剣

ファミコン

基本情報

  • ジャンル:アクションRPG
  • 機種  :ファミリーコンピュータ ディスクシステム
  • 発売元 :DOG
  • 発売日 :1987年10月2日

ゲーム概要

『カリーンの剣』は1987年10月2日にDOGより発売のファミコン・アクションRPG――DOGといえば、かつてスクウェアが中心となって発足したディスクシステムソフト専用ブランド『ディスク・オリジナル・グループ』の略称で、スクウェアも含め当時PCゲームの開発を行っていたメーカー7社の連合体だ。本作はそのうち、「夢幻の心臓シリーズ」などで「パソコンRPGの雄」とも言われていたたクリスタルソフトが開発を担当――同社が開発した唯一のファミコンタイトルとして知られて……いや、てか知ってるコレ?

このゲームは『イース』を思わせるアクションRPGとなっているのだが、その戦闘シーンには独自の工夫が施されている。フィールド上を徘徊する敵に触れると1画面で行われる戦闘へと突入(シンボルエンカウント方式)――ここでポイントとなるのが「戦闘シーンに入るまで敵の数がまったく分からない」ということ。「え、それって普通じゃね?」、思う人もいるかもだけど、本作の戦闘は『イース』同様の体当たりアクションで、一度戦闘画面に入ると「逃げる手段が存在しない」という鬼仕様となっている。そこでもし最大8匹の敵が現われてしまったら……途端にピンチになりかねない! すなわち、「引きが悪ければ周囲を囲まれあっさりやられてしまう」この緊張感が半端ない!

しかし、この鬼仕様を上手くカバーしているのが「このゲーム最大の売り!」とされていた「0.08秒のクイックセーブ」(当時の売り文句)だ。これを敵に触れる前に使っていれば、仮にゲームオーバーになったとしても一瞬で戦闘前に復帰できる。したらば、敵の数が減ることに賭けて再戦するもよし、回避するもよし――「戦闘が難しい? クイックセーブすればいいじゃない!」そんな製作者の声が聞こえてきそうな豪快なバランス調整だが、これが当時他のRPGにはなかった「スピーディなゲーム展開」に繋がっていた。さらに、フィールドのどこで敵に触れたかで「戦闘シーンの地形が変わる」といったギミックも凝らされていた。例えば「森なら障害物となる木がある場所で戦う」ため、「木に身を隠しながら一方的に攻撃を行う」などの戦術性が生まれる――これにより、本作は決して運頼りだけのゲームということにはなっていなかったのである。

ストーリー

これはアリタニアという不思議な世界の物語。

昔、アレクサンドルという青年が戦の神より「カリーンの剣」を受け取り、人間の世界の征服者となりました。しかし、彼を恐れた神々は、「カリーンの剣」を異世界、「レンの世界」に隠し、5つの像(アイドル)によって封じこめてしまったのです。

それから1200年後。

アリタニア城、いや国で一番の勇者のあなたは、ある日、国王様に呼ばれました。

「魔術師グラドリフが姿を消してから、平和だった国を怪物があらしまわっている。よく聞いてくれ、勇者よ。今こそ、伝説の『カリーンの剣』が必要な時じゃ。…そこで、そなたに頼みたい。『カリーンの剣』と魔術師グラドリフを探しだし、彼と共に怪物達を倒して欲しい。アレクサンドルの血を引くそなたなら、きっと探し出せるに違いない。」

あなたは、王様の言葉に深くうなずき、言いました。

「わかりました。私に出来る事でしたら…」

そして、あなたは城を後にすると、怪物達の待つ荒野へと旅立ったのです。

取扱説明書 <カリーンの剣ストーリー> より

れとげ部!での評価

隠神げ!

ここが隠神げ!

再評価される日は来るのだろうか?

前述の通り、本作の戦闘は「多少格上の相手でも、少ない敵数を引く運と、障害物を上手く利用した戦術があれば十分に渡り合える」――奇跡的なバランスとなっていて、まさに「このゲーム最大の売り」と言っても間違っていない。しかしながら、『カリーンの剣』の一般的な評価は芳しくない。というのも、「逆に言えばクイックセーブ以外のセールスポイントは乏しい」「当時のゲームとしては及第点の出来ながらディスクシステム専用ゲームで知名度が低い」など、ぶっちゃけあんまり売れなかったそう。うん、あまりにも売れなかったため「DOGの音頭を取っていたスクウェアの評判を貶めた」とまで言われる始末……。だがしかし、後年になってプレイしたファミっ子たちの評価は決して悪いものばかりではなく、むしろ良い話もチラホラと。とはいえ、現在でも移植・配信などは行われておらず、個人的にはもうちょっと再評価されてもいいんじゃないかなぁと思っているのだけど、どうでしょうね?

コメント! (レトゲで一言!)

  1. 管理人 ぶちょー より:

    クイックセーブが生んだ奇跡の戦闘バランス! 「でも、それだけだよね?」だとかは言わないように。

タイトルとURLをコピーしました