基本情報
- ジャンル:体感型3Dアクション
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :バンダイ
- 発売日 :1987年7月31日
ゲーム概要
『ファミリートレーナー 迷路大作戦』は1987年7月31日にバンダイより発売のファミコン・体感型3Dアクションゲーム――ご存じ(?)「体でするファミコン」ファミリートレーナーシリーズの第5弾にあたる本作は、スポーツ系だった前4作から一転して、ゲーム性がアップしたアトラクション系に!
迷路といえば1980年代、テーマパークのアトラクションとして「巨大立体迷路」がブームになったことがあるんだけど、覚えてるかな?(あるいは知ってる?)
今でもアスレチックと合体したようなカタチで人気を博している巨大立体迷路があったり、近年流行した「リアル型脱出ゲーム」とかも迷路の一種といえそうだけど、1980年代に全国で続々オープンしたアトラクション立体迷路は、1990年代に入ると徐々にその姿を消していったんだな。
その理由がちょっとホラーで「迷路の中で自分の後姿(ドッペルゲンガー?)を見てしまった!」という証言が全国的に続出したからなんだとか……(まぁ、実際には「お客さんが一度で満足してしまう巨大迷路は敷地面積を食う割に採算が合わない」というのが最大の要因だったそうなのだが)
そんな巨大立体迷路をおうちのファミコンで楽しめるようにしたのが『ファミリートレーナー 迷路大作戦』! 専用のマット型コントローラーを使用してプレイするよ。
本作には前4作になかったストーリーもしっかりと! ――主人公の少年が青い帽子をかぶって草原の石碑の前をたまたま通りかかると予言者・オババが現われて、「青い冠をかぶった勇者が迷宮に眠る3000年の太古の秘宝を持ち帰る」と宣い、地下迷宮へ続く穴へと落とされてしまう強引な展開!
ゲームは「全5層28ステージから成る疑似3Dダンジョンをひたすら駆け抜ける!」って意外とボリューミー! 落とし穴などのトラップを、右・左・中央と進路を変えたりジャンプで避けながら進んでいく。モンスターなどの敵キャラも出現するんだけど、主人公は攻撃手段を持たないため、ただひたすら回避するしかない!(後半はなかなか高度なアクションを要求される場面もあって結構しんどい!)――ここら辺は当時のファミ通レビューでも指摘があったとおり、通常コントローラーの方で弾を撃って敵をやっつけられるアクション要素とかあったら、もっと面白かったかも?(攻撃は2Pにまかせて二人協力プレイとか、どーでしょうね! ――マッピングにもう一人必要で、三人協力プレイか?)
28ステージ全ての迷路を踏破して、集めたパスワードを石碑に入力、正解すればエンディングとなる――一応、エンディングパスワード(『THE・BURIED・GLITTERY・PYRAMID!』―埋もれたキラキラのピラミッド!―)の画像を下に載せておくよ!
この通常モードの他、ランダムで選択される迷路を5分間の制限時間内に脱出する「5分間迷路モード」もある。
ストーリー
ようこそ3000年の謎の許へ…
むかし、むかーし、そのまたむかし…とりあえずは3000年ほど昔の話しじゃ。そのころ、この地にトレーナ王という名の偉い王様がおったそーな。ある日王様、気持ちよさそーに、プカプカと昼寝をしておったところが、突然、ガバと跳ね起き「神さんのおつげじゃー!御神託じゃ」と青くなって叫んだという。さっそくにその国の賢者、カロがよばれ、王様といっしょになって何枚かの絵図面が作られた。その日から国民総出で大工事が始まった。もっとも自分たちが何を作っているのか知っている者は、ほとんどがいなかったのが…ともかくおっきなものを作っている、というのがみんなのいっちした意見じゃった。そして10年の月日が流れ、あとすこしで完成という時に、それは…何もなかったよーに消えてしまった。あとには小さな石碑が、一個のこっていただけじゃった。そのあといろいろなウワサが流れたが、正しい伝説をつたえられるのは、このワシ、偉大な予言者のオババだけじゃ。伝説の謎にいどんだ者は何人もおるが、生きて帰った者はおらんじゃった。怪物に食われたとも聞くし、財宝に目がくらんで死んでしまったとも聞くがのぉ…。どんなもんじゃろか?
予言者・オババ
取扱説明書より
れとげ部!での評価
迷げ!:
ここが迷げ!
まじ迷う!
まぁ、迷路なんだから当たり前といえば当たり前のことなんだが。ファミコングラフィックということもあって、迷路自体が見づらくて自分の現在位置を把握しにくい! どっちの方角を向いているのか混乱することもしばしばだ!(方向音痴の私にはきつい!)
「本当に迷子になってしまう」という意味では「現実の迷路を良く再現できている!」といえなくもないかもだけど……うーん、どうだろ?
ふと、「実際のアトラクション迷路で迷子になったらどうしたらいいの?」疑問が湧いて調べてみたら、下の方があいていてそこから楽々抜けられるとか。一定区間ごとにギブアップドアが設けられていて、そこから外に出られるんだとか。監視員さんがいるから叫べば助けてもらえるよ、とか――まぁ、そうだよね~。あとは、左手を壁につけて壁沿いに進む「左手法」(あるいは「右手法」)という割と有名な攻略法があったりなんかして、なんだかんだやっぱり「迷路は面白い!」
そういえば、この頃はアドベンチャーゲームでもなぜか3Dダンジョン要素を仕込むのがテッパンだったよね~!(『ポートピア連続殺人事件』とかさ! 覚えてる?)
アトラクション迷路は世界的にも割と古くから存在していて、ヨーロッパの修道院の「迷路園」(『シャドーハウス』の庭園迷路みたいな!)なんかは、もともと王様が愛人を匿うために作らせたんだけど、妻が迷路を攻略して愛人に毒を盛った……なんて、なんか怖い由来がある!
現代の迷路はちゃんと安全が確保されていて、あまり「怖い」ってイメージはなかったんだけど、冒頭のドッペルゲンガーの話もあったり、「迷うって本当に怖いことなんだなぁ」(子供の頃に迷子になったときのあの気持ちを思い出させてくれたというか)改めて実感したっていう……こんなプレイ体験談でいいのかしら?(いいんです!)
コメント! (レトゲで一言!)
現在のアトラクション迷路は安全がしっかりと確保されているが「迷うって本当に怖い」あの気持ちを思い出させてくれたな。