基本情報
- ジャンル:シミュレーション
- 機種 :ファミリーコンピュータ
- 発売元 :東芝EMI
- 発売日 :1986年12月5日
ゲーム概要
『ディーヴァ』――このタイトル、オールドゲーマーなら一度は耳にしたことがあるかも。「空前絶後、唯一無二、前代未聞」――当時、100名以上のプレス関係者を前にして行われた制作発表会は、今でこそ珍しくもなくなったけど、1980年代においては「極めて異例」のことだったな。
ジャンルは「スペースオペラ・シミュレーション(アクティブシミュレーションウォー)」。それに沿うようなカタチで「後にも先にも例がない史上空前のスケール」で開発された伝説のSLGと言って決して過言ではないこの感じ。……まぁ、その試みが成功したのか失敗したのか、そこらへんについては下で語っていこうと思う。
ここでは『ディーヴァ STORY6 ナーサティアの玉座』のゲーム内容ね。目的は、敵の親玉であるシヴァ・ルドラの圧政に苦しむ星系を解放すること。ゲームは大きく2つのパートからなる。すなわち「アクションパート(惑星戦)」と「シミュレーションパート(艦隊戦)」である。アクションパート(惑星戦)は強制スクロール方式で、敵の中枢部(最後に現れるボス)を破壊して惑星を制圧、艦隊の生産力を上げる。シミュレーションパート(艦隊戦)は、奪った惑星に敵が侵攻してきた場合に発生する。
本作のジャンルとしては「シミュレーション」を謡っているけど、どちらかといえばアクションがメインといった印象を受ける。動きは滑らかで、ストレスはなく、難易度もちょうどいい感じ。たぶん、メインのファミコンユーザーである低年齢層を意識した作りになっているんだと思う。然るに、これを「ウォーシミュレーション」と呼べるかは意見が分かれるところ。そのため、本作のSLGとしての一般的な評価はあまり高くない。しかし実際にプレイしたファミっ子たちの印象には強く残っているみたい。「間違いなく名作中の名作」「二人協力プレイが印象深い」「DL配信、リメイクなど希望」といった声も聞こえてくる。本ブログでの評価は「異色げ!」。その理由は下に書いておくね。
ストーリー
マウトレーア歴3721年。一筋の閃光とともに一つの惑星が銀河から姿を消した。
そして………すべては惑星アルジェナの謎の消失から始まった………。ヴィシュヌ銀河には、かつての繁栄の姿は微塵もなかった。
そこにあるものは、絶望と悲しみ、うす暗い復讐の炎………この荒廃の影に潜む、破壊者の姿………シヴァ・ルドラ、元帝国宇宙軍総司令。
マータリ・シュバン………帝国艦隊を襲う宇宙海賊“紫苑の海賊”のキャプテン。
マータリ・シュバンは、銀河第三帝国の末えいと噂され、その姿は海賊のイメージとはかけ離れたものであり、しかも若かった。彼は3歳のときに、夢の中で皇帝になると予言され、その約束の地である惑星アシュビンをさがし求めていた。
時は流れ………惑星マトゥラーを壊滅状態に陥れたマータリ・シュバンの艦隊は、戦火の傷をいやしていた………その目前に小艦隊が近付いてくる………艦長の名は、ア・ミターバ………マータリ・シュバンは、待っていたかのようにア・ミターバを惑星マトゥラーへと導いて行った。
………マータリ・シュバンは、永く捜し求めていたナーサティア双惑星を捉えていた。取扱説明書 <ディーヴァ―ナーサティアの玉座> より
れとげ部!での評価
異色げ!:
ここが異色げ!
100万円かかるって……!?
さて、まず本作が「STORY6」であるように『ディーヴァ』は7つのストーリーで織りなすクロスオーバー作品である。ゆえに「STORY1~7」まで7つのタイトルがほぼひと月おきに発売されている。そして、「ここまでは現代でもままある販売形態である」と思われるかもしれない。しかし『ディーヴァ』はここからが違った。なんとそれぞれ別々の7種類のPC、コンシューマー機(PC-8801mkIISR、FM77AV、X1、MSX、MSX2、FC、PC-9801VM/UV)で発売したのである!?
例えば、同一タイトルを最新のプレステと任天堂機の両方で出すマルチ化なら、現代では当たり前。だが、いくら各ストーリーは独立しているとはいえ、仮にもストーリー番号を振っている「シリーズもの」において、しかもほとんど同時期に別々の機種で発売するとなると他に類を見ない。てか、全機種プレイしようとしたら100万円位かかるって……、どんな暴挙よ!?(ちなみにPC-9801の定価29万5千円――当時のPCは非常に高価で庶民が気安く買えるものではなかった)
メーカーさんとしては「それぞれ違う機種を持つユーザー同士でコミュニケートしてほしい」という狙いがあったそう。ユーザー間で情報交換してストーリーを補完してね、みたいな。現にパスワードを用いてそれぞれが育てた艦隊を他機種に援軍として送り込めるシステムは「機種間に互換性がない」ことを逆手に取ったなかなか憎い仕様だった。でもね、結局のところ「PC持ってる友達いた?」って話に。この点、「『ディーヴァ』のクロスオーバーストーリーは完成度が非常に高い」といわれているだけに残念と言わざるを得ない。
うん、長々と語ってしまったけれど、何が言いたいかと聞かれたなら「当時『ディーヴァ』の全ストーリーを制覇した人いたの?」。私は出会ったことがない!
コメント! (レトゲで一言!)
きかこよへうぬにいまにす